2005/7/22(金) 『ヨコハマ買出し紀行(13)』2005年07月22日 00:00

芦奈野ひとしの『ヨコハマ買出し紀行』第13巻を買って読む。
もともとは8年前にO倉・K氏に薦められて4巻まで一気買いし、それ以来新刊が出るとすぐに読んでいる。ほぼ年に1冊、第1巻は1995年初版だから10年間、よく続いている。

人とロボットが共存する、ゆるやかな滅びに瀕した世界。とは言っても基調は「ゆったりのんき」で悲壮感や閉塞感はあまり感じられない・・・のだが、作中でも着実に時は移り、ここにきて具体的で身近な衰亡を語るセリフが出てきた。
10年かかっても謎の多いこの世界がこれからどうなってしまうのか。その謎がまた、ロボット誕生の経緯、災厄から退避して上空を巡り続ける人々、ロボットとも生物ともつかない奇妙な動植物、とSFとして魅力的で、特に「水神様」が気になっているのだが。おそらく主人公のアルファさんを始めとする「ロボットの人たち」の特性がキーになるのだろう。

早く続きを読みたい一方、居心地のいいこの世界がいつまでも続いて欲しいような、ちょっと複雑な気分。

2005/7/23(土) 皇海山(すかいさん)2005年07月23日 00:00

地元でもない限り、山に興味がない人はこの山名をどう読んだらいいか分からないだろう。深田久弥は『日本百名山』に木暮理太郎の次のような考証を載せている。--もともと笄(こうがい)山と呼ばれたが、コウガイが皇開と当て字され、さらに皇海となった。皇はスメと読むから皇海をスカイと読んだ--まったく判じ物であるが、昔から滅多に人の口に上らない山で、一度当て字されてしまうと読み不明となって変化を重ねた結果なのかもしれない。
日光中禅寺湖の西南西15km程に位置する標高2144mの山。渡良瀬川に沿った国道122号線から西に入ることになる。

天気予報では降水確率20~30%、まあ何とかなるさと5時過ぎにバイクで出発。熊谷→太田→(78号)→大間々と来て国道122号、銀山平の国民宿舎かじか荘に8時。交通量が少なくスムーズだったが、途中から小雨で78号線上でカッパを着込む。かじか荘フロントに断って軒下に駐車。
ここの案内板を読んで気付いたのだが、これから入っていく庚申山は『南総里見八犬伝』で犬飼現八が化け猫退治をした舞台であった。

歩き始めにはまだ降っていたが、林道を行くうちに止んだ。
天狗の投石を過ぎ、一の鳥居に8時50分。これより登山道になる。雨は落ちてこないがガスっぽい。
一の鳥居
途中にある鏡岩は昔話の舞台。崖から落ちた猟師が娘を嫁にやるという約束で猿に助けてもらい、三女が約束を果たす。その後も山中で会ったが、三女は遂に人間の姿でいられなくなり、この岩で最後の別れをしたという、美女と野獣の類話。「家庭円満を結ぶ夫婦蛙(めおとかえる)岩」なんて愉快なのもある。
夫婦蛙岩
化け猫退治を偲ぶお山めぐりコース、手元の昭文社山と高原地図では通行禁止となっているが、現地の案内は「雨天時は中止してください」という程度。晴れていても初心者には危険とのこと。半分雨だし時間もないのでパス。
庚申山荘に9時50分。立派な小屋だが食事は出ない。素泊り\2000、休憩\300とある。小屋前のテーブルで小休止。トンボが多い。
庚申山荘
歩き出して大胎内くぐりなんてのがあると潜らずにはいられない。これでまっさらに生まれ変わって庚申山頂10時50分。
この先、鋸山までは昭文社地図で破線のルート、危険マークもある。入ってみるとササ原の深いところがあり、2回ばかり進路を失う。目前の立ち木には赤黄2色の標識が付いているが次のが見当たらない。踏み跡はこっちか?と行ってみるとダメ、戻って地図を確認、方向はあっちか?と行くと標識発見、といった様子。さすがに破線ルート。
展望が開けると、雲が低く、皇海山の山頂は隠れている。
地蔵岳11時50分、薬師岳12時10分。ハシゴの掛かった急斜面を登れば鋸山だと思ったら熊野岳でがっかりし、もう一登りして鋸山、12時45分。空が明るくなってきた。
地蔵岳・薬師岳
鋸山
鋸山山頂からは急降下。不動沢のコルまでは分岐もないと思っていたらルートを外れて下り過ぎた。すぐにおかしいと思ったのだが、どこまで戻るのか少し迷う。時間をロスしたので先を急ぐ。

14時、皇海山山頂。標高2143.6m、渡良瀬川水源碑が立っている。誰もいない。特に眺望もないので、少し食べて15分ほどで出発。ビールを買ってくればよかったなぁ。山頂下には「庚申二柱大神」と刻んだ大きな青銅剣が建っていた。
皇海山

鋸山まで戻ると、お湯を沸かしてコーヒーを淹れている二人連れがいた。話してみると埼玉の人。勧めてくれたので一杯ご馳走になる。結局ここでも15分ほどの休みになった。
どんどん歩いて六林班(ろくりんぱん)峠に15時50分。ここから庚申山荘に至るルートの入口で迷う。道標の下に踏み跡があるのだがすぐにササ原に消える。ちょっと引き返して、来た道と平行に見える踏み跡があるので入ってみる。赤黄の標識はあるもののササ藪(丈高くすでに原ではない)で歩きにくい。百名山の登山道がこんなに荒れているか?と疑って他の道を探すがここしかない。ともかく進んでみると方向的にも正しいようだ。
結局この道で正解なのだが、百名山の一般ルートがこれほど整備されていないとは油断だった。樹木に赤黄の標識は打ち付けてあるものの行き先表示はまったくない(山荘近くなってやっとお目にかかった)。ササで足元が見えず、木の根や石に躓く。一度右足を下ろしたら道を外れた斜面でつんのめった。沢を渡った向かい側のルートの取り付きが分かりづらい。オマケにガスでササが水をためて、ズボンがびしょ濡れ。歩いているうちに乾くだろうと思っていると、ササ原が延々続くのである。いつになく何回も転んで、すっかりズボンを汚してしまった。
崩落地に橋をかけた箇所があったが、もともとの丸木4,5本のうち残っているのは2本。しかも橋の手前の踏み跡に足を置いたらざざっと崩れた。そのうちに橋全体が落ちてしまいそうだ。
崩壊した丸木橋
ようよう庚申山荘に17時50分。長い2時間だった。人はいないと思うが、一応トイレの軒下に入ってズボンと靴下を脱ぎ、水を絞る。そろそろ薄暗い。先を急ごう。
一の鳥居に19時。足元が見えるうちに登山道を抜け出せた。あとは林道をせっせと歩く。行きの鋸山山頂下の急降下ですれ違ったご婦人二人組にようやく追いついた。鋸山からここまでまったく人を見ない。静かな山だった。
19時33分、かじか荘に帰着。11時間半、思ったよりも掛かってしまった。フロントでそう話すと「いや、皇海山までなら12時間でも早い方かも」。食事は終わっていたので入浴のみ。上がってみたら売店も閉まっており「しまった」。たぶん登山バッジがあったのに。

身支度をして走り出したところで、バックミラーがおかしい?・・・と一瞬思う。が、何のことはない、街灯もなく背後は真っ暗、ウェアも黒いので何も見えないのだった。
大間々からは朝と同じルートを取るつもりだったが、標識に誘われて国道50号に入ってしまう。途中ファミレスで食事し、午前様で帰宅。

■今回のルート(山行時のGPSトラックデータ+2022/9時点の地形図)
皇海山ルート

2005/7/25(月) 杉浦日向子死去2005年07月25日 21:00

仕事帰りの駅で他人が読んでいるスポーツ新聞の見出しに仰天。そこでは「急死」となっていたが、asahi.comによると1年8ヶ月前から闘病生活を続けていたとのこと。知らなかった。

この人の漫画が好きで、『百日紅』で北斎に興味を持ち、『百物語』で淡々と語られる怪異に引き込まれた。『とんでもねえ野郎』なんてスチャラカも可笑しかったなァ。揃えてある筑摩の全集を読み返したいものだ。

江戸物のエッセイも何冊も読んだ。蕎麦を格好よく食べるのに憧れて最近は蕎麦屋へ入ると盛りと酒を頼んでいる。蕎麦を肴に猪口を傾けてみたり。

46歳、自分と大して違わない。早くに隠居宣言して漫画を読めなくなったのは寂しかったが、隠居生活を楽しまれただろうか。

2005/7/26(火) 人間ドック&アニドウ上映会2005年07月26日 00:00

今日は夜のアニドウ上映会に合わせて一日人間ドック受診をスケジュール。しかし、夜には台風7号が関東に上陸しそうな勢い。上映会の開催を危ぶみつつ家を出る。

人間ドックは勤務先の所属する健保組合の施設、東中野にて16時過ぎまで。
最近体重も落としたし、その場で分かる範囲では問題なし。ただ、肝機能悪化の兆候があり、酒量が増えているのではないかと言われる。むう、夕食の蕎麦はいいが酒を付けるのがまずいか。

いったん新宿に戻って紀伊国屋を覗き、中村屋の喫茶店で暇潰し。上映会の開場に合わせて改めて中野に向かう。

開場少し前に着いたら、受付奥で唐沢俊一氏がなみき会長と話していた。目礼だけして開場を待ち、改めて挨拶しているとK田・T氏登場。席を取ると、唐沢氏が近日刊行の『ダメな人の名言集』(幻冬舎文庫)をくださった。思わず「わたしのためのような本ですね」と口走る。K田氏がすかさずサインをお願いしたので自分も便乗、ミーハーだねどうも。やがてK元・T氏も到着、台風をものともしないいつものメンバーである。
K田氏、先日のトンデモ本大賞のレポートのゲラを配る。その力作ぶりを皆賞賛するが、誤字の指摘もチラホラ。後できちんと読んで気付いた点を指摘させてもらうことにする。

上映会のプログラム、見出しが「台風直撃のお化けアニメーション特集」。HPで参加予約を受け付けた時点ではお題は決まっていなかったと思う。ドロナワでフィルムを繋ぎプログラムを作っている様子が目に浮かぶ。

実写モンスター映画ダイジェスト版とアブ・アイワークスの後、最近恒例のTVアニメ。東映動画お化けものの代表作だがラフな脚本には笑うしかない。34年前にリアルタイムで見ていたはずだが、その頃の自分は納得したんだろうか。

ここで休憩。離れた席にH頭・A氏がいたので呼び寄せる。

1935年の日本作品、お女中に化けた妖怪がベティさんふうで肩の線など色っぽい。バッグズバニー、油の乗ったチャック・ジョーンズは何回見ても笑える。evil scientistにはモデルがあるのか? バート・ジレットは二本立て、34年作品は冒頭実写部分が気持ち悪いのでお化け扱いしたとのこと、メリエス「月世界旅行」みたいな時計の顔。もう1本は37年MMもの、「ゴーストバスターズ」の元ネタ。ベティは筒井康隆が『ベティ・ブープ伝』で絶賛のシュールな一本。他、バットマンのパチモン(karate入り)、ザグレブフィルム各1本。

さすがに台風を気にしたか通例より30分ほど早く終了したが、出てみるとあに図らんや振りも吹きもなし。ここで帰ると言うH頭氏に唐沢氏が本を贈呈し、4人はカウンタしかない狭い中華へ。K田氏や自分のミクシィネーム(さざんかQ、まる)とかCOBOLは死なずとか、他愛のない話。まったくもって酔狂人(酔の後で切れる)の寄り合いである。

終電に間に合うように切り上げたつもりだったが5分ほど遅れた。途中からタクシーで6000円ほどかけて帰宅。車中でスペースシャトル・ディスカバリーが無事に上がったことを知る。台風は千葉をかすめただけで太平洋に出ていた。

2005/7/28(木) スペースシャトル再凍結2005年07月28日 23:00

やっと上がったスペースシャトル・ディスカバリーだが、先ほどのニュースによると、外部燃料タンクの断熱材脱落が見つかり、また当面打ち上げ凍結だとか。

国際宇宙ステーションは完成するのか、日本の実験棟「きぼう」や日本人飛行士の滞在枠はどうなる? アメリカのいいように振り回された挙句、ほとんど得るところなく終わってしまいかねない。

それもこれも日本の政治家・官僚に宇宙に対するビジョンのないのが元凶だが。
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