2020/9/5(土) 羽根倉浅間神社など~オオカミ狛犬探訪 ― 2020年09月05日 00:00
街のオオカミ狛犬探訪、今日は青柳氏のブログから拾った志木~朝霞の神社へ行こうとバイクを乗り出した。
1時間走って、まず荒川の羽倉橋西に鎮座する羽根倉浅間神社。
浅間神社なので、正面には狛犬ならぬ狛猿。台座には享和三(1803)年とある。
神社の傍らには「羽倉富士嶽」。説明書きによると、明治13年に河川敷に築造され、河川改修や県道改修による移転を経て、平成24年にコンクリートで固める全面補修を受けている。小御嶽石尊大権現の碑には「大天狗」「小天狗」を左右に刻み、飯縄神社の碑もある。「不二森稲荷神社」の碑も。「藤森稲荷」は伏見稲荷の古い呼称だそうだが、それと不二=富士の習合か? 富士講の先達や霊神碑も見える。頂上の「浅間大神」碑の前にも小さな猿像あり。
肝心のオオカミ狛犬は、富士嶽の前、道路に面した柵に沿って並ぶ祠の一つに入っていた。小さな閂だけで鍵はかかっていないので開けて拝ませてもらう。この祠は御嶽神社なのだろう、武蔵御嶽神社のお札の左右にオオカミが控えている。それほど古いものではなさそうだが、右は首に補修跡があり、左は鼻が欠落。像の大きさのためもあるだろうが、オオカミの特徴である牙や爪、肋(あばら)の表現もなく、犬に近い造形。その分、愛らしい。
羽根倉浅間神社前の道を東へ1km少々行くと、産財(さんざい)氷川神社。
ここも、境内社の御嶽神社にオオカミが入っている。扉を開けてみると、首と左前足が欠けたオオカミ(と思われる)像がひとつと仏頭、奥には小さなお地蔵様やキツネ像。
オオカミ像の向きを変えてみると、尾が台座に沿って水平になっており、オオカミと確認できた。背後のキツネ像の尾が垂直に上がっているのと対象的だ。こうしてみると、左足は欠けているのではなく、上げているのか? だとしたら珍しい造形ではないだろうか。
仏頭が枕にしている石がオオカミ像と同質に思えて気になるのだが、さすがに信仰を受けている仏頭を動かすのは躊躇われ、オオカミの頭、あるいはペアになる像があったのかは未確認に終わった。神社に仏頭があるのは神仏混交の名残か?
神社に隣接する築山は富士塚かと思いきや御嶽山だった。「御嶽山建設費寄付連名」の碑に明治25年と刻まれている。お馴染みの「御嶽山大神/八海山大神/三笠山大神」や「一山霊神」碑など見えるが、残念ながら「登らないでください 管理者」の看板があるので、立入は差し控えた。
御嶽山と神社を挟んで反対側のお宅の敷地内にも神社と行者像、いくつかの碑が建っていて気になったのだが、何分個人宅なので、こちらも塀の外から見るのみ。もしかすると宮司さん宅かもしれない。
もう少し足を伸ばして、次は朝霞市岡の氷川神社。
住宅街の細道に迷い込んでウロウロし、ようやく小学校隣の神社にたどり着いた。
ここにはオオカミ像はないのだが、多くの境内社のひとつとして御嶽山神社が祀られている。御嶽神社ではなく御嶽「山」神社である。
いや、碑は「御嶽山神社」だが、隣の説明書きは「御嶽神社」だ。説明書きを間にして碑に隣接する石祠が御嶽神社なのかもしれない。「御嶽山神社」碑の台座に置かれていた赤っぽい石碑の欠片にも「御嶽」と刻まれており、裏返してみると昭和二年と読めた。
説明書きに曰く「本社は奈良の芳野山系に位置する金峰山の蔵王堂の中心する聖地で平安時代に開山された」云々。しかし、この地の御嶽(山)神社がいきなり吉野に繋がるとは思えず、おそらくは武蔵御嶽神社を介したものだろう。
最後にもう一つ、同じく朝霞市の浜崎氷川神社。
ここにもオオカミ像はないが、境内社として御嶽(おんたけ)神社と御嶽(みたけ)神社が並んでいる。木曽の御嶽(おんたけ)と青梅の武蔵御嶽(みたけ)だ。御嶽(おんたけ)山の方は古い台座に平成23年の真新しい石祠が乗っている。信仰が生きているということか。
御嶽(みたけ)神社の傍らには昭和44年の「第三回御嶽太々記念碑」があった。御嶽講の全員が山に登ることを「太々(代々)講」といい、何年もかけて代参が一巡すると太々神楽を奏上したという(http://musashimitakejinja.jp/sairei/daidaikagura/)。その最後が昭和44(1969)年だったのか、講はその後も続いているのだろうか。
境内には護国神社もあり、日清・日露・太平洋戦争に浜崎地区から出征あるいは従軍して戦死した31柱を護国の神として奉祀する、と記されている。英霊として靖国にも行っているのだろうが、こうして出身地区で神となる場合もあったのだな。
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