2022/4/12(火) 夜叉神峠と糸静線 ― 2022年04月12日 00:00
『フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体』(藤岡換太郎、講談社ブルーバックス)を読んでいる。終わり近くの一節。
「山梨県西部の夜叉神トンネルには糸静線が通っていますが、トンネル付近では断層破砕帯から大量の水が噴き出していて、周辺を歩くには防水の靴や長靴が必要なほどです」
北岳に向かった時(https://marukoba.asablo.jp/blog/2021/12/28/9452368)、トンネル内に出水箇所があった。あそこが糸魚川静岡構造線だったのか、と思い当たる。
ヤマレコの中の米山悟氏のブログ記事「南アルプスで糸魚川静岡構造線が通るライン」から引用すると「糸静線は、花崗岩の赤いところの南の夜叉神峠を通って早川流域へ下りていき奈良田の下流、西山温泉くらいから早川に沿って下り、新倉には有名なよく見 える露頭があるようです」。
その地質図(https://gbank.gsj.jp/geonavi/geonavi.php)も見てみた。
凡例によると、肌色は堆積岩(海成層 砂岩泥岩互層)、ピンクは火成岩(閃緑岩・石英閃緑岩 島弧・大陸)、緑色は付加体(玄武岩 海洋 前期中新世後期-中期中新世付加体)で、いずれも新生代 新第三紀 中新世 後期(1160万~530万年前。色別のさらに細かい時代区分も示されているが、ここには引かない)の形成。左側の薄緑色はより古く、新生代 古第三紀 漸新世(3400万~2350万年前)の付加体(泥岩砂岩互層 後期漸新世-中期中新世前期付加体)となっている。西に向かって北岳への登山口となるあるき沢橋まで行くと一気に遡って中生代 後期白亜紀(9600~6500万年前)の領域だ。芦安から入って北岳に追い返され奈良田に下りるまでにこれだけの地質を通り過ぎたのだな。
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