2014/1/11(土)~1/12(日) 八ヶ岳・赤岳主稜2014年01月11日 00:00

無名山塾の自主山行。H方・Y氏企画にT口・H氏、S木・T氏、自分の4人。赤岳主稜は自分は2008年3月(https://marukoba.asablo.jp/blog/2008/03/08/9403647)以来の2回目、他のメンバは初めて(T口氏は取付きまでは行ったそうだが)。
前回はだいぶ失敗したが、今回はルート本体はまずまずの出来。しかし、大渋滞で参った。

■1/11(土)
10時過ぎに茅野駅に集合、S木氏の車で美濃戸へ。赤岳山荘の駐車場まで行けるかと雪道に入ったが上り坂でスリップ、チェーンを装着し人手で押しても無理で、車は坂下の駐車可能スペースに置くことにする。
12:30から歩いて16時に行者小屋に到着。テン場代1人\1000(トイレ設備基準で考えると高い)。水場で冷たい水をたっぷり汲み、テント内でキムチ鍋。アルコールは、自分以外はS木氏が少し飲むだけで皆大人しい。
明日は4時起床、5:30出発と決め、20時頃就寝。

■1/12(日)
予定通りに起床、食事を済ませたが、朝のトイレ(男女兼用のものが2つだけ)が大行列で夜明け前の寒気の中、30分以上も待たされる。ようやく準備が整って出発したのは 6:30。晴れ、-20℃。アメリカに大寒波をもたらした冷気が日本にもくるという予報がこれか。
1時間ほどで文三郎道から赤岳主稜の取付きへ下りる地点に到着。樹林帯を出るまでは穏やかだったが、ここは風が強い。すでに取付きは待ち行列になっていて、我々はここで身支度。ロープはH方&S木、T口&自分の2組で結ぶ。
20分ほど待って取付きへと前進。トラバース中に小さな雪崩がきたが無人地点を舐めたのみで問題なし。途中に出ている岩の通過が確保なしでは少し怖かった(岩を掴もうとするより、立って歩いた方がよかった)。
このチョックストーンの取付きが最初の難関で、前のパーティが詰まっている。足元の雪を安定させ、待ちに待つこと1時間以上、ようやく順番がきたのが9:30頃か。
主稜取付きの渋滞

まずH方氏が上がる。ビレイするS木氏の足元からロープが滑り落ちていくのを押さえようと自分たちのロープを置いてピッケルを伸ばすが、止められるものでもなかった。H方氏の登りはT口氏の陰になっていて岩の上に出るまで見えなかったのだが、体勢に無理があったようだ。岩に身体を寝かすようにして這い上がった。そのままルンゼを登っていってピッチを切り、次にS木氏が上がる。続けて自分のビレイでT口氏、割合にすんなり岩を越えた。しかし、ルンゼを上がっていくにつれビレイする手元のロープが絡む。待ちの間にほぐしておければよかったのだが斜面では思うに任せず、繰り出しながらと思っても無理。T口氏には安定した場所で待ってもらい、絡みをほどく。その間に、次に待っていた3人パーティに行ってもらった。やっと整理できて登攀再開。自分も取付きは前回より上手く上がれたと思う。ルンゼの上部からはロープに導かれて岩に手を掛けて登ったが、実はその奥の雪面が楽に歩けたのだった。

T口氏のビレイでそのまま先に進むと立った壁。ホールド(手掛かり)スタンス(足場)は十分にあるが、身体が固くて足が上がらず、膝登りだ。前回はこの直登を避けたのだったか? 岩を巻くのが少し怖い箇所があるはずと思いながら登っていたが、それらしいところはなく、緩斜面をツルベ(ロープを結んだ二人で先頭を交替しながら進むこと)で上がる。

再び岩を攀じる箇所でまた渋滞している。H方&S木組が一足先に行列に加わり、T口氏もそこまで進んで自分は手前のビレイポイントで待ち。ここでピッチを切らずに追い越して行った二人組が待ち行列を避けて取り付いたが、岩を落としたらしい。「ラク!」の声と共に下の谷の雪面を黒い物が転がっていく。
ようやく前が空いたので自分も岩場へ進み、先のパーティ(H方組との間に入っていた)が登るのを待って取り付く。前回怖かった箇所(上記の巻き)を通過していないので混乱していたが、ここが上部壁の入口だ。一登りの後、記憶にあったボルトで中間支点を取ってトラバースし、核心のチムニーへ。前回はここでエイト環を下げたカラビナが中間支点と干渉してエイト環を落としたのだった。
先のパーティに続き、手掛かりとアイゼン前爪を載せる足掛かりを探して垂直に近い(と感じる)岩壁を攀じる。ピッケルは腰に差した。途中のボルトは使用中だったが、そこで止まっていた先行パーティの一人に断って共用させてもらう。その上はホールドが乏しく、今取った中間支点に掴まってピッケルを取り出し、雪面にピックを打ち込んで身体を持ち上げる。チムニーを抜け出してピッチを切った。
T口氏、上がってくるなり「よくここをリードしたね」。まあ、自分は2回目なので。しかし、前回より少し怖かった気はする。前回は登り始めで引っ掛かり、その後は状況を認識する余裕もなく無我夢中だったということだろうか。

次の岩は一段上がったところで姿勢を変えるのに苦労する。前回も同様だったのを思い出すが、後でT口氏に聞くとそんなことはなかったとの返事。どうも登り方かルートの取り方が拙(まず)いらしい。
そこを抜けると確保の必要もなくなって稜線の一般登山道が見えてくる。

先に登山道まで上がったH方組はロープをしまって「小屋に行ってます」。こちらも稜線に出てみると、途端にすごい風。雪粒がバシバシ顔に当たり眼に入り、たちまち涙目になる。これはたまらんとロープをザックに押し込み、頂上山荘の陰で待つ先行二人に合流した。

赤岳山頂(2899.2m)に14時。周囲は真っ白。とにかく皆の写真を撮り、次に自分を入れて撮ってもらおうとしたら、もうカメラが動かなかった。
赤岳頂上
強風に飛ばされる雪粒に目潰しを喰らいながらお地蔵様まで行き、手を合わせてから地蔵尾根を下る。樹林帯に入ると稜線の荒れ様が嘘のようだ。

15:20 行者小屋に帰着。朝テントを出てから10時間も飲まず食わずだったので、小屋に入って皆でカップラーメン。人心地ついてからテント撤収し、16:30に下山開始。意外に速いペースで駐車場所まで行き、運転のプロであるT口氏のハンドル捌きで雪の登り坂をクリア、茅野駅には19:30頃に到着。閉店間際の売店で飲み物など買い、空いているあずさ34号に乗車できた。

■今回のルート(核心部はGPSの電池切れのため記録なし)
八ヶ岳ルート

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