2007/7/22(日) 奥多摩・小川谷2007年07月22日 00:00

無名山塾の講習(研究ステップ)。
日原鍾乳洞を過ぎて小川谷林道を奥へ奥へと行くと、小川谷に流れ込んでいるのが犬麦谷。ガイドブック(白山書房『東京周辺の沢』)では「犬麦を登らずして奥多摩の沢を語るなかれ」とキャッチのついた2級の沢。
K藤講師にI藤・Y氏がCUに付き、K野・M氏、A出川・S氏の女性二人が研修参加、研究生がS藤・H氏、U山・K氏に自分で、総勢7名。

アプローチが遠いので前泊。予定では犬麦谷出合(沢の合流点)でテント泊だったが、講師ほか上記メンバの前半4人が参加している逆川講習の終了が遅れたため、お馴染みの奥多摩駅前河原の東屋に変更。逆川講習に出ていたT中講師も含めて宴会の後就寝。

当日朝は時おり薄日の差す曇り空。
東日原まで全車を連ねて行き、駐車場からは2台に分乗して林道終点近くの駐車スペースへ。犬麦谷を一度渡り、道が大きく屈曲して、酉谷山への登山道が分岐している箇所である。そこから林道をもう少し進んで、8:10 橋から入渓。

15分も行かないうちに15m滝。ガイドに寄ればこの上のタツマの大滝50mとともに「右側の尾根についた明瞭な踏み跡をたどる」のだが...
まず、U山氏が先頭に立ったが足元が悪い。どこが明瞭な踏み跡だ。それでも15m滝を過ぎてタツマの大滝が見えると、なるほどこれは大きい。次に自分が先を行くが、足を乗せた大きめの石がごそっと抜けたり、触る石がどれも浮いていたりでなかなか先へ進めない。高巻きはなるべく小さく、登り過ぎないようにと分ってはいるのだが、ここは上に行った方が歩きやすいと判断するとI藤氏から「どこへ行くの」と言われたり。最後はI藤氏が先頭でタツマの上に出た。ここでS藤氏含め「3人とも研究生だから厳しく言っておくけど」と、高巻き時の注意。
 ・岩よりも木を掴める方に行け。
 ・岩は引っ張ると抜ける。触る時には押せ。
 ・上へ行くな。常に周囲を見て最適なルートを探せ。
講師からも、高巻きではルートはいくつもない、最も安全なルートを採れ、と。
入渓から1時間も経っていないが、えらく密度が濃い。

5mの滝を越えると「モリノ窪瀑流帯」。地形図でも判るが、谷が深く切れ込んでいる。つまり幅が狭い。その中に小滝がいくつも出てくる。もっとも名前こそ「瀑流帯」ともの凄いが、特に水流が激しい訳でもない。ただ、一箇所倒木の詰まった箇所があった。この前の連休の台風か、それ以前からの累積か。大雨が降ると名前通りの瀑流になるのだろう。
たいていの滝は問題なく越えられるが、ちょっと高くてコケが滑りそうで迷う場面もあった。結局は登ったが、行く/行かないの判断も的確に素早く出来るようになりたいものだ。
瀑流帯の中ほど、15mの滝まで来て9:20。ここは上手い人がリードしてくれれば登れないこともないかな、という感じだが高巻くことに。ガイドには「右の踏み跡を利用」とあるが、左から行って滝の中ほどのテラスを渡ったらどうかなど、自分たちで観察。結論としてやはり右側を行ったが、滝の上部に近づいてまた観察。左からテラスを来ても右側に上がるのは難しかったろう。
15mの滝

9:50 瀑流帯の出口にある10mチョックストーン(割目に詰まった石)の滝。ガイドには「この沢のハイライトなのでなるべく直登したい」とある。ちょっと難しそうだが、ハーケンを用意してきているU山氏がリードで登ることに。左壁から上がってランナーをセットし、中ほどにもう一つ、チョックストーンについていた捨てスリングにも一つ取った。後は滝の落ち口を横切って手を伸ばした所に捨てスリングがあり、それを掴んで上へ。そこでビレイ体勢を取って、後のメンバはロープ途中の8の字ちょん掛け(ハーネスに着けたカラビナにエイトノットの輪を掛ける)で順次登る。さて自分の番が来て登り始め、2番目のランナーのカラビナを掛け替えたところで、足がツルっ。U山氏のビレイですぐに止まって登り直した。どちらかと言うと最初のランナー付近の方が嫌らしく、落ちたところでは特に緊張もしていなかったのだが。落ちたのは自分一人で、今回一番の痛恨事。下で見ていた講師からは「ステップをつま先で何度も蹴っている。踏み出す前に次の手を考えておいて、ステップにはジワっと体重をかけないと」と言われた。岩を蹴っているのではなく足を乗せて滑らないかを確認しているのだが、半ば無意識にやっている部分もあるらしい。先日の岳嶺岩ではS木氏から同様の指摘を受けた。気をつけよう。

瀑流帯を抜けるとさすがに沢が穏やかになる。後は難しいこともなく、4段8mと連続する小滝を乗り越えておしまい。

まだ本流に水は流れているが左の支流に入る。急斜面の笹藪をかき分けると踏み跡があり、すぐに登山道に出て11:30。装備を外し靴を履き替えてゴンパ尾根を下る。急斜面をトラバースしては折り返す道だが歩きやすい。ただ、一度倒木を避けてショートカットしたら土が滑って尻もちをついた。12:25に駐車場に帰着。
奥多摩駅近くのもえぎの湯で沢臭さを洗い流して解散。電車組の3人はちょうど暖簾を出した駅前の餃子屋でちょっと飲んだ。

本科のカリキュラムを考えると、犬麦谷の講習は今回が最初で最後とのこと。ガイドブックのキャッチに嘘はなく魅力的な沢なので、今後のお薦めにしよう。

■今回のルート(山行時のGPS軌跡を2024年3月時点の地形図に表示)
小川谷ルート

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