2008/3/29(土)~3/30(日) 八ヶ岳・阿弥陀南陵2008年03月29日 00:00

無名山塾の講習(研究ステップ)。
八ヶ岳の冬のバリエーションルート入門編。先日の赤岳主稜(https://marukoba.asablo.jp/blog/2008/03/08/9403647)で背伸びした入門をやってしまったが、改めて講習を受けた。
M本・Y講師、S木・Y氏(女性)、S藤・H氏、I干・S氏、自分の5人パーティ。S木氏は初のCU(Communication Up、講師の手伝い役)参加。I干氏以外は夏の講習(https://marukoba.asablo.jp/blog/2007/08/25/9459049)にも出ている。
天気は良好、雪の状態もベストで、恵まれた山行だった。

■3/29(土)
晴れ。
茅野駅で身支度し水を汲んで、タクシーで舟山十字路に11時。何台も駐車しており、道端にテントまで張ってある。「これじゃ南陵は混んでるぞ」と言いながら歩き始め。阿弥陀聖水は出ており、水はここで汲んでもよかった。
旭小屋までの道はしっかり踏まれていて歩きやすいが、小屋を通過して尾根に上がると凍結箇所も出てきた。2000m付近でアイゼン装着、14時に立場山(たつばやま *1、2370m)山頂。

今回は軽量化のためツェルト泊。平らな山頂の樹間に、講師とS木氏で2~3人用一張り、I干氏も2~3人用、S藤氏と自分は1~2人用。2~3人用を二つ連結して立派な宴会場ができた。所詮ツェルトなので密閉はできないが、風もなく気温も高いので問題なし。
15時頃から飲み始め(軽量化と言いながら酒とつまみは出てくるのだ)、ロープワークをやったり講師の携帯で音楽を鳴らしたりで21時近くまで。
自分のツェルトでシュラフに入るとさすがに足が冷たかったので、ホカロンを張って寝た。

■3/30(日)
3時半起床、各自で食事してツェルトを撤収、5:45に出発。晴れ、無風。
青ナギの手前にテントを張っているパーティがいたが、後から登ってくる様子はなく、おそらく昨日のうちに南陵を下りてきたのだろう。無名峰を6時半に通過、P1-P2のコルにもテントの跡があった。
P3に向かう
特に苦労もなく、7時にP3基部に到着。夏はここから岩峰を直登したが、今回は基部をトラバースして左のルンゼを上がる。講師「ここから先、転倒は許されませんから」。トラバースは講師をS木氏がビレイ。それで特に危険はないことが分かったので、残り3人が続く。足元に適度に雪が着いていて難しくないが、岩が張り出している箇所にはワイア(針金)があったのでセルフビレイを取って越えた。

ルンゼ下部に行くと講師がロープを曳いて登っているところ。S木氏がロープを握っているが、自分が立っている場所から講師は見えない。やがて上でロープが固定され、3人が順に登る。ロープにプルージックを掛けたのは保険みたいなもので、足元にしっかりステップが出来ているので 1ピッチ目は何の問題もなかった。上がって行くと50mのロープをほぼ一杯に使ってワイアの付いた岩まで、講師はその少し下の支点(ボルトあり?)にいた。
P3ルンゼ
3人がワイアにセルフビレイを取り、S木氏が支点まで来ると、再び講師が登っていってロープを固定。同じようにプルージックで上がるが、2ピッチ目は出だしがちょっと嫌らしかった。ロープに沿って上がろうとすると手の届く範囲にホールドが見つからず、ピッケルのピックを岩に引っ掛けて身体を持ち上げる。ここは左右にルートを探した方がよかったかもしれない。S木氏が上がる時に雪をどかしたらガバ(と掴めるホールド)が出てきたそうだ。あとは急斜面であるが、所々に掴める樹木もあり特に問題なし。ここもほぼロープ一杯でP3とP4の間の稜線に出た。全員が上がって8:10。

P4ではロープを使うこともなく、バランスを崩さないよう慎重に行くのみ。最後の直登にかかる手前の岩を巻く箇所がちょっと緊張する程度。ここもワイアが付いていれば安心なのだが。
岩を巻く

ダガーポジション(ピッケルのピックを雪面に刺す持ち方)を使って急傾斜を登り、阿弥陀岳山頂(2805m)に8:35。道標の頭だけが見えているから積雪は180cmくらいか。赤岳山頂には人が鈴なりだが、こちらには誰もいない。結局、昨日今日と南稜を登るパーティには出会わなかった。それでトレースだけ利用できたのだからお得な山行だ。

山頂には20分ほどいて御小屋尾根を下る。視界がない時は下り口を見つけにくいというので、試しにコンパスを合わせてみた。最初に向かう方向が尾根全体の向きより北にずれているので、確かに分かりづらそうだ。また、下り始めに出てくる岩場も天候が荒れていると危険そうで、そんな時は山頂で停滞するのが賢明だろう。
今はルートファインディングの問題はないが、墜ちたら当然ただでは済まないので慎重に岩場を越える。安全地帯まで下りたところでハーネスを外しオーバーズボンを脱ぐが、日の当たる尾根はそれでもまだ暑い。上天気とは言え山頂で氷点下だったものが一気に10℃近く、やっぱり春である。さっさと下って美濃戸口に12:15。

バスには間があったのでタクシーで茅野駅近くの蕎麦屋「更級」へ。上りのあずさは思ったより混んでいたが、どうにか座れた。

■今回のM本語録
 (1) パッキングとはザックに対する暴行である。
 (2) 地形図に現れない隆起を「隠れポコ」と呼ぶ。

■今回のルート
阿弥陀南陵ルート

*1:夏の講習の時には正しい読みが不明だったが、今回、タクシー運転手から「たつばやま」と聞いたので、それに従う。

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