2006/9/2(土)~9/3(日) 釜ノ沢2006年09月02日 00:00

無名山塾の沢登り講習で甲武信ヶ岳の東沢釜ノ沢へ。18単位目。
講師K藤・H氏にCU(Communication Up)はK野・M氏(女性)、講習生は25、26期ほぼ勢揃いの8名=K室・H&I夫妻、U山・K氏、S木・Y氏(女性)、S藤・H氏、Y永・H氏、I坂・Y氏(女性)、自分。I坂氏は講習初参加。

■9/2(土)
9時に塩山駅に集合、自家用車組の車に分乗して西沢渓谷入口へ。
10:05に駐車場を出発し、10:30トイレのある渓谷入口。吊橋を渡って沢沿いの踏み跡に入る。ここからはエアリア(昭文社山と高原地図)に登山道の線はなく、「東沢コースは一般の立入禁止」の世界だ。3年前に甲武信に登った時(⇒ 2003/11/22~11/23 甲武信ヶ岳・三宝山)には、自分には関係のない世界だと思っていた。
沢に下りて靴を履き替えて間もなく、11:10過ぎに鶏冠(とさか)谷出合。やがてまた山道に入って結構登る。沢に入らないで頂上に着いてしまうのでは、等と愚痴とも冗談ともつかず言いながら歩いて、山ノ神に12:15。ここからやっと入渓となるが、まずは河原で小休止。
12:55やさしい風情の乙女の滝。S木氏がアイスクライミングの講習はここだったと言う。水流はやさしいが高さはそれなりにある。凍ったところを登るのは怖そう。
13:10東のナメ沢を通過。その後に左岸の滑らかな一枚岩の斜面を水際に沿ってトラバースする箇所があり、岩の上で滑ってしまった。斜面を上がりすぎたか。
滑るスラブ
14:07釜ノ沢出合。先行メンバはどの石を踏んで行ったかな、と見回した途端にバランスを崩して尻餅をついた・・・ところがさらに下がっていたので、結局肩まで水没。魚止ノ滝を前に小休止。
魚止ノ滝は左側の岩の斜面を小さな段差から上がって高巻く。講師がお助け紐をセットしてくれたので着けたが、頼らずに上がれた。
14:40千畳のナメ。名前通りの広い一枚岩。水中の岩はきれいに磨かれているが、黒っぽい斑点がある。触ってみるとコケで、岩のわずかな窪みにしがみ付いているらしい。生命は強い。ナメの最後の滝は左側を巻く。U山氏やK室・I氏が先行してロープを出すが、結局、さらにその上を通ってしまった。
15:20曲がり滝。ここは右側の急斜面を木の根を掴んで這い上がり、高巻き。
15:40両門の滝。本流(釜沢東俣)に左から同程度の水量で西俣が合流している。
両門の滝
ここで休憩になると、まずU山氏が西俣に取り付いてウォータースライダー。一人やると我も我もで、K室・H氏、自分、S木氏、K室・I氏が次々に。Y永氏も上がっていったが、足を滑らせて頭から突入! まったく山に入ると若返る。
ウォータースライダー
ヤゲンの滝を越え(ガイドブックに直登不能とあり、当然高巻き)、16:45 広河原の入口付近をキャンプ地とする。

男女別にタープを二つ張り、薪を集め、S木氏、K室・I氏を中心に食事の用意。その間に持ち寄った酒も出る。焚火を囲んで皆で食べ、飲み、眠くなった人から寝る。最後まで残ったのはS木氏、U山氏、自分。Y永氏がずいぶん持ち込んだ酒を片付けつつ、S木氏と人間性の本質について議論。酔っ払って何を喋っているのやら。
23時過ぎに就寝したが、シュラフカバーだけでは寒くて何度も目が覚める。しかし我慢していれば夜が明けるとそのまま丸まっていた。断続的とは言え、結構眠れるものだ。

■9/3(日)
5時に起き出すと、U山氏はザックに足を突っ込んでいる。夜中にガサガサしたはずだが気付かなかった。I坂氏はレスキューシートに包(くる)まったとのこと。誰もが寒かったと言っており、この季節としては異例の低温だったらしい。自分は寒さに強いのか?

焚火の火をおこして食事し、7時半出発。
所々にトリカブトの咲く広河原を行くと、とある大岩にザックが下敷きになっていた。汚れ具合からして相当以前のものだ。もともと立っていた岩が休憩中に倒れたのか? よもやと思って岩の下を覗くがザック以外はなかった。
長い長い広河原の後は2段のナメ滝。階段状で難しくないので思い思いに上がる。
さらに登っていくと倒木が折り重なっている。目の高さの根っこに頭くらいの大きさの石が挟まっていたり。豪雨でこれが一気に押し流される現場に出くわしたらえらい事だろう。
水師沢出合を過ぎ、3段スラブ滝は滑ったら下まで落ちてしまうので慎重に通過。
ナメ滝を見下ろしながら木賊(とくさ)沢と本流の間の尾根を辿って沢に戻ると、間もなく急に水音が小さくなる。終了間近だ。泥の斜面を上がろうとしたところで足場が崩れ、ちょっとした落石を起こしてしまった。
11時過ぎに甲武信小屋のポンプ小屋。ここで女性陣は着替え。男性陣も装備を外す。
登攀要素のまったくない、ナメの美しい沢だった。

トイレ新築工事中の甲武信小屋にザックを置き、全員で山頂へ。集合写真を撮り、山座同定などして暫しまったり。I坂氏は少々疲れていたが登りきった。

下りは木賊山頂を巻いて徳ちゃん新道へ。飽きの来る長い下りを駐車場に辿り着いたのは17時過ぎ。
車で三富村の笛吹の湯に移動し汗を流す。ここはアルコール禁止で風呂上りに自販機のジュース類しかない。全員上がるのを待って、早々に塩山へ。駅前の店に落ち着いて改めて乾杯(車組は水で)、お疲れさまでした!

2006/9/4(月) 『なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか』2006年09月04日 00:00

スーザン・A・クランシー・著、林雅代・訳、ハヤカワ文庫NF。解説は植木不等式ことK元・T氏。
内容は、本文の章立てと解説の見出しを引用すれば一目瞭然だ。すっきりした構成で説得力もある。

第1章 いったいどんないきさつでエイリアンの研究をすることになったのか?
第2章 なぜエイリアンに誘拐されたと信じるようになるのか?
第3章 もし起きていないなら、なぜ記憶があるのか?
第4章 アブダクションの話は、なぜこれほど一致しているのか?
第5章 どんな人が誘拐されるのか?
第6章 もし起きていないなら、なぜ起きたと信じたがるのか?
解説-UFOとアブダクションから社会と科学の関係まで考える一冊

第5章までで、人間の記憶の不確かさ、特に催眠によって「回復」された記憶の問題点、「グレイ」タイプのエイリアンの登場と映画、TVドラマ等の前後関係、アブダクティーは空想傾向の強い人々であること・・・これらをきちんと根拠を示して論ずる(注釈として参考文献が挙げてある。それを文庫本に収録したのも偉い)。しかし、それよりも本書の特徴は第6章にあるだろう。一見、人間性を否定するような体験であるアブダクションが、実は極めて人間的な心の営みから生み出されたという解釈。「アブダクティーの研究から見えてきたいちばんのポイントは、わたしたちの多くは神のような存在とのコンタクトを求めていて、エイリアンは、科学と宗教との矛盾に折り合いをつける方法なのだということだ」(p.222)。宗教国家アメリカでアブダクション花盛りなのも頷ける。

ところで、本書で語られることの大半は『トンデモUFO入門』等のと学会関連本で読んでいる(⇒ 2005/8/4 本ブログ)。おそらく皆神竜太郎氏などは本書やそれに先行する研究論文に当たっておられるのだろう。植木=K元氏の解説もと学会繋がりだな、きっと。

2006/9/7(木) 「スーパーマン リターンズ」2006年09月07日 18:30


役者が変わってもストーリーの基本は不変。鋼鉄の男・スーパーマンの活躍を見せ、レックス・ルーサーに唯一の弱点であるクリプトナイトを突きつけられてピンチに陥る。マンネリと言えばマンネリだが安心感がある。

しかし、今作は人間関係を単純に割り切らない点で大人の映画になった。
それを含めてストーリーは筋が通っているし、VFXの出来も結構いい。グランドすれすれで飛行機を受け止めると、機体がクシャッとなるところなど感心した。もっとも、その同じ機体がロケットエンジンの噴射に耐えるのは少々気になったが。
スーパーマンの表情が妙にCGっぽいのは、テーマ(なぜスーパーマンが必要ないのか)と絡めて人間とは微妙に違うという演出か。

池袋東急の18:30の回はガラガラで人気なさそうだったが、気分よく楽しめた。

2006/9/8(金) 「日本以外全部沈没」2006年09月08日 21:20


シネセゾン渋谷で21:20のレイトショウ。
開場1時間前にチケットを購入したら113番。公開1週間の金曜日、開場してみると立ち見も出る盛況だった。それにしても、「スーパーマン」がガラ空き(⇒ 2006/9/7 本ブログ)でこちらが超満員というのは何か間違ってる気がする。単館レイトショウのみということはあるにせよ、「日本沈没まつり」で動員数は何割か増えているのだろう。自分は前寄りの真ん中の席が取れた。

映画の内容については特に書かない。筒井康隆のコメント通り「もっとめちゃくちゃな映画になるかと思いましたが、案外まとまっております」。
めちゃくちゃならそれはそれで愉快なのだが、有名作品に対する愛あるパロディとして、まっとうに楽しめる作品になっていた。

しかし、あの原作を今、映画にしたらねじ込んでくる国があるのじゃないかと思ったが、この出来なら何も言うまい。まとまっているからと言って真面目な訳じゃない。いや、真面目な面もあるのだが、原作以上に過激なおふざけもある。しかし、それにイチャモンつけるのは大人(読みは「おとな」でも「たいじん」でも可)のすることじゃない、というレベルまで突き抜けている。
その点で面白いのはパンフレットの小松左京と筒井の差。映画未鑑賞の小松が「SF界ではユーモラスなパロディも、通常界ではかなり強い「毒」として作用します。皆様「毒」に当たってショック死なさらぬよう」と、「悪気はないんですよ」と予防線を張るのに対し、筒井は「映画は波紋を投げかけないようなものになっている。何でもアリの作品だからね」と余裕を見せる。映画を観た後なら小松も安心したのではないかと思うが、どうか。

顔を見せる俳優人がちょっと捻った豪華さ・・・らしいのだが、そっち方面には疎いのでいまいちよく分からない。アニドウ上映会(の後の飲食)でご一緒したことのある加藤礼次郎さんも出ていらした。

ところで、藤岡弘、って、いつから、何故「、」が付くように?と思ったら、1984年に
「われ未だ完成せず」「未完」という意味で改名したのだとか。ずいぶん以前のことなのだった。

2006/9/9(土) 『衝突する宇宙』2006年09月09日 00:00

昨日の「日本以外全部沈没」(⇒ 2006/9/8 本ブログ)で、開場までの暇潰しにブックファーストに入ったところ、古本で探していた『衝突する宇宙』の新装版を発見、帰宅してからネット書店bk1に発注した。

聖書などに書かれた伝説の天変地異の説明として、木星から飛び出した星が地球とニアミスした挙句に金星になったという、その筋では言わずと知れたトンデモの元祖のような本。まさか今の世にお化粧直しまでして現れるとは思わなかった。
どの辺を読者層に想定しているのか法政大学出版局に訊いてみたいところ。世間に広まる似非科学の実例ということだろうか。案外、トンデモ愛好の物好きがターゲットだったりして。
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