2017/11/4(土)~11/5(日) 鶏冠山~甲武信岳2017年11月04日 00:00

『バリエーションハイキング』(松浦隆康)から拾って、西沢渓谷から鶏冠山~木賊山~甲武信岳と歩く。木賊山の手前まで一般登山道ではないが道は見れば分かるだろう・・・というのが油断で、何度かルートを見失い、時間ロスして初日は思わぬ長時間行動となってしまった。

■11/4(土)
塩山駅からバスで西沢渓谷へ。遊歩道の二俣吊橋を渡って少しで「西沢渓谷」の看板脇の柵に「鶏冠山→」の標識が付いている。
11時、人の流れから離れて鶏冠山へのルートに入る。ザックに付けた温度計は20℃を指しており暖かい。が、木の根元に花が立てかけてあるのは何なのか。道を辿って数分で河原に下りると「遭難事故が多発 東沢渓谷・鶏冠山は十分な装備と経験が必要です」の看板もある。ここは東沢と鶏冠谷との出合で、靴を脱いで東沢を渡渉。
東沢と鶏冠谷との出合
指導標と踏み跡に従い、東沢と鶏冠谷の間の尾根を登っていく。下りで尾根を間違えそうな箇所(1680m)には「鶏冠谷出合」「山頂」(大雑把な・・・)といった指導標がある。急登をこなして1750~1800m等高線の間の岩壁に沿って西へ。固定ロープや赤テープが多いのだが、踏み跡に従っていくとそれら目印が途切れて危なかっしい斜面に出た。足を置いた跡と樹木を頼りに這い上がるとまともな道がある。破線とはいえエアリア(昭文社の山と高原地図)に載っているルートはそこまで危険ではない(と思う)ので、どこかで外れたのだろう。空には黒い雲が出てきた。
12:40 第一峰のある鞍部。先ほどから聞こえていたヘリが通過していく。どうも救助らしい。樹林を北に登っていくと岩が現れ、1950mを超えた岩場で一本(13:10)。先に見えるのが1986mの第2岩峰のようだ。彼我の間の岩に単独なのか人が見え隠れしている他、下ってきた2人組があった。谷に向かって下りていく尾根尾根はきれいに紅葉している。
腰を上げて岩を伝い、クサリの付いた岩峰を上がると「下山するまで気を抜くな」のプレート。
岩峰
第2岩峰直下もクサリで、それを掴み、立てかけるようになっていた枯れ木に足をかけて登る。13:30 第2岩峰通過、その先で踏み跡から赤テープの付いた右手の岩の上に出たいのだが、樹木で塞がっていて通り道が分からず行きつ戻りつする。結局テープの箇所で身をくねらせて枝を潜るということらしい。10分も浪費してルートに出ると岩壁にぶつかって「第3岩峰迂回路→」の案内がある。岩の左側から直登もできるらしいが、クライミングする気はないので素直に迂回路へ。いったん下って尾根へ登り返し、シャクナゲを掻き分けてルートに戻る。「←鶏冠山 木賊山→」の指導標に従って左に行ったピークには確かに「鶏冠山 山梨百名山」の木柱が立っているが、その下に「ここは第3岩峰ピーク」とも。地形図の鶏冠山はこの北の2115mであり紛らわしいが、ともかく一本。単独の年配男性(第2岩峰手前から岩の間に見えた人だろう)がいて、ここから西沢渓谷に戻るとのこと。こちらは木賊山に抜けると言うと「昔はやったけど遠いよ」。14時、雲が広がってきた。少々遅くなってしまったが、日のあるうちに一般道に出られれば問題ないだろう。
本当の鶏冠山へ向かって先ほどの指導標を過ぎてふと気づくと、腿のポケットに入れておいた地形図がない。ザックを置いて第3岩峰まで戻ったが見つからず、さては第3岩峰迂回路手前で枝を潜った時に落としたか。ゴミを残していくのは心苦しいが、エアリアはあるし、ここまで来れば地形図はなくてもいいかと歩き出した。
その後、ヤブっぽい箇所はあるが困難はなく、14:30 鶏冠山(2115m)登頂。ニワトリのマンガを描いた山頂標が可愛らしい。木賊山とその奥に甲武信岳を望めるが、まだ遠い。先を急ごう。
鶏冠山
14:50 とうとう降り出した。ちょうど下に見えた庇のように張り出す岩まで急ぎ、雨具を着ける。雨音が乾いた感じに変わって足元を見ると、降っているのは小さな氷の粒だ。踏み跡はそのまま下っており、どこから登り返しになるのかと思いながら辿ると道が消えてしまった。進路を探るうちに辿ってきた踏み跡も一時見失い、30分も掛かってルートに戻る。雨具を着けた岩はすでにルートから外れており、そこに下りる手前に明瞭な踏み跡が続いていた。やはりこちらに引き込まれる人がいて、誤った踏み跡が付いてしまったのだろう。
ルートは尾根上を高度を上げて行き、16:00、2177m地点で一本。雨/雪は止んだ。天気予報の通り、前線通過に伴う一時的な降雨だったようだ。
鞍部に下りた後、踏み跡は尾根の左側面に付いている様子だが、地面が白くなっていてはっきりしない。やや離れた木に赤テープも見えるが、足元がフカフカするところを見ると道ではなく林業の目印ではないか? ルートは右手の尾根上では?とまた行きつ戻りつ。結局、尾根に上がらず赤テープに向かうのが正解で、10分のロス。
薄白くなった樹林の中、ルートは尾根上に戻る。2330m辺りから左にそれてトラバースとなり、南西方面が開けるともう日暮れだ。17:10 ヘッデン点灯。予想を大幅に上回る時間を食ったが、木賊山まで一登りすれば一般道だ。
踏み跡はトラバースから再び登りとなる。が、やがて消えてしまった。強引に突破して上がろうにもヤブに阻まれる。途中で見たテープまで戻り、薄い踏み跡を探しながら行く。しばし順調・・・と思うとまたもやヤブに突き当たり、ルートを探してウロウロ。月明かりに浮き上がる稜線が近く見えているのに。暗い中で自分の足跡も見失い、もうツェルトを張って寝てしまおうか、いや、このヤブさえ突破すればと、GPSの軌跡を見て確実なポイントに復帰。最も可能性の高そうな踏み跡を辿ると、先ほどと同じヤブに突き当たる。堂々巡りかと思いつつもよく見ると、灰色に退色したテープがあった。するとここでいいのだが、このヤブはとても掻き分けられない・・・が、さらに観察すると、身をかがめてトンネルを潜るように抜けられるのだった。
木賊山の藪
潜り抜けてみると樹木と笹の疎らなヤブ。特に踏み跡も見えないので薄いところを適当に進むと一般道に飛び出した。凍って滑りそうな道を少し進んで18:35 木賊山(2468.8m)山頂。先ほどのウロウロで40分ロス、登りに取り掛かった2350mから100m少し上がるのに1時間20分を要したことになる。
あとはもう意地で歩いて、真っ暗な甲武信岳(2475m)山頂に19:10。エアリアでは脇道にあるように見える水場を探したがそんなものはなく、甲武信小屋の蛇口で料金を払って補給。小屋は暖かそうで誘惑されるが、どんどん歩いて20:40に破風山避難小屋に到着した。
そっと入ってみると2~3パーティが当然寝静まっており、空いている場所にシートを広げる。草臥れすぎて食欲もなく、お湯を沸かしてスープだけ飲んで就寝。

■11/5(日)
5:40 出発。よく晴れた。広瀬湖の上、山並みと雲の向こうに富士山が浮かんでいる。
ダム湖と富士山
破風山(2317.8m)、東破風山(2180m)、雁坂嶺(2289.4m)と踏み、雁坂峠に7:40、道の駅みとみに9:40下山。手前の雁坂トンネル料金所からの紅葉が見事だった。
雁坂トンネルの紅葉

■今回のルート
鶏冠山~甲武信岳ルート

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