2023/10/12(木)~10/13(金) 大源太山2023年10月12日 00:00

谷川岳エリアに大源太山(だいげんたさん)は二つある。一つは三国峠に近い、別名「河内沢ノ頭」の1764m。こちらは5年前に無名山塾の雪洞泊で登った。今回は「上越のマッターホルン」と異名をとる1598mを、I本・I氏との個人山行で歩く。
I本氏とは昨年12月の丹沢以来。その後、氏は心臓に不調が見つかってペースメーカーを埋め込んでいる。テント泊山行を再開しているとのことだが、まだリハビリ中というところだ。

■10/12(木)
越後湯沢駅7:55発のバスで終点の旭原(あさひっぱら)へ。小学生の登校時間で途中までチビ達が賑やかだった。8時半に行動開始。大源太キャニオンへ向かうカーブを見送って直進する箇所には立派な道標がある。
大源太山登山口
そこから林道終点まで40分。駐車スペースには1台が停まっていた。
緩やかに登っていくと沢際に出た。手持ちの昭文社山と高原地図(2017年版)では、まず丸木橋があり、沢沿いに進んで渡渉となっているが、ここで既にトラロープが渡してあるのみ、橋はおろか飛び石も無い。水深はそれほどでもないが、裸足になって渡渉した。水はまだそれほど冷たくない。
渡渉点1
シシゴヤノ頭へ向かう「謙信ゆかりの道」入口を過ぎ、左手に沢を見て進む。細くて崩れそうな箇所もあり、ちょっとイヤな道だ。支沢を跨ぎ越すと本流の渡渉点。こちらは深い流れを飛び越せばその先は靴で行けそうだが、飛んだ先の岩は濡れており距離も微妙で、飛び損なえばズブ濡れ必至だ。再び靴を脱ぎにかかる自分の傍ら、I本氏は思い切って飛んだ。結果、I本氏は無事に岩に立ち、自分は腿まで浸かって渡った。
渡渉点2
渡渉の後は沢を離れ、尾根の急登になる。汗をかいて登っていくと、やがて目指す大源太山が見えてきた。1250mを超えた辺りでいくらか緩やかになって一息。ここからは七ッ小屋山から手前に落ちてくる尾根、その向こうに谷川岳から平標山の稜線が望める。
いよいよ近付いてきた大源太山は、それほど尖って見えない。山腹は思ったより紅葉している。
大源太山をバックに
大源太山の紅葉
ロープやクサリの付いた岩場が出てくると登りも大詰め。地形図では北側に岩崖マークが連なっているが、特に難しい箇所は無かった。
大源太山へ
12時半、大源太山(1598m)に登頂。
大源太山登頂
地図に「巻機山の眺望良い」とあるが、北方に限らず全方位を見渡せた。
○東~北:大烏帽子山~柄沢山~巻機山(山名図の牛ヶ岳~割引岳の辺)。遠くは至仏山、平ヶ岳
大源太山より(1)
大源太山より(1)山名
○西~南西:大源太キャニオンから上がっていくと荒沢山、足拍子岳。遠くは苗場山~佐武流山の稜線
大源太山より(2)
大源太山より(2)山名
○南西~南東:少し雲があるが平標山~谷川岳、七ッ小屋山
大源太山より(3)
大源太山より(3)山名
○南東~東:七ッ小屋山、笠ヶ岳~朝日岳~柄沢山の稜線。遠いシルエットは至仏山、平ヶ岳
大源太山より(4)
大源太山より(4)山名
山頂からの下りは、急峻な岩場にロープ、クサリが連続。足場を見定めながら慎重に。
大源太山からの下り
岩場を下り切って見上げる山頂はピークが二つあってモッサリしているが、少し進むとマッターホルンの名に恥じないスッキリした姿を見せてくれた。
大源太山
大源太山
七ッ小屋山の登りは刈り払いされており歩きやすい。清水峠への分岐は山頂手前だが、山頂まで高低差も無いので自分だけ往復した。ここには14年前の馬蹄形以来だ。
七ッ小屋山
分岐に戻り先行したI本氏に追いついて、笹原の群馬-新潟県境尾根を下る。支尾根が派生する冬路ノ頭(とうじのかしら、1590m)を過ぎて清水峠を見下ろし、今夜の塒(ねぐら)となる白崩避難小屋に15時到着。
清水峠
小屋には一番乗りだった。小さな小屋で、左右に各3人が寝られる床があり、その上に一人分のスペースが全部で四つ、収容人員は計10人というところ。入口正面の扉を開けると、左手にトイレがある。
白崩避難小屋
小屋に荷物を置いて、水の調達に出る。送電線監視所にいた人はJR東日本の職員で高崎から来たとのこと。東電施設と思い込んでいたが、避難小屋ともどもJRのものなのだった。この監視所の裏の塩ビパイプから出ている水を利用する登山者もいるらしいが、見たところ監視所の廃水である。無人の時期のことだとしても、如何なものか。
地図にある水場は土合方面への道を入ったところ。道を横切る流れは3本あったが、最初のは道から下りる足場が不安定だ。その次と、送電線の真下の3番目が汲み易い。木の葉などのゴミが多少混じるのはやむを得ないところ。
小屋に戻ると単独男性が入っていた。やがて、別の単独と二人組が来て、1階が満杯になった。我々以外は谷川馬蹄形の模様。

■10/13(金)
5時半に出発。ややガスがかかっており、特に行く手の稜線は白く覆われている。それでも、東の方に一瞬山並みが見えた。ガスにくすんでいるが、紅葉は大源太山周辺よりこちらの方が進んでいる印象。
ガス
ガス中の紅葉
ジャンクションピーク(1930m)まで登る。ここから巻機山へは指導標に「難路」とあるが、ササの間に踏み分け道があるのか? 自分は4月の残雪を踏んで行ったのだった(https://marukoba.asablo.jp/blog/2007/04/21/9463205)。
ジャンクションピーク
草紅葉の原を通過して朝日岳(1945.2m)に7:50。今回山行の最高地点はガスに加えて強風で寒かった。
朝日岳
朝日岳から下りるとガスが晴れてきた。風も止んですっかり登山日和だ。
朝日岳を振り返る
        朝日岳を振り返る
白毛門側から来る単独やパーティが何組もあり、中には日帰りで馬蹄形という猛者もいる。登山道脇に座ってスマホ操作している単独男性は、開けてきた景色をSNSにアップしているのかしらん。
笠ヶ岳を前にした1934ピークで休憩していると、ヘリが飛んできた。向こうから我々を観察するふうもあって、どうも遭難救助らしい。「さっきの座っていた人!?」と思っていると、やはりそうだ。傍らを通り過ぎた時には特に困っている様子もなかったが、足を挫くか何かして救助要請したのだろう。彼がいた辺りで隊員が降下した後、ヘリは旋回して現場に戻っていく。単独登山で自力歩行不能となれば即ちヘリ救助か...自分も気をつけるとしよう。
防災ヘリ
        群馬県の防災ヘリ「はるな」
9時半に笠ヶ岳(1852.1m)を踏み、白毛門(1720m)には10:50。I本氏に合わせてゆっくりしたペースだ。
笠ヶ岳より
        笠ヶ岳から望む谷川岳~一ノ倉岳~武能岳
白毛門より
        白毛門から振り返る笠ヶ岳~1934ピーク
白毛門の山頂下はクサリ付きの岩。3月に来た時は上部の短いスラブ状だけ出ていた(https://marukoba.asablo.jp/blog/2023/03/07/9567969)が、全体は結構長い。
白毛門下の岩場
樹林帯に入っても急傾斜が続き、14時過ぎに土合橋に下山。
バスで水上に出て、御用達のそば処くぼ田に立ち寄ることができた。

■今回のルート
大源太山ルート

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