2020/6/9(火) 奥多摩・貴布祢神社のオオカミ狛犬と浅間嶺2020年06月09日 00:00

今日は有給休暇にして、入梅前の奥多摩へ。第一目的は大嶽神社類似のオオカミ狛犬がいるという貴布祢神社。しかしそれだけでは奥多摩まで出かけるのにコスパが悪いので、昭文社の山と高原地図で破線になっているルートで神社から浅間尾根に上がり、下りには松生(まつばえ)山を通るやはり破線ルートを使おう。コロナ自粛で3月の会津駒(http://marukoba.asablo.jp/blog/2020/03/22/9229380)から山に入っていないので、リハビリでもある。しかし、今日明日は暑さのピークに当たってしまい、登りで大汗をかいた。

武蔵五日市駅からバスで40分、笹久保で下車。バス停の先の鳥居から階段を上がると山に張り付くような小さな敷地に貴布祢神社の拝殿、社殿が建っている。
目当ての狛犬は建物の手前、山を背にして段に並んだ祠や板碑、庚申塔を守るように両端に置かれていた。向かって左の吽は鼻先が欠けているが、正しく大嶽神社タイプ。台座の側面に刻まれた文字は「宝暦十大十月」か? 後半3文字ははっきりしないが、宝暦十年=1760年は大岳山の狛犬の翌年。同じ石工の手になるものだろうか。右の阿は無残に台座ごと真っ二つ、下半身しか残っていない。傍に置かれた円錐形に近い石は喪われた上半身に見立てているのか。下半身の前のドーム状の石は灯篭の一部かもしれないが不明。
貴布祢神社は1646年創建、『新編武蔵風土記稿』には御嶽社として記載されているとのこと(https://repository.musashi.ac.jp/dspace/bitstream/11149/1592/1/sogo_2012no22_002.pdf)。やはり、御嶽~大岳連合に連なるらしい。
貴布祢神社の狛犬

貴布祢神社の狛犬

8:40 神社を後にして道路を進むと左に下りていく道がある。数件の民家を過ぎて北秋川を渡り(丸太が2本渡してあったが、乗ると撓んでプルプル)、山道に入る。沢沿いにワサビ田らしい囲いに行き当たって右手の斜面を上がったが、すぐに手すり付きの道に合流した。手前から尾根に入る道があったようだ。尾根に乗ると覆い屋に入った祠があり、中に馬の像。かつて林業で使役された馬を祀ったのだろう。馬頭尊の石碑には時々出会うが、馬の像は初めて見た。
道は登山道と言うよりは植林の作業道なのだろう。下でチェーンソーを使う音も聞こえる。それでも752mの辺りは雑木が勝って適度に日陰を作り、気分がよい。と思うと、樹を掴んで登るような急傾斜。10時、息を切らせて930.2m三角点に上がった。標石の傍らの杉に「一本松」の札が掛けてある。昭文社地図では一本松はここより西、藤倉への分岐点のように見えるのだが。
三角点から浅間尾根の縦走路に下りたところにお地蔵様が立っている。刻まれた年号は安永二(1773)年か? この先にも要所に石宮や地蔵などがあり、峠越の往来が盛んだった往時を偲ばせる。それだけに浅間尾根はよく踏まれた歩きやすい道なのだが、面白みもないので右に逸れる踏み跡に乗って尾根上を進む。並行する道にそのうち合流するだろうと思っていると、911mピークを過ぎて急降下。コンパスを当ててみると方角がまるで違う。作業道に引き込まれたかと登り返し、ピークから東に向かう尾根に入る。ここも踏まれているが、道ではない。しかし方向は正しいから、今度は道に合流するだろう。・・・と思っているうちに踏み跡が消えた。藪に捕まるのも暑いので引き返し、下に見えた道に戻る。歩きながら見上げると藪も大したことはない。あのまま突っ込んでもすぐに道に出られたな。
浅間嶺(せんげんれい)は尾根道を選び、11:20、903mピークを踏んだ。ピークから下りて道なりに行くと浅間嶺休憩所がある。屋根の下に賽銭箱、ここから大岳山を遥拝するのだな。
休憩所の上に尾根通しの道があるはずと斜面を突っ切って登ってみると、立派な山頂標の立つ展望台だった。ただし、最高所は先ほど通ってきた903mのはず。眺望に勝るこちらを山頂扱いしているのだろう。
浅間嶺
浅間嶺からパノラマ
浅間嶺から少し進むと松生山への分岐。手持ちの昭文社地図で破線、地理院地形図では線の入っていないルートなので踏み跡を辿る程度の道を想像していたのだが、指導標はしっかりしているし、道もよく踏まれていて、何の苦労もなく歩ける。山頂にアンテナ設備がある松生山(933.7m)に12:10。858mピークの指導標には「払沢の峰」の札が掛かっていた。その先には「内蔵ノ助山 783m」の札も。最後近くに小さなアップダウンがあり、道路に出て終了。キイチゴが熟していたのでひとつ摘まんだ。
笹平バス停に13:30。バス待ち約20分で、身支度にちょうど良かった。

■今回のルート
貴布祢神社・浅間嶺ルート

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