2011/11/5(土)~11/6(日) 南アルプス・鋸岳2011年11月05日 00:00

無名山塾の自主山行。S木・Y氏(女性)企画にY田・M氏と自分が参加。
鋸岳から甲斐駒ヶ岳を縦走する計画だったが思うようにいかず、今回は鋸岳のみ登頂して終了。それでも結構歩いて満足した。

■11/4(金)
定時で仕事を切り上げ、最終のかいじで甲府へ。駅前の居酒屋「千年の宴」で朝4時の広河原行きバスを待つ。狭い個室に3人、少しだけ寝る。

■11/5(土)
バスを乗り継いで甲府(4:00)~広河原(6:11/6:50)~北沢峠(7:15)。南アルプスはアプローチに時間が掛かる。そこから戸台行きの南アルプス林道バスは丹渓新道との交点で降ろしてくれた。運転手「明日は土砂降り、厳しい山だから気をつけて」。
エアリア(昭文社の山と高原地図)にある通り、降車地点からは「鋸の眺望が圧巻」。うーむ険しい。甲斐駒まで行くのは大変そう。しかし紅葉は楽しめるか。
鋸岳

8時に歩き始め。晴れ、気温11℃。ここから赤河原分岐に下りる丹渓新道は、エアリアでは色の付いていない廃道扱い。踏み跡と赤テープが付いているが、方向を変えるところで一瞬だけルートを探した。発破時間の案内板があるが、昭和46年、40年前の林道工事の時のものだ。
河原に下りると対岸に渡らなければならない。水面から顔を出した岩はコケが付いて滑りやすく、一応掛かっている橋は丸太一本で覚束ない。結局裸足で水に入ることに。深いところで膝下までで流れも強くないが水が冷たく、たちまち足が痛くなる。
渡渉
廃屋となっている丹渓山荘を見上げて戸台川沿いの道を辿る。再び河原に出て赤テープに従って右岸(北側、今回の登路側)に渡り20分ほど進むと崩壊地で行き詰まった。水に入らずに左岸に戻れる箇所がないかと探すが結局ほとんど元の地点に戻って再渡渉。これなら崩壊地で思い切って冷たい思いをしてしまえばよかった。左岸では河原や樹林に赤テープが続いており、10:30に<鋸岳 角兵衛沢>の案内板に到着。赤河原分岐から案内板まで、エアリアで赤線ルート30分のところに1時間半もかかった。
ここは比較的水量が少ないが、やはり靴を脱ぐしかない。各人が先の渡渉で転倒防止用に拾った即席の杖を手に渡る。

ようやく鋸岳への登りにかかる。エアリアでは破線ルートだが、最初は樹林の中の緩やかな道。「角兵衛1合目へ」というプレートがあるが、肝心の1合目は何処だか分からなかった。いくらも上がらないうち、道の傍らにでっかいうんこ。クマだろうか。
大きな糞
1480m付近には「大岩小屋へ」「横岳峠へ」とプレートがあり、地図にはない道の分岐を示している。

方角を確かめ赤テープに従って岩小屋方向に進むとやがてガラガラと岩が積み重なっており、左手に断崖を見上げる(12:30、2070m付近)。岩小屋はこの辺のはずだが、1合目と同様に岩小屋自体を示す表示は見当たらない。岩小屋で水を調達する予定なので、自分が断崖下の踏み跡を辿って偵察。張り出した岩の下にテントサイトがあり水も滴っているが小屋はない。戻ってみると、S木氏は「もっと上かもしれない」とガレた急傾斜を先に進んでいた。だがしかし、「小屋はない」と思ったのは大間違い。事前に<甲斐駒~鋸岳>縦走の記録を斜め読みしていたのだが、記録中の泊地である駒ヶ岳の六合目石室とここの岩小屋とを混同、崖下に石積みの小屋があると勘違いしていた。偵察したテントサイトこそが岩小屋だったのだが、それに気づいたのは後の話。S木氏を追ってY田氏と二人で30分、200mほど登り、水場が見つからないことで進路相談となった(13:20)。
ガラ場
明日一日を乏しい水で行動するのは無理、行程も予定より遅れている。戻って水を探すか、このまま進むが縦走は諦めて途中から往路を戻るか。結果は後者、今回は鋸岳登頂のみと決した。

稜線近くまで酷いガレ場。特に傾斜のきつい箇所では一歩ごとに足元が崩れる。寝不足のためか身体も重い。荷物のデポを考えるが、クマに持っていかれたら大変と担ぎ上げる。日が翳って風が冷たい。
鋸岳手前で稜線に出て荷物をデポ。ガレてはいないが急傾斜を攀じ登り、14:43 第一高点(2685m)に到着。頭上にのしかかる雲で既に薄暗い。甲斐駒方面はアップダウンが続き、たとえ水があっても今から突っ込むのは無茶だ。写真だけ撮って早々に下りる。
暗雲垂れ込める

岩小屋(があるはずの地点)まで下って泊まることも考えたが、かなり消耗したので稜線直下にテントを設営(適当な場所が2箇所あった)。水は3人分を出し合えば炊事と明日の岩小屋までの行動には足りる。テントに入ってからの会話で岩小屋の勘違いに気付いた。
しばらくすると雨。夜中には風も吹き、シングルウォールのベンチレータから雨が吹き込んで、Y田氏は冷たい思いをした。

■11/6(日)
5時起床、6:15出発。曇り、気温6℃。風が強く肌寒い。いつ降り出すか分からないので雨具を着ける。
ガレ場の大きな石は濡れて時として滑り、小さな石が積もっているところは足元がジャリジャリと崩れていく。稜線から離れると風は止み汗をかいての下降となった。
昨日の岩壁まで来て、岩小屋と水場を確認。昨夜の雨で水量は若干増えたようで、コケから(雫ではなく)連続して落ちていた。コッヘルに受けると幾らも待つことなく一杯になる。各自、本日の行動用の水を確保。
岩小屋の水
そこから下は赤テープの豊富な樹林の下りで、8:40に角兵衛沢案内板のある沢まで下りた。ここの渡渉は昨日より水量が増えた感じ。左岸を素直に赤テープに従って進み、もう一度渡渉して赤河原分岐への道に入る。ここには鹿の骨が散らばっていた。
10時に丹渓山荘を通過して八丁坂を上がり、11:50に北沢峠。S木氏と自分は登りの渡渉に使った杖が手に馴染んで最後まで持っていた。

芦安でバスを降り、山渓園で入浴。甲府駅からの特急指定席は売切れだったが、次のかいじが始発で幸い席を取れた。

今回、計画通りに行かなかった原因は3つ。
・睡眠不足による疲労
・角兵衛沢までの迷走による時間ロス
・岩小屋の勘違い(思い込み)による水の調達失敗
思い込みには注意しよう。

■今回のルート
鋸岳ルート

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