2013/1/3(木)~1/5(土) 仙丈ケ岳(敗退)2013年01月03日 00:00

この年末年始は1/2まで仕事で自宅待機だったため大きな山行には行けず、休み後半に易しい処・・・と仙丈ケ岳に向かう。仙丈は山歩きを始めた頃、1991年8月以来だから20年ぶりだ。しかし、結果はよもやの敗退。
今回は声を掛けた無名山塾のF本・M氏(女性)が会員外の友人H・N氏を伴ったため、個人山行とした。

■1/2(水)
自宅待機と言っても電話が通じればよい、ということにして、新宿19:30の高速バスで伊那へ。
伊那市駅近くから安さで選んだ第一ホテル島田屋(*1)に投宿。\4400のシングルは広く、風呂・洗面台・トイレが独立していて風呂には洗い場がある。缶ビール(ヱビスも)は自販機で\200。大いに気に入って、伊那市に泊まることがあれば次も使おうと思う。コンビニで行動食と明日の朝食を仕入れ、また登る山に引っ掛けて地酒「仙醸(せんじょう)」(http://www.senjyo.co.jp/)を買って飲む。
地酒「仙醸」
持ってきたカメラがどうした訳か動作しない。スイッチが押されたままになってバッテリーが消耗してしまったのか。(*2)

■1/3(木)
6:30 ロビーで3人顔を合わせ、タクシーで戸台へ。予約時には除雪の具合で途中までとのことだったが、林道ゲートのある駐車場まで入れた。
7:40 歩き始め。曇り時々小雪、気温0℃。河原を行く踏み跡の雪は薄く、凍った斜面ではツルリといきそう。何回か水流を跨ぎ、鋸岳への熊穴沢コース辺りまで来ると晴れ間が出た。一昨年11月には手前の角兵衛沢コースを登った(http://marukoba.asablo.jp/blog/2011/11/05/9340544)のだが、今回は案内板を見落とした。
10:10 赤河原分岐でアイゼンを装着し、やっと登山になる。登り口から八丁坂は薄い雪が踏み固められてガリガリ。八丁坂を上がると再び降雪。
赤河原分岐、丹渓山荘跡
長衛荘(*3)に寄ってワインボトルと缶ビールを買い、12:50 北沢駒仙小屋(*3)に到着。受付(テント1人1泊\500)を済ませてテント設営する。数えていないが、この日は10張り程度あったか。小屋の売店は営業しており、飲物や菓子など置いてある。生ビールも飲めるらしい。水は北沢から汲んで煮沸。
多少青空が見えて天候は回復傾向だが、夕方から風。夜中に強風となり、テント壁がしなって寝ている顔に霜がバラバラと落ちてくる。その風も次第に止んで、夜半過ぎには落ち着いて眠れた。

■1/4(金)
テント前でアイゼンを着け、7時出発。晴れ、-14度。仙丈ケ岳山頂に日があたり、少し雪煙がなびいているのが見える。
仙丈ケ岳
長衛荘前(2030m)から登山道に入り、樹林の中、高度を上げていく。ゆっくりの出発だったためか踏み跡がしっかりついていて楽だ。
単独の若者に追い越されたり、やや年の行った山岳会ふうのパーティを追い越したりして、9時に大滝ノ頭五合目。樹木が邪魔だが、甲斐駒から鳳凰三山、北岳など眺められる。風はなく、日の当たるところでは暖かい。
大滝ノ頭
間もなく樹林帯を出ると、右側(北西)からの強風に雪煙が盛大に舞う。足元の雪は堅くアイゼンがよく効くのだが、2点確保(両足とピッケル3点のうち2点を確実に決めて残り1点を前に出す歩行)でも足を上げたところにゴォッと来られるとよろけてしまう。足を踏ん張りピッケルを突き、顔を背けて風が息をつくのを待つ。頬や鼻が凍りそうだ。前方に二人パーティが見えるが、彼らも風に合わせて進んでいる。
そんな具合にじりじりと登ったが、目前の小仙丈ケ岳(2864m)へと続く斜面に雪煙はますます上がり、その先も山頂(3032.6m)まで吹かれっぱなしになりそうだ。
9:50 小仙丈手前の2750m地点でこれ以上は無理と判断、残念ながら引き返すこととした。強風とは言えまだ耐風姿勢をとるほどではないし、先行パーティも前進を続けている。自分ひとりならもう少し頑張ってみるところだが、後ろには小柄なF本氏と力量不明のH氏がいる。今回はロープも持っておらず(仮に持っていても、ここでアンザイレンする余裕はないが...)風に転ばされたら洒落では済まない可能性がある。凍傷も心配だ。
快晴の空の下、風に押されながら少しだけ眺望を楽しむ。甲斐駒、鳳凰、北岳、富士山。カメラを出す余裕はない。
慎重に下りていくと、先ほど大滝ノ頭で休憩していた山岳会ふうパーティがアンザイレンして上がってきた。言葉を交わすとあちらも「小仙丈まで行ければ上等か」。

安全な大滝ノ頭まで来て休憩。上の強風など文字通り「どこ吹く風」だ。あとは来た道を一気に下り、11:20に駒仙小屋。
それにしても、この上天気で登頂できないとは。普段はたおやかな仙丈であるが、厳冬期の3000m級を少々甘く見ていたかもしれない。

テント場はずいぶん空いた。時間も早いのでテントの風上(沢側)にブロックを積むことにする。堅くなっている雪をスコップで切り出して積み上げ、立派な塀を築いてからテントに入る。残念会をしながら時折山頂を眺め、「まだ雪煙上がっているから登れない」と負け惜しみ。
しかし今日はまったくテント場に風が吹かない。せっかくの風除けが無用の長物の静かな夜だった。

■1/5(土)
静かな朝でスムーズにテント撤収して6時半に出発。H氏に先頭に立ってもらい、7:40に赤河原分岐。そこからアイゼンを外して河原歩き。流れを渡るところは来た時より水量が増えた気がする。10時に戸台の橋本山荘。山荘は冬季休業だったが、携帯でタクシーを呼べた。
伊那に戻る途中の仙流荘は営業しており、入浴もできる様子。戸台から7km程なので、ここまで歩いて一休みしてからバスを使う手もあった。
中央アルプスの山々を眺めながら走り、バスターミナルで降車、1時間後の新宿行きを押さえてからラーメン屋でささやかに乾杯。

■今回のルート
戸台~北沢峠ルート
         戸台~北沢峠
北沢峠~仙丈ケ岳ルート
         北沢峠~仙丈ケ岳

*1(2022/2/8記):当時のホテルは倒産してしまったが、2022年3月に再オープンする模様 ⇒ https://www.shimadaya-hotel.com/
*2:本記事中、自分の携帯電話で撮影した地酒「仙醸」以外の写真はF本氏による。
*3(2022/2/8記):2軒の小屋は名称変更され、リンク先を最新のものに差替え ⇒ 「長衛小屋をめぐる歴史

2013/1/15(火) SPACE BALL2013年01月15日 00:00

夜勤明けに東京国際フォーラムにて、全天球型シアター「SPACE BALL」を鑑賞。

H2-Bロケットとともに軌道に上がり、ほんの10分程のうちに宇宙の果てを超えてしまう。実際のところ身体の下の映像はよく見えなかったのだけど、それでも浮遊感は半端ない。立って観ていると平衡感覚を失いそうになった。

映画「コンタクト」の冒頭と超空間通路による旅を思い出す。
映画と言えば「スペースボール」ってSFコメディがあったが、関係ないのだろうな。

※2022/2/8 追記
開催時の公式HP(http://spaceball.jp/)は怪しい賭博系に乗っ取られた模様なので、プラネタリウム「MEGASTAR」配下の事例紹介ページに差し替えた。

2013/1/26(土)~1/27(日) 八ヶ岳・硫黄岳~赤岳縦走(惜敗)2013年01月26日 00:00

無名山塾の自主山行。M井・Y氏(女性)の企画にF見・M氏と自分が参加。
自分としては2回目のルートだが、ラクチンだった前回(https://marukoba.asablo.jp/blog/2009/12/26/9461314)と違って気温は低い、風は強い、踏み跡は無いで時間を食って、赤岳登頂は割愛。地蔵尾根から下山した。

■1/26(土)
茅野駅からメンバ3人+I干・S氏パーティに参加するY岡・Y氏の4人でタクシーに乗り、美濃戸口へ。先に自家用車で入っていたI干氏と合流。この時点では薄日が差していたがやがて小雪、気温-10℃。
赤岳鉱泉ではパーティ毎にテント設営。
食堂で一服の後テントに戻り、食事が済んでからこちらの2~3人用テントに集合。さすがに狭く、皆足が攣る。
雪は止んだが、夜中に時折風が吹いていた。

■1/27(日)
5:45 出発。小雪、-16℃。I干隊は赤岳ピストンなので、まだゆっくりしている。
硫黄岳方面は本日一番乗りと見え、時折トレースが消えて樹林では一部ラッセル。しかし、標高2400m付近で若者2人組が追いついてきて、以降は彼らがだいたい先を行った。雲の切れ間から青空も覗き、天候は回復傾向。

赤岩ノ頭基部で2人組に追いつく。トレースは消え、彼らもルート取りに迷っていた。2600m辺で最後の赤布を見送ってから地図に従って一度折り返し、あとは行き易そうな地形に従ったようだ。ここは数年前に雪崩れて死者も出ているので、こちらも余分に雪面を乱したりせず、彼らの後に続く。結構深いラッセルだったので助かった。
斜面で前進待ちをしていると、ズズズ...という音。顔を上げると、堅くなった雪の上面が割れ落ちるミニ雪崩だった。すぐに止まって自分たちのところまで来ることはなかったが、その高さまで上がってみると雪面にまだ亀裂が入っている。下で身支度などしていたF見氏を慌てて呼んだ。
赤岩ノ頭への登り
雪壁を登りきると、ちょうど分岐を示す高い標識。この登りに時間をとられ、すでに8時を過ぎていた。背後からの朝日で円形の虹にブロッケンが見えるような見えないような。ここは風は強いものの安全なので少し休憩、スリングを腰に巻いた簡易ハーネスを着ける。2人組は先に行った。

硫黄岳へは右側からトラバースして山頂へ上がる感じで踏み跡が付いていたが、あまり良くない。前回は赤岩ノ頭から標識を辿った延長で目前の岩に正面から取り付いたが、そちらの方が安全だと思う。
9時に硫黄岳登頂。いつもながらの強風は背中を押されると飛べそうな勢いだ。硫黄岳山荘の陰に入って休憩する。
硫黄岳登頂

縦走ルート(小同心の上)
         小同心の上、地形図2830m付近

横岳を通過し、2800mの等高線が閉じている箇所でルート取りに迷って30分ほどロス。まっさらな雪面を素直に進むと行き詰まって行きつ戻りつした挙句、少し右(下)寄りに行くとしっかり足を置けた。
地蔵尾根分岐で13時を過ぎ、今回はここから下りることに決定。
地蔵尾根分岐
行者小屋を経て赤岳鉱泉に14時。テントを撤収して美濃戸口までの2時間がいつもながら長い。

■今回のルート
硫黄岳~赤岳ルート

(本記事中の写真はM井氏撮影)

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