2020/3/20(金)~3/22(日) 三岩岳~会津駒ヶ岳2020年03月20日 00:00

無名山塾から派生したみどるの会の山行に参加。今回は2班に分かれて会津駒ヶ岳を目指す。
  【A班】みどるの会と無名山塾本科を掛け持ちのT中・H氏と自分。小豆温泉から入って三岩岳~大戸沢岳~駒ヶ岳と辿る、昨年4月の本科山行で敗退した縦走ルート。
  【B班】みどるのM川・N氏とM上・K氏。3/21に駒ヶ岳登山口(滝沢橋)から入って駒ヶ岳往復。
昨年1月のみどるの会山行で敗退したのから数えれば三度目の正直で、今度は成功させたい。

■3/20(金・祝)
連休は確保したものの連日の残業で睡眠不足を抱えて家を出る。春日部から東武の特急リバティに乗車。荷物を置きやすいように取った車両後尾の席は打ち合わせた訳でもないのにT中氏の隣だった。
会津高原尾瀬口から9:35のバスに乗車。駅では降雪があったが積雪なし。バスに揺られる間に降ったり青空が覗いたりと不安定な天気で、積雪は途中のスキー場が営業しているのかどうかといった程度。
小豆温泉(標高780m)で一緒に下りた単独男性はスノーシューで窓明山とのこと。こちらは、前回は登り口を探してウロついたが、今回は雪が薄く階段が見えている。身支度して11:10に出発。小雪、少し風、0℃。
夏道通りに899.5m三角点(標石は雪の下なのか見当たらず)の尾根に入り、1時間ほど登って1000mを超えた辺りで休憩。最初は落ち葉が見えていた道も一様に白くなったが、先行者の踏み跡もあり苦労しない。そこへ夫婦らしい2名パーティが下りてきて、1300mまで登ったが雪が深くなって諦めたとのこと。踏み跡のあるうちは大丈夫かと思ったが、歩き出してすぐに潜るようになったので、こちらもワカンを装着。
雪はさほどでもないが風が強まる。前回も見た大正時代の落書きのあるブナ(1100m付近)を通過し、1300m手前で傾斜が緩む。先ほどのパーティはこの辺までは来ているはずだが、踏み跡はいつしかなくなっていた。ふたたび傾斜が増し、前回の泊地1400mを超える。雪は止み間が多くなったが、断続的に吹く突風は方向が定まらない。曇り空をバックに雪煙が上がって行く手の見通しが悪く、気力を削られる。
三岩岳への登り 3/20
可能ならば三岩岳手前の避難小屋まで進出する計画だったが、無理をせず15時を過ぎたらテント場を探すことにして上がっていくと、15:20、1600mを超えた辺りで樹木の傍らにやや平坦な箇所を見出した。あと100m上がれば傾斜が緩やかになるのだが、それもまたきりがないので今日はここまでとする。
雪面を掘り下げてテント設営。風はどちらから吹くか分からないが、三方にスノーブロックを積んだ。テントに這い入って落ち着いたのは16:30。設営中にまた降り出してテント内も雪だらけだが、風を遮るだけで極楽。夕食はT中氏のゴリラ一丁ラーメン。
三岩岳テント 3/20
終夜の突風でテント壁の霜が顔に降りかかった。

■3/21(土)
4時起床。朝食は自分の当番で、各自グラノーラの小袋(50g)にコンデンスミルクかけ。外に出てみると風が雲を吹き払ってくれたか、よく晴れている。夜明けの光の中テント撤収すると強風でポールが曲がっていたが、風は今は収まっている。
ワカンを装着して6時出発。-6℃、登り始めると時々風。
昨日とは打って変わって青空の下、今日は三岩岳に至る稜線がよく見える。登るにつれ三岩岳と反対方向に、昨日のバスの男性が登っているはずの窓明山も姿を現してくる。あちらも歩きでがありそうだ。1700mを超えて傾斜が緩むと、樹木の間など歩きやすいところを選んで進み、7:30に避難小屋(1840m、夏道の分岐点)に到着。小屋の入口側は雪に埋まっていた。
三岩岳への登り 3/21
風は次第に強くなり、時折突風。稜線のいちばん高く見えるところを目指して登るが、そこは山頂ではなく、右(西)に向かってさらに高まっていく。9時ちょうどに三岩岳(2065.2m)登頂。前回と同じく、山頂標が半分顔を出していた。ここから小ピーク二つと大戸沢岳を経て会津駒ヶ岳へ至る稜線を眺める。奥に小さく見えるのが駒とすると、距離もさることながら雪の状態はどうか。今日、駒ノ小屋まで行けるか?
三岩岳~駒ヶ岳 稜線
山頂隣の高まりを越えて2060、2057と小ピークを辿る。雪は深くはないが、硬いところとワカンを置くと沈むところがありペースが一定しない。雪庇かと思われる箇所を慎重に避け、地形に応じて樹木の間に入る。三岩岳まで断続的だった風は始終強く吹くようになった。
2057から下りて行って11時、1918m鞍部で休憩。大戸沢岳まで標高差約170m、疲れてきているとは言え1時間はかからないだろうと思ったら、実際には2時間近くかかってしまった。どうも登りが苦しい。最近体重増の上に業務に忙殺されて身体が鈍(なま)ったとこの時点では思っていたが、後になってみると軽い脱水症状が始まっていたらしい。この登りの途中、雲がかかって空気が冷たくなったが、じきに持ち直した。樹木がみな進行方向左に傾(かし)いでいることからすると、今吹いているように年中風が強いのだろう。
大戸沢岳への登り
12:50 大戸沢岳(2089m)に登頂。
あとは緩やかな小ピークを越えて会津駒ヶ岳・・・なのだがペースは上がらない。ゆっくり足を運んでいると前方にスキーヤーが一人見えた。しばらくすると後ろから来て言葉を交わす。今回、登り始めにすれ違った二人以来、初めて会うヒトだ。後にT中氏曰くスキーとしては面白い山ではないとのことだが、人のいない雪面を自由に滑るのは楽しいかもしれない。
14:20 会津駒ヶ岳(2133m)登頂。踏み跡、スキー跡は多いが、標識も何も見えない地味な山頂には誰もいない。南西方向に目立つのは白黒の峰が重なった燧ヶ岳、その右の至仏山は雪がクラストしているのかピカピカだ。西に目を転じていくと、中ノ岳から越後駒ヶ岳が荒々しい。
会津駒ヶ岳登頂 三岩岳~大戸沢岳バックに
            (縦走してきた三岩岳~大戸沢岳をバックに)
燧ヶ岳・至仏山

平ヶ岳~越後駒ヶ岳

平ヶ岳~越後駒ヶ岳 山名
十分に景色を眺めてから駒ノ小屋へ。冬季小屋があれば楽ができると思ったのだが、小屋は雪に閉ざされていた。
駒ノ小屋
連休なので泊まっている人はいるだろうと予想していたが、それもいない。好きな場所にテント設営できる訳で、最初は小屋の陰を考えたが、水が出ていたり少々狭かったりで、小屋の上の締まった雪面を選んだ。テントに入ってから通りかかった人もこれから下山するとのこと。静かな百名山だ。
夕食は自分の当番だが二人とも食欲がわかず、主食のアルファ米は抜きにしておかずのみ。もっとも、酒とツマミは普段と変わらない。
M川氏に入れたメールに返信があり、小屋まで登る手前にテントを張った、明日は5時に出発するとのこと。こちらは9:17のバスを目指して下り、駅近くの宿屋で温泉に入ろう。

■3/22(日)
T中氏食当のパンとウィンナソーセージ、スープの朝食の後、5:20 ワカンで出発。-5℃、晴れ、今日も風が強い。
その風も樹林帯に入ると遮られる。間もなく、荷物をデポして身軽なM川・M上氏と出会ってエール交換。
ワカンでは下りづらい斜面を尻セードしたところでアイゼンに履き替え。そこのブナには昭和のラクガキがあった。大正から昭和戦前のこの山にはラクガキを残す風習があったのだろうか。登山道脇に見えた小テントにスキー板3組が立ててあるのは、板の評価でもしに来ているのか。スノーマウントの傍らで準備していた単独男性が先を行く。水場も、そこのベンチも雪の下なのだろう、特に目印となる箇所もなくどんどん下りる。
土が出てきてアイゼンを外すとすぐに車道に出た。登山口バス停には7:50着。少々早すぎたが、万一乗り損なうと3時間待ちとなるので致し方ない。やがて雲も出てきて沢近くは肌寒い。M川氏とメールが通じ、あちらは雨に降られたとのこと。
バス待ちの間に帰りのリバティを予約。少し遅れてきたバスには窓明山の男性が先に乗っていた。
会津高原尾瀬口から徒歩数分の「夢の湯」は立ち寄り入浴\500。源泉かけ流しでぬるめの湯。脱衣所の説明書きには自然鉱石(トルマリンetc)を加工した装置をうんぬん、湯に浸かると固まっていた赤血球がほぐれてかんぬんとある。まあ、こういった胡散臭さは嫌いではない。リバティまでは例によって駅の売店兼食堂で打上げ。開當男山酒造のしぼりたて原酒(19~20度)旨し。

■今回のルート
三岩岳~会津駒ヶ岳 ルート

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