2006/3/17(金) 「蓮如とその母」2006年03月17日 00:00

仕事の後、渋谷・ユーロスペースの「RESPECT 川本喜八郎」へ。本日が最終日で特別プログラム、と書くと何回も通ったようだが、最初で最後である。目当ては一般公開もビデオ化もされず未見の「蓮如とその母」(1981年 92分)。

最終日ということで、上映前に川本監督の挨拶あり。「この作品はメロドラマで、「死者の書」のように難しくありません。笑うところもあると思います」。
スペクタクルを織り込んだシンプルなストーリー、人形の豊かな表情と、言葉通りに分かりやすい。黒柳徹子と岸田今日子のそっくり人形が登場すると笑いも起きた。監督の挨拶でも触れていたが、武満徹の音楽もピタリとはまっている。
作品歴から見ると「火宅」と「不射之射」の間、完成期というところか。戦闘シーンを含むアニメートや背景美術にも余裕が感じられるようだ。

原作は同和問題を主題としたものだそうだし、同和教育映画という位置づけで滋賀県の地方自治体が製作したのだろう。しかし、映画ではそれを前面に押し出すことはなく、製作経緯のために観る機会が制限されているのだとしたら惜しい作品だ。

「蓮如~」の上映は21時過ぎで、その前に唐沢俊一氏の「ブジオ!」を携帯ラジオで。今日のゲストはアニドウなみき会長。登場のテーマソングがあれでは、一般視聴者は端(はな)から置いてけぼりって感じ。ラジオでのなみき会長の声は上映会の時とは違って聴こえたが、「自分がいなければジブリもなかった」なんて言うところはやっぱりこの人だ。

2006/3/10(金) 川本喜八郎「死者の書」2006年03月10日 00:00

本日は夜勤のためシフト出勤。
出勤までの空いた時間に川本喜八郎の新作「死者の書」を観ようと神保町の岩波ホールへ。
ただちょっと不安なのは睡眠不足。昨晩酒を飲んでいたせいなので自業自得なのだが、川本喜八郎は体調を整えて臨まないと作品に負けてしまうのよね。

平日の午前中ならガラガラだろうと予想したのだが、座席は8割以上埋まっていたのではないか。中高年女性が多い。

時代背景などを説明する実写の短編の後、本編上映開始。
風になびく衣装の描写などさすがに素晴らしい。しかし、人形に情念とでもいったものがあまり感じられないのは体調のせいか、はたまたこちらの感性が衰えたのか。「道成寺」など物言わぬ人形の演技に圧倒されたものだが。そう思うと、せりふの演技もいまいちの感じ。

・・・いかん、ラスト近くで意識を失ってしまった。もう一度、今度はきちんと睡眠をとって観にこないと。

池袋で献血してから出勤。

2006/2/3(金) アニドウ上映会2006年02月03日 19:00

最近忙しい。毎日普通に出勤して22時過ぎまで残業している。
が、今日は定時退社して(その代わり明日も休日出勤だ)、中野の芸能小劇場へ。

19時間際に到着、予約しておいた『森やすじ画集2 もぐらノート』を購入して入場すると、K田・T(ミクシィネーム:さざんかQ)氏、eno(ミクシィネーム)氏、「天動説」のS氏がいらっしゃった。今日は唐沢俊一氏はラジオのお仕事、K元・T氏もお見えにならず。

今回のお題は「豆なアニメーション特集/杉並区:杉並アニメ匠塾 課外授業」。豆は節分だが、アニメ塾とは? 会場の中央前よりにいた女の子達がそれか? googleして初めて知った、杉並がアニメのまちだったとは。

作品ラインナップは課外授業ゆえおとなし目。なみき会長は「ひねくれた大人の唐沢さんがいないから」などと喋っていた。
恒例の予告編は「原子怪獣現る」。言わずと知れた「ゴジラ」の元ネタ。鳥小屋を手前にしたカットも入っていて、ああ「ゴジラ」にもあったなぁ。灯台を襲うところはブラッドベリだ。
ゴジラ繋がりだが出自の分からないプロモーションフィルムと前回に引き続いてのビートルズがあって、サイレント、モノクロ時代の作品で1リール。ちょっと眠かった。
中盤はプラキシノスコープから紙芝居(S40年代前半の風景か?)、アブ・アイワークス、日本の'40年代前半の2本と、アニメの歴史のお勉強。1本は「くもとちゅうりっぷ」で、なみき会長の喋りと歌がひとくさり。「昔のアニメータの試験は「くもとちゅうりっぷ」をどれだけ知っているかだった(ここでくもの口真似および歌)、今後はそれを復活させようと思います」。歌が上手い。
後半はベティ1本とMM3本。MMは年代を'42→'38→'33と遡ってキャラクタの変遷を見せる。やはり'38頃のがいい。この時代、アニメート技術も見事。

節分→豆というお題だが、鬼でピックアップした作品もあり。フライシャーの日本語タイトルで「鬼」になるのはモンスターだったり地獄の悪魔だったりするのが可笑しい。

終了後、K田氏は子供と節分のためまっすぐ帰宅、残り3人は中華料理屋へ。

2006/1/3(火) アインシュタインとキング・コング2006年01月03日 00:00

先日見損なった「キング・コング」を休み中に片付けようと上映館を調べたら、「アインシュタイン日本見聞録」と組み合わせられることが分かったので、ちょっと早めに出掛ける。

有楽町の日劇で「キング・コング」14:30の回を押さえてから相田みつを美術館第2ホール(東京国際フォーラムB1)へ。
アインシュタイン日本見聞録」は\800という入場料からしてそれほどの展示とは思っていなかったが予想通り。ア博士(当時の報道ふうの略し方)旅行期間中のトピックと日記のパネルを主体とした展示に比べて音声ガイドが充実し過ぎていて全部聴いていられない。と言うか、音声主体? 展示の中ではア博士のパスポートや滞在したホテルの宿帳、懐中時計や革ジャンパー等の実物に見入る。
カタログ(\2100、ちと高い)と岡本一平・画のTシャツ(\2200)を購入。

時間があるので、東京駅OAZOのJAXAiを覗く。H-I2段目ロケットエンジンを見ていたら、職員が説明してくれた。

「キング・コング」(Wikipedia ⇒ https://ja.wikipedia.org/wiki/キング・コング (2005年の映画))、序盤は昼飯に付けたビールのせいで少々眠かったが、髑髏島に乗り込む辺りで復調。
ピーター・ジャクソンがオリジナルの「コング」や恐竜との格闘や絶叫女優を愛していることがよーく分かった。しかし3時間は長過ぎる。恐竜のシーケンスをあれだけ長々とやったらコメディである。「ロード・オブ・ザ・リング」は語る内容が豊富で上映時間を感じさせなかったが、「コング」はストーリーがシンプルな分、この長さは辛い。映像的には文句なし、部分部分の迫力も十分だが、全体の評価としては劇中のセリフ「彼は自分の愛するものを壊してしまう」が浮かんだのであった。
それにしても、あれだけ小汚くて凶暴な土人は久しぶりに見たなぁ。

映画の後、JSレネップで飲もうとO倉・K氏を誘ってあったのだが急用で来られなくなった。予約してあったので、一人でビール3杯をチーズとプレッツェルで流し込み、1時間足らずで撤収。

2005/12/25(日) アニドウ上映会2005年12月25日 19:00

先日のと学会例会(⇒ 12/11 と学会例会)で仕入れた情報に基づき、滅多に見られない映像作品のDVDを3枚ほど某所で仕入れる。
移動中の読書は、唐沢俊一氏・村崎百郎氏の『社会派くんがゆく!維新編』。唐沢氏のダークサイド全開だが、村崎氏に比べればマイルド。事件事故を個人の感情を離れて社会的生物的側面から論ずるのはPFやSFの手法だなと思う。

新宿で時間があったので献血(124回目)し、石井スポーツで雪山装備のビーコンを購入してから、いつものなかの芸能小劇場へ。
本日のメンバは唐沢氏、K田・T(ミクシィネーム:さざんかQ)氏、eno(ミクシィネーム)氏、それと上映会初参加のはれつ(ミクシィネーム)氏が唐沢氏とご一緒されていた。K元・T氏はお見えにならず。

まずは東宝特撮の特報が1本と、予告編が豪華5本立て。今回の裏テーマは、ピーター・ジャクソン版公開記念なのかキング・コングということで、元祖からアメリカ版キンゴジからメカコングまで。ゴジラの脳ミソはビー玉でそれに対してコングは、なんて場面がいい。この裏テーマ、続く上映作品にも微妙に反映する。

表のお題は「貧乏なクリスマス特集」。要は貧乏な子供がクリスマスに幸せになるというパターンで、フライシャー作品も毒が無くて面白みに欠ける。

その中でスタレビッチ「シネカメラマンの復讐」(1912、ロシア)が収穫。しかも片山雅博・多摩美術大学教授の「活漫」である。以下、手元の『世界アニメーション映画史』から引用。

夫婦間の不義不貞が発覚して大混乱という、当時のブルジョワを風刺した大人向きの話がカブト虫、バッタ、カミキリ虫などの昆虫をキャラクターに使って表現されている。スタレビッチ自身が博物学者であったせいか、これらの昆虫キャラクターは二本足で歩くとはいえ、ゴソゴソ動く虫の感覚そのもので、素材になめし皮を使ったといわれるリアルな人形は、親しみやすい擬人化とは縁のない奇妙な味を持っている。技術的にはすぐれたものがあり、細部までよく動かしていると感心させられはするのだが、なんとも気味悪い質感の人形で、人によっては好き嫌いのわかれるところでもある。(引用終り)

唐沢氏によると、制作当時一般に公開された作品ではなく、上流階級のお楽しみとして映されたものとのこと。自分たちの行動の戯画だったわけね。ホントによく動くし、バッタのカメラマンが盗撮したフィルムが劇中劇で映画館にかけられるのには感心した。このアニメーション技術、一子相伝で失われてしまったそうである。惜しいというべきか。下の画像はは、鍵穴から盗み撮りするバッタの場面。
シネカメラマンの復讐

片山活漫でもう1本、「赤垣源蔵徳利の別れ」は切り紙アニメの技術が素晴らしい。
他に、WDはMMの、本来はカラーなのにモノクロで日本語タイトルが付く素敵なフィルムがあり、本来のタイトル画面の一部(copyright?)が黒く潰されているところがウケた。

フィルム上映はいつも通り21時過ぎに終わったが、片山氏となみき会長が舞台に椅子を持ち出してトーク開始。
なみき会長がアニドウも40年と話し始めると、すぐさま「乗っ取って何年になるの?」という調子で、主にアニドウに関わった人達の話題。
そんな中に、瀬尾光世監督が「桃太郎 海の神兵」を戦意高揚映画と批判され、未だに前面に出たがらないという話もあった。一億一心火の玉の時代に戦意高揚映画を作ったとて誰に責められよう。「桃太郎」はそんな時勢を差し引いても素晴らしい作品であり、瀬尾氏は賞賛をこそ受けるに相応しい。

終わってから「K元氏がいないと店選びが難しい」など言いつつ、以前に入ったことのある中華へ。
K田氏はウーロン茶、他はチンタオビールから紹興酒へ、メインの料理は羊のしゃぶしゃぶ。特に目立たない店だが結構美味しい。
ここで先ほどのスタレビッチやトムとジェリーの話など。はれつ氏は上映会こそ初めてだが知識は負けていない。経緯は忘れたが、ビールに卵を落として飲む話とか、それならオロナミンセーキってのがあったとか。

店を出たところで唐沢氏「わたしはカバンを持っていなかったか?」。少なくとも上映会場を出てからは持っていません。「たいしたものは入ってない。後で会場に問い合わせてみよう」ということで、唐沢氏、はれつ氏はタクシーへ。自分は家までの終電は終わっているので、途中駅からタクシー。
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