2019/8/17(土)~8/18(日) 白馬岳2019年08月17日 00:00

8/16(金)が休みで三連休なのだが、初日は台風の影響が残って悪天予報。残り二日で行けるところを探し、以前から浸かってみたかった白馬鑓温泉を目的に白馬岳に決定。出発前日にも関わらず、白馬まであずさの切符が取れた。

■8/17(土)
家を出たところでカメラとハンディGPSを忘れたことに気づく。カメラはスマホで間に合うし、白馬は何度か踏んでいるのでGPS記録は欠けてもいいかと、そのまま駅へ向かう。
新宿からあずさで白馬へ、バスで猿倉に12時過ぎ着。インストール済のスマホアプリ「スーパー地形」でGPSトラックを取れることを車中で調べておいたのだが、猿倉から使おうとしてアプリを購入していないことに気づく。Google Playの支払で少々もたついたが、無事に購入してトラック記録を開始、12時半に猿倉荘を出発した。(実際はスーパー地形の操作を誤ったらしく、一日分の記録を取れていないことに翌日気づいた)
しばらく林道を歩いてから山道に入り、白馬尻に13:20。谷の上部は雲に覆われている。大雪渓へと向かう道に入ろうとすると、そこにパトロールの兄さんが立っていて「どちらへ?」と訊く。「頂上宿舎まで」と答えると「こんな遅い時間に通すわけには行かない」。根拠は「山小屋には15時までに入るべき」「午後には天候が崩れる」と常識的なこと。こちらはそれを踏まえた上で来ているのだ。入山を止める強制力がないことを確認して通過した。ただし、大雪渓は14時以降進入禁止とされている(昭文社山と高原地図の冊子や複数のWeb記事にある)のは事実。もっとも、これも危険防止のための注意喚起で法的規制ではないらしい。そういえばハイシーズンのメジャールートを登るのは久しぶりだ。有象無象が押し寄せるからこんな関門も必要なのだろう。
小屋から10分ほども登ると雪が出てきて、それが途切れなくなったと思われる地点で持参の軽アイゼンを装着。白馬岳には何度か登頂しているが、思い出してみると大雪渓を登るのは初めてか? 1998年にO倉と登った時は、猿倉まで来て土砂降りのため町に下りて一泊、翌日栂池から登って大雪渓を下りたのだった。
今の時間、雪渓を下りてくる人はポツポツといるが、登っている者は当然いない。ベンガラが付いていたりいなかったりする雪面には薄くガスがかかり雲も相変わらずだが、視界は十分。
白馬大雪渓
転がっている大小の岩は落石だ。音もなく飛んでくるこいつらに当たっては堪らないので、顔を上げて前方に注意しながら登る。中洲のような地面に上がり休憩がてら緩んだアイゼンを着け直し、また雪面に下りて進むと、道はもう雪から離れて行く。後で聞いたが、今年は大雪渓が小さいらしい。資材の置いてある岩室跡を通過し、15時過ぎには空が明るくなってきた。見下ろす大雪渓は、なるほどやや貧弱に感じられる。小さな緊急避難小屋の傍らの水場に「飲み水ではありません」とあるのは、山頂の小屋のために汚染されているのか。標高2553mの国有林案内板辺りで休憩している人々を追い抜き、16時半に村営頂上宿舎に到着。
受付(テント一人\1200)してテン場へ行ってみると、やはりハイシーズンだけあって混雑している。トイレのすぐそばに一張分のスペースがあったが臭いのも嫌なので奥へ進むと、うまく空きが見つかった。少し風の吹く中でテント設営。時間があれば山頂往復の計画だったが、本日はここまでとする。受付は基本17:30までらしいので、その前に白馬岳のバッジと自販機のビールを買った。

■8/18(日)
4時半、テント撤収しザックを担いで出発。鑓ヶ岳の方へ向かうなら荷物はテン場にデポしておく手もあるのだが、行動範囲と離れすぎるので白馬山荘まで持ち上げることにした。空は晴れ、山頂でのご来光に間に合うか?
山荘前のベンチ隅にザックを置き、スマホと財布だけ持って山頂(2932.3m)へ。大勢が日の出を待つ中、5:10、雲の向こうから太陽が顔を出した。
白馬山頂より望む日の出
周囲の山々はまだ青い闇に沈んでいるが、その上に日の出のピンクの層、それに晴天の薄青が乗る。遠くの三角は剱岳だ。
山荘から下っていくと道標がよく判らず(山荘へ上がるのに昭文社地図には省略されたルートを通ったので、地図との照合で読み違えたか)、宿舎まで戻って道を確認、5時半に改めて頂上宿舎から出発。
杓子岳は山頂を巻くルートもあるが、白馬三山の一であるから稼いでおくことする。砕石の急斜面の登りはなかなかに辛いが、先を行くパーティも見える。6:45、杓子岳(2812m)登頂。すっきりと晴れて白馬岳から辿ってきた道が一望でき、爽快。
頂上から下りて巻道と合流し、鞍部(2680m)を経て鑓ヶ岳へ。これもまたキツく、若者の何組(女性パーティもいた)かに道を譲ることになった。7:45、白馬三山の一、鑓ヶ岳(2903.2m)登頂。天狗山荘が見え、不帰嶮(かえらずのけん)を経て唐松~五竜~鹿島槍、その奥は黒部湖を挟んで針ノ木、立山連峰。もちろん剱も目立っている。どれも一度は踏んでいるが、また歩きたいなぁ。
白馬鑓ヶ岳より
名残惜しくもあるが、次はいよいよ今回の目的、鑓温泉に向かう。鑓温泉分岐(2740m)から稜線を離れて急降下。上りは身体が重いが下りは早い。一気に500m近くも下って、大出原(おおでっぱら)より下の傾斜の緩んだ地点で休憩。盛りは過ぎたと見えるが色とりどりの花が咲いている。季節には見事なお花畑になるだろう。
白馬大出原
稜線にたくさんいた登山者の多くは唐松岳方面に向かったのか、人は少ない。若い単独男性と言葉を交わして先に出る。その先は再び急降下でクサリ場もある。温泉小屋近くで右手の谷に雪渓を見ると、先を下りていた人が「サルがいますよ」と教えてくれた。なるほど、雪の上を一頭のサルが歩いている。間もなく(9:10)白馬鑓温泉小屋に到着。
小屋の入浴料は\500。地図に[水]マークはないが飲料水の蛇口があり、入浴前に水分補給しておく。同じ水で冷やしているビールが欲しいところだが、下山までは我慢。露天風呂の脱衣場はかなり露出しているが、とりあえず小屋のスタッフ以外に女性は見えないので気にしない。若者4人組と単独男性が先に入っていた。湯は結構熱く、じっと浸かっていると茹ってしまいそうだ。先に入っていた人たちも湯船の縁に掛けて涼んでいる時間が長い。自分も一頻(ひとしき)り浸かり、谷に向かって胡坐をかいて汗を引かせた。目の下がテン場だが、男性が2~3人いるだけで気にすることはない。そこには足湯もあるようだ。風呂から上がると、下りで言葉を交わした単独男性が来た。温泉に入らずに行くとはもったいない。
さっぱりして10時に下山開始。しかし、猿倉までがまた長く、その上暑い。さらに下り基調と思っていたら、沢を渡っての登り返しや、案外登りがあってメゲる。特に小日向のコル(1824m地点。道標が朽ちていて読めず、登山道はここが頂点なのでコルとは違うかと思ったが、登山道を挟んだ小日向山と双子尾根との鞍部なのだな)までがしんどかったが、その後は日もやや陰っていくらか歩きやすくなった。湿った草原から樹林となり、単調さにややうんざりした頃に猿倉への林道に出て、猿倉荘には12:40。
次のバスまで1時間以上あると思っていたところ、近くにいた3人連れがタクシーを呼んだという話をしていたので同乗を頼む。受け入れてもらって八方の駐車場まで。料金\3100のうち、自分が\1100出した。バスは\1000だが、1時間の待ちを\100で買ったと思えば安い。タクシーを降りたところが八方の湯で、帰りのあずさを押さえてから入浴、着替え。今度こそさっぱりした。ただ、あずさが取れたのは甲府まで。そこからは鈍行でのんびりと帰った。

■今回のルート(初日の行程は欠落)
20190817_白馬岳
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