2023/1/18(水)~1/19(木) 蓼科山~北横岳2023年01月18日 00:00

雪山装備の点検がてら易しいところへという選択で、好天予想の二日間で出掛けた。
北横岳は2003年12月に無名山塾・遠足倶楽部にゲスト参加した雪山入門の山。蓼科山は2004年5月、2007年12月に続く3回目。北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅からは2015年1月に黒百合平へと縦走しており、これで蓼科山と八ヶ岳が繋がった。

■1/18(水)
茅野駅から北八ヶ岳ロープウェイ行きのバスに乗車、石臼台別荘地に10時過ぎ。冬はここから蓼科山登山口まで車道歩きと思っていたのだが、身支度しているうちにバスが戻って来た。「別荘経由」路線は登山口方向の「アルピコ蓼科高原別荘地」まで行ったのだった。
それはそうと、今シーズン初めて履いた冬靴が窮屈だ。左右とも爪先に余裕が無い上、バス車中で右踵まで痛み出したので絆創膏を貼って靴擦れ防止を図る。
10:20に歩き始め。晴れ、気温4℃。行く手に蓼科山を眺めながらの車道歩き3.7kmで、11:10に女乃神茶屋前の登山口に到着した。
蓼科山
スパッツを着け、暖かいのでヤッケを脱ぎ、11:25 登山開始。地面は一面に白いが、登山道はよく踏まれている。1時間ほど登って標高2050mを超えた辺りでアイゼン装着。美しい樹林帯を抜け出すと眼下の景色が広がる。しかし、山頂が近付いて傾斜が増すとテント泊装備の重さが堪えた。今回は雪山の三種の神器のうち、スコップとプローブは省略しているのだが(雪崩ビーコンは持参したがザックの中だ。万々が一の時はココヘリで見つけてもらう)。山頂直下のガラガラとした岩場は雪が薄く、アイゼンが軋(きし)む。
蓼科山の樹林
蓼科山山頂下の岩場
13:50 蓼科山(2530.7m)登頂。雲はあるが、南八ヶ岳の迫力ある姿を眺められた。広い山頂を少し巡り、蓼科神社の祠に参拝する。この時間ではほとんどの登山者が下山しているが、後から単独男性が上がってきた。
蓼科山登頂

蓼科山より南八ヶ岳を望む
蓼科神社
さすがに山頂は風が強く寒くなってきたので、ヤッケを羽織って下山開始。踏み跡は山頂ヒュッテの先で風に消されていたが、コンパスを合わせて下方を窺うと目印の鉄製ポールが見えた。自分の影が伸びた先にブロッケンが現れる。
ブロッケン
斜面を下りると踏み跡も復活し、樹林の中を蓼科山荘へ。ここから大河原峠方面への雪面は真っ新(まっさら)なので、ワカンに履き替えた。樹林の切れ目が真っ直ぐに伸びているので進路は明確だ。道の上にはウサギやカモシカらしい足跡ばかりで人の気配無し。赤谷の分岐から道標に従って東に向かった小ピークには「佐久市最高地点 2380m」の標柱があった。
16時に大河原峠着。蓼科スカイラインは11月中旬から冬季通行止めのため大河原ヒュッテはひっそりとしており、公衆トイレも閉鎖されている。トイレから少し前進した道路上にテントを張った。
大河原峠
暗くなると眼下に美しい灯は佐久市街か。街からの見通しのおかげでスマホが通じ、帰路のあずさを予約できた。シュラフに入っていると弱い風が時折テントを揺らし、内壁の霜が顔に落ちてくる。

■1/19(木)
6時半過ぎに出発。双子山に向かう夏道はヒュッテに近い所から入るのだと思うが、雪の深さは変わらないだろうと道路脇の登りやすそうな斜面に取り付いた。すぐに2~3日前のものと思われるトレースに出会い、また樹木に赤テープも付いているのだが、少し辿るといずれも途絶えた。
双子山へ向かう
あとはコンパスを合わせ、笹が頭を出す雪原や樹林の切れ間の歩きやすそうな箇所を進む。時に膝上のラッセルを交えて、7:40に双子山(2223.8m)に着いた。山頂標の傍らに三等三角点が置かれているが、細長い山頂のもう一方の高まりにも「四等」の標石がある。岩の上に祀られた石嗣に下山までの無事をお願いして、双子池方向へ向かうトレースを追った。
双子山
下って行って傾斜が緩むとトレースが消える箇所もあったが、8時半に広々とした双子池(雌池)の畔に出た。どこまでが水面なのか判らないが、西寄りにキャンプ場の看板があり、双子池ヒュッテの営業期間にキャンプするのは気持ち良さそうだ。
双子池(雌池)
池を回り込んで谷地形を登り、尾根を乗り越して亀甲池に下りる。双子池から大岳を踏むルートも考えたが、踏み外すと身体ごと落ち込むような大岩地帯があるらしく、単独で二進(にっち)も三進(さっち)も行かなくなると困るので大人しいルートにしておいた。亀甲池も樹林に囲まれた雪原になっており、樹林際に天祥寺原/北横岳への分岐道標が立っている。北横岳方面に続いているトレースは下って来たスノーシューのようだ。そちらに進むとすぐにまた北横岳を指す指導標があったが、トレースとずれているように見えるので方角を確認しながら進む。やがて傾斜が急となりトレースの正しさを確信できた地点でアイゼンに履き替え。
亀甲池(2040m)から北横岳(北峰、2480m)までの登りがキツい。ジグザグの容赦ない急傾斜が続き、時折雪を踏み抜くと体勢を戻すために一層体力を使う。急登が終わって稜線が見えたと思ってからがまた長い。特に最後の急斜面では踏み跡に足を置くとズブズブと潜ってしまい、前進しようにも足掛かりが無い。雪の表面は硬くなっているので、トレースを外して荒れていない雪面の上方にピッケルのピックを刺し、腕で身体を引き上げアイゼンとの間で体重を分散させて乗り切った。ようやく稜線に出ると、大河原峠をUの字の底にして大きく回ってきた蓼科山が見えた。
北横岳稜線
北横岳は火口の縁にピークを二つ持つ双耳峰で、その北峰(2480m)に12:15登頂。山と高原地図(2014年版)で大河原峠からのコースタイム2:50のところに6時間近くかかってしまった。ここに建つ大正十○(五?)年の「修那羅大天武」の碑は、八ヶ岳北山麓の修那羅山を拠点に活躍した行者を記念したものだそうである(https://blog.goo.ne.jp/bosatu2014/e/169c2089c56906871aff87e0be7a65b7)。三角点のある南峰(2472.0)からは南八ヶ岳の眺めが良い。北峰と南峰の間で、昨日の蓼科山頂以来、初めて人に会った。
北横岳(北峰、南峰)
想定より遅くなったので七ツ池は割愛し坪庭も上から眺めるにとどめて、ロープウェイ山頂駅に下りると13:10。外のベンチで装備を解いて乗車(片道1200円)し、山麓駅で土産品を買って15時のバスを待った。
ふと気づくと、二日目は足が痛まなかった。靴内に余裕が無いことに変わりはないが、紐の締め具合でフィットさせられるか?

■今回のルート
蓼科山~北横岳ルート

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