2026/9/1(火)~9/2(水) 乗鞍岳(丸黒尾根から) ― 2026年09月01日 00:00
日本海の親不知から乗鞍岳まで北アルプスを繋げるのが以前からの大計画なのだが、今年2月の安房峠~十国山は天候不順のため流れ、なかなか完結出来ない。残雪期に十国山から金山岩までピストンし、金山岩~乗鞍岳を後付けするつもりだったが、一足先に最後の部分を歩いてしまおう。
乗鞍岳は1992年8月(O倉・K氏と畳平から)、2004年7月(休暇村から)に続いて3回目。今回の登りは西側の九蔵ノ尾根、または丸黒尾根からのルートを検討し、高山市の朝日支所にどちらも刈り払いされていることを確認した上で、麓にキャンプ場のある丸黒尾根を選択した。最近NHK「にっぽん百名山」同ルート回の再放送があって参考にしたが、それで決めた訳ではない。
前日8/31は、バスタ新宿から飛騨高山バスターミナルまで高速バスを使い、のらマイカー岩滝線(一律100円)に乗り継ぎ。車中で、今回平湯に下りれば親不知まで一応繋がることに気付いた。
飛騨高山キャンプ場は他に客無し。テント料金1250円、コインシャワー(3分100円)あり、売店・自動販売機無し。トイレはキャンプサイトにあるが、管理棟内の方が快適。怪しい雲行きの下で食事し、あとはkindle本を読んで暇を潰す。夜も時折パラパラと雨音がしていたが本降りにはならず、シュラフカバーのみで眠れた。
■9/1(火)
テントを畳んでザックを持ち上げたところに降り出したが、テント札返却と水汲みのため管理棟に寄っている間に止んだ。気温は18℃。今回のルート中の水場は(畳平の売店は別にして)登り始め近くの2箇所と平湯に下山間近の1箇所のみ。それも山と高原地図に「涸れることもある」「夏場には涸れる」とある。もし補給できなくても今日明日の行動と炊事が何とかなるだけの水を持ったのでザックが重い。
5:55出発。入口には「この先危険」のウマが置かれ、登山道を示すものはない(下の写真は前日のもの。出発時は曇り空)。
草の生えた道を上がって行くとスキーリフトの終点。登山道は手前で分岐したはずなので戻ると、道のカーブ箇所から反対側に入る、やはり指導標など無い細道があった。
樹林と笹の間の道には国立乗鞍青少年交流の家による丸黒山登山のポイント標識がある。東屋のある御嶽見晴台は樹が茂って見晴らし無し。三等三角点(1595.1m)のある日影平山を稼いでおく。コバノフユイチゴか、赤い実を口に入れると爽やかな酸味。
新道旧道分岐で指導標の「新道」の指す方に道は見当たらず、否応なく旧道に入る。最初の水場は笹薮から流れ出ており、やや汲みづらいが2L補給した。ますます重いが、これで遠慮なく水を飲める。次の水場にも汲めるだけの水流があった。
枯松平休憩所は奥に部屋があり、宿泊に使えそう。
ここで合流する新道は笹藪にわずかに薄い部分が見えるのみで、何年も刈り払いされていない様子だ。
もう少し進むと丸黒山への登りにかかる<ガンバル坂>。
苔むした階段を一歩一歩上がっていると、下りてきた単独登山者と出逢った。小平地で休憩した後も同じような傾斜が続く。<根性坂>の看板は足元を見ているうちに通過してしまったようだ。ようやく傾斜が緩み、丸黒山手前でまた単独男性と擦れ違い。この日見たニンゲンは二人だけだった。丸黒山(1956.2m)に10:15到着。樹林の一角が開けているが、山並みには雲が掛かっている。
丸黒山から1820mまで下りると、あとは2357mの奥千町避難小屋まで、地図のコースタイムで3時間程の長~い登り。笹が刈り払われた道を行くと、2100mを超えた地点に「日影平7km・乗鞍岳7km」の指導標。傍らには朽ち果てた先代も建っている。この辺は千町ヶ原の一角と思うが、樹林のため開放感はない。
その先に「火口域から4km圏内」の表示あり。標柱のこの荒れようはクマかしらん。
道が湿ってきて古い木道が現れ、やがて樹林が途切れる箇所も出てくる。九蔵ノ尾根ルート(青屋登山道)との合流点でパッと開けた。
樹林に入ったり出たりする道にはぬかるみが増え、今回下ろした靴(⇒ 8/10記事)がドロドロだ。青屋登山道から乗鞍山頂まで88体あるという石仏を見ながら進む。
ザックの重さに草臥れて小屋前の急登で右腿に痙攣がきたが、14時半、奥千町避難小屋(⇒ 山と渓谷オンライン/帰ってきた避難小屋)に辿り着いた。
小屋は無人。外壁のプレートによると平成11(1999)年建築で、こざっぱりしている。携帯トイレブースは屋内に仕切られた板張りの一角で、元は普通のトイレだったのだろう。
夕方になるとガスが出てきた。シュラフカバーのみで就寝。
■9/2(水)
起床時、ガスを透かして月、星が見えた。5:10出発。北側の山並みに目立つ三角は笠ヶ岳。
石仏に見守られた道は笹や草が深く、朝露がズボンを濡らす。標高2500mを超えて森林限界を突破、ハイマツにササとシャクナゲの交じる広い尾根となった。御嶽山が雲の上に顔を出したりガスに隠れたり。
6:50に中洞権現。ここの石仏は八十番。
剣ヶ峰への登りに差し掛かると足元がガレになり、花の終わったチングルマやコバイケイソウもあって、いよいよ3000m級高山らしくなってくる。山頂に近づくと旨い具合に晴れてきた。
石仏の終点である大日岳は残念ながら立入禁止で、その山腹をトラバースして行くと・・・剣ヶ峰山頂が見えた!
大日岳と剣ヶ峰との鞍部でコマクサ(花はしおれかけ)を見、最後のガレを登って、8時半、乗鞍岳・剣ヶ峰(3025.6m)に登頂。ここは一等三角点だ。さすがに百名山で、登山者が幾人もいる。
権現池はいかにも火口湖らしい。
南側の雲の上に木曽御嶽、中央~南アルプス、八ヶ岳が浮かぶ。後ほど山頂小屋の山名案内を見て判明したのだが、北岳の隣に微かに富士山も見えていたのだった。
20分ほど山頂で過ごし、頂上小屋から肩ノ小屋へと下る。ここまで来ると観光地の雰囲気になってくる。道路歩きでは面白くないので摩利支天岳は割愛、富士見岳(2817m)、大黒岳(2772m)と踏んで、桔梗ヶ原で車道に出た。
大黒岳から下りてしまうと、サイクリング以外に人はいない。平湯・十国山登山口に10:40。
登山口からいったん下ってまた登り。<平湯マデ8.6km/姫ヶ原0.4km>の古びた指導標から以前は平湯大滝へ行けたらしいが、今は一本道だ。
道端のクロマメノキ(アサマブドウ)の実をひとつ摘まむとほのかに甘い。ハイマツ&シャクナゲの間の道は硫黄岳山頂(2554m)を掠めて下っていく。次第にハイマツの丈が高くなり、やがて樹林帯に。乗鞍権現社に向けての登りには歩き難い流水路らしき箇所もあり、雨の時には難儀しそうだ。12時半、乗鞍権現社(2400m)に到着した。権現社に上がる手前に十国山への指導標がある。
十国山方面は、地図に「金山岩までは悪路だが通行可」とある。確かに入口からして指導標が無ければ道には見えない。最低限の荷だけ持って踏み込んでみると人の通った跡はあり、赤テープも付いている。しかし、枝を掴み岩を越えて進むうち、一度踏み跡を見失った。森林限界を超えるとハイマツの踏み分け道で進路は明瞭になるが、一部にザレた急斜面もあって楽ではない。最上部はガラガラとした岩場で、いちばん高く見える岩(2532m)まで行ってみると、三角点標石の上面のように□で囲んだ+マークが刻まれていた。ここまでルートを伸ばして、今回の山行目的を達成。
やや雲があるものの、乗鞍からは見えなかった北アルプスの山々をここで拝むことができた。残雪期にやり残している安房山~十国山も。少し場所を移すと、十国峠避難小屋の屋根も間近く見える。今は藪で通行困難だろうが、しっかり雪が付いていれば難しくなさそうだ。
乗鞍権現社に戻ると13:40。その後も道が細かったりと歩きづらいが、じきに楽になった。最後の水場は登山道から沢へ下りるようだ。水は間に合っているし平湯の売店が開いているうちに下山したいので確認しなかったが、水音がしていたので補給も可能だったろう。
さっさと歩いて<平湯/白猿(はくえん)ヶ池>の指導標(朽ちていてほとんど読めない)を過ぎ、1870.7m三角点を見ると草の広場に飛び出した。荒れた林道でどんどん高度を下げ、最後に平湯温泉スキー場のリフト乗場を通り過ぎて、16:05、国道(1306m)に下りた。
平湯キャンプ場はすぐ傍。徒歩でのテント泊は予約不要、入場料800円のみで利用できる。ただ、管理棟は18時に閉まってしまい、それ以降アルコール類は買えない。テントを張って、まずバスターミナルの売店(こちらも18時閉店)で土産品と缶ビールを確保してから、落ち着いて平湯の湯で汗を流した。
キャンプ場に蛾などは多少いるが刺すような虫はおらず、トイレもウォシュレットで快適。雨にも降られずに済んだ。
翌朝はぐずぐずしていると降ってくる恐れがあったので、早めに撤収してターミナルに移動。7:35の新宿行きを待った。
■今回のルート
↓ 1日目
↓ 2日目
↓ 高度グラフ
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