2005/7/5(火) 「宇宙戦争」2005年07月05日 18:20

昼休みに池袋HUMAXシネマズ4のチケット売場に出向き、18:20の回ど真ん中の席を確保。仕事場がサンシャインだとこういう処が非常に便利。もっとも17時過ぎに少し時間の掛かりそうな作業が入って焦った。

閑話休題。

触れるSFを何でもクズにしてしまうスピルバーグなのでまるで期待していなかったのだが、予想外に面白かった。侵略者(作中では火星人とは言っていない)を徹底的に邪悪に描き、スピお得意の甘ったるい宇宙規模ヒューマニズムを廃したのが成功の原因だろう。

娘のアレルギーも覚えていないダメな父親のトム・クルーズが反抗期の息子と11歳の娘を抱えて逃げ惑う。その過程で彼は成長し子供との絆も深まるのだが、家族愛の描写を抑えたのも良かった。「プライベート・ライアン」で見せた戦闘(殺戮?)描写の冴えが前面に立ち現れてきて気持ち良いのである。全体の状況説明を最小限にとどめ、ただただ見える範囲の描写で進んでいくのも緊張感を高める。

ただ、作中もっとも緊張するのは隠れ家を探索する侵略者のカメラから隠れる場面だが、その後のシーケンスがちょっと長過ぎ。緊張が続かない。

観ていて「今の映画だなぁ」と思うのは、攻撃に対して娘が「テロリストなの?」と怯えるシーン。9.11以降、アメリカでは戦争を知らない世代は消滅したのだな。大戦やベトナムを経験しなかった世代にとってはテロリズムが現実の戦争なのだ。
それに、厳密に言えばクルーズも逃げているばかりではない。
一度は助けてくれたものの狂気に駆られて安全を脅かすようになった男を力で排除する。息子が軍と共に行こうとするのを止める一方で、侵略者との闘争を唱える同胞と戦う。皮肉な構図は、大きな闘いよりも身近な家族が大切というスピのメッセージだろう。そう言えば、「未知との遭遇」のラストで主人公は家族を捨ててUFOに乗り込む。スピ自身が家族を持った今ではああいうストーリーにはできない、と語っていたっけ。

闘いと言えば、本作では自動車の運転が上手い程度のただの人であるクルーズが成行きでトライポッドを1機破壊する。侵略者から逃げるばかりではあんまりだと考えたのかもしれないが、少々ご都合主義な展開だった。

原作は発表100年の本物の古典、50年前のバイロン・ハスキン監督作はSF映画の古典。1938年のオーソン・ウェルズのラジオドラマによるパニックというエピソードもある。その歴史の末席に連なるのも許せる出来、と評価しておこう。ただし、何回もの再見に耐えるほどの深みはない。
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