2007/8/7(火) 邪道・毛唐の会2007年08月07日 00:00

<祝・真打昇進15周年 ブラック・談之助2人会 邪道・毛唐の会>@なかの芸能小劇場。開場前の列にK元・T氏が見えたが大きな荷物をお持ちのため会場内では最後列に。こちらはいつものアニドウ位置より少し前に着席したら後ろに唐沢俊一氏がいらっしゃった。

アニドウではついぞ見たことのない緞帳が上がり、開口一番は立川三四楼のスケッチブック漫談。
師匠二人の掛け合いがあって、ジャンケンで談之助師匠が勝ち、先攻を取得。「詰まらないところで・・・」というのは人生一番の大勝負にしくじったボヤキ。ロリコンの師匠のところに男の子ができたという、目出度さも中くらいなりの話である。あらためて登場した談之助師匠、立川流のあれこれを喋り、「写真は許可しますが録音は駄目です」。ピンクの着物の前でひらひらと動かす手が補色で緑色に見える。
ブラック師匠はゲストの活弁士紹介と近日息子。もちろん、日本映画通の師匠と対等に話ができるという人物紹介には虚実をいり交ぜて笑いをとるし、噺にもトンデモをまぶしている。心臓発作から間もなく2年、すっかりいいのだろうか。

仲入りがあって、スペシャルゲストのトンデモ活弁士・坂本頼光氏(⇒ HP・活弁士の家公式Twitter)。K田・T(ミクシィネーム:さざんかQ)氏からトンデモ本大賞前夜祭で好評だったと聞いているので期待大。演目は自作オリジナルアニメ「サザザさん」2本。なるほど、これは大受けだ。2本連続で演(や)るのは初めてだそうで後半はちょっと声が掠れていたが、それも無理ない熱演。しかし、活弁って職業として成り立つのか?

ふたたび談之助師匠で高校野球の宗教校対抗戦。下げ(?)は着物を脱いでユニフォーム姿になり、楽屋にヘッドスライディング。
ブラック師匠は各地方言ネタ。○○県人は5代前は××だとか、もうたいへん。

最後に二人揃って「我々の15年は何だったんでしょう」。そう言いながら、この路線を続けますとも。はい、今回も楽しませてもらいました。

2007/8/11(土)~8/14(火) 北ア・栂海新道2007年08月11日 00:00

無名山塾の講習に研修参加。
K藤講師、研修は自分ひとり、あとは本科26、27期のI干・S、U野・E、M松・S、K生、H方・Y各氏の7名パーティ。
ウェストンが「ここから北アルプスが始まる」と語った日本海の親不知(おやしらず)をスタートに、標高2418mの朝日岳まで辿る、3泊4日のテント縦走だ。

前日8/10(金)は午後半休にして夕方に家を出、親不知駅でステーションビバーグ。無人駅だが電灯は一晩中点いている。駅前の道はほとんど車が通らないが、北陸自動車道の方がうるさかった。

■8/11(土)
晴れ。駅で水を汲んで5時に出発、登山道入口まで約1時間の車道歩き。途中の橋の上ではニホンザルと遭遇したが、その先で歩道がなくなると迫ってくる大型車が少々怖い。登りにかかる前に親不知観光ホテル脇から海岸に下りて海水を汲む。日本海から太平洋まで、いつかルート繋ぐためのシンボルだ。I干氏が今後の山塾内リレー用のボトルを用意しており、自分とK藤講師は個人用に汲んだ。
親不知海岸
ここで高度計を0mにセット。ホテルの展望台にウェストン像があるらしいが見るのを忘れた。
6:40 ホテルから道を渡ったところが栂海新道登山口。
栂海新道登山口
自分が先頭に立って歩くが、のっけから急登の上に蒸し暑い。普段歩く時は足を出さないのだが、今回は危険箇所もなさそうだし暑くてたまらないのでズボンの膝下を外す。坂田峠(10:30)から始まる金時坂ではI干氏が早くもバテて、休憩間隔がやたらと短くなった。坂を上がりきってシキ割の水場を探しながら行く。淀んだ沢があって紛らわしいが、水場はその先で簡単な浄水装置が設置してある。
15:40 白鳥山(1,286.9)。登山口からのコースタイム6h40m(エアリア=昭文社の山と高原地図による)のところに9h掛かった。
白鳥小屋(無人小屋)はきれいで、入っている人が周りにシャツなど干している。我々は小屋前の広場に4テン、3テンを張り、しばらく草地で休憩。自分のザックにオレンジ色の蝶がとまって口を伸ばしている。そんなに汗が旨いか? 人間の方も、疲れた身体にU野氏の梅酒が好評だった。そのうちに講師が小屋側面の梯子で屋上に上がると、数人ずつそれに続く。屋上からは周囲の山が一望、夕陽に光る海も眺められた。東の雨飾山方向に入道雲が出て遠雷が聞こえたが、こちらは雨の気配なし。
白鳥小屋
白鳥小屋より
風が涼しくなってから夕食。年長組(K藤、M松、I干)と若者組にテント割りして、年長組は19:30消灯。若者組はもう少し飲んだ後、シュラフもシュラフカバーもなしで就寝。

■8/12(日)
5:40 出発。今日も晴れ過ぎて暑そうだ。昨日は北側から樹林の中を高度を上げてきが、今日はそれほど高低差のない縦走炉をまっすぐ南下である。陽に炙られる中、ゆっくりと進む。
6:50 下駒ケ岳(1241.0)、7:30 菊石山(1209.8)。
黄蓮ノ水場は菊石山と黄蓮山の間のコルを過ぎてやや登ったところに標識あり(7:50)。「つがみ山荘水場」とあるが、小屋からここまで来るのは辛いだろう。少し下った水場は浅い沢の段差部分で渇水期には当てにならなさそう。黄蓮山(8:50)は登山道屈曲部の1291かと思ったが、その先1360ピークだった。
栂海山荘を過ぎて、10:50 犬ヶ岳(1593.0)。周囲を眺め写真だけ撮って、K生氏を先頭に北俣ノ水場まで進むことにする。
北俣ノ水場を目指す
しかし、地図をチョット見して下るだけと思ったら大間違い、30分程の間に小ピークが3つもあった。前回の休憩から時間も経って脱水気味のところに、せめて日陰に入りたいというささやかな望みも叶えられず、ここが今回一番キツかった。
北俣ノ水場の標識はカンカン照りの草原にあり、水場はそこから樹林の中を下る。ちょっと遠いが、冷たい水が豊富に出ているいい水場だ。頭から被り、上半身脱いで濡れタオルで身体を拭く。実に気持ちがいい。もちろん水もいくらでも飲める。ポケットにカメラを入れていったのに、水に夢中になっていて撮影するのを忘れた。
涼しい水場から離れ難いが、標識まで戻って行動食を摂る。思い出して日焼け止めのリップスティックを塗ろうとしたら暑さのために溶けていて折れた。12時半に出発。1時間近く休憩したことになる。
講習の要項では今日は栂海山荘泊まりなのだが行程が短すぎるので変更。と言って、次のテン場の朝日小屋までは届かない。さてどこに泊まるか、テントを張れる場所を探しながら行く。地形図を見るとサワガニ山(1612.3)、次の1612ピークとも東側に平坦な個所がありそうだが。
13:40 サワガニ山(1612.3)。確かにピーク下に広い場所があるが、丈高い草が生え、道からは藪に遮られている。次の1612は樹木で視界がなく、平坦地を確認できず。文子ノ池(14:50)まで来て見ると、池の畔の裸地と登山道を使えばテント設営できそうだ。
午後のこの時間に通過するパーティもないだろうが、登山道を塞ぐのも憚られるため、しばらくはザックを下ろした休憩モード。日陰はなく、I干氏は傘を広げている。酒とつまみが回り、H方氏のオカリナも出る。しばらくまったりとしてからテントを張り夕食、さらに宴会。
ペルセウス座流星群の極大(13日)が近く、見上げていると幾つも飛んだ。
シュラフカバーで就寝。

■8/13(月)
5:50 出発。今日も快晴だが、まだ気温が上がらず、黒岩平に続く景色も爽やかでずいぶん楽だ。
6:20 黒岩山(1623.6)。ここから先の黒岩平~アヤメ平はまさに別天地。ニッコウキスゲ、クルマユリ、あやめ、チングルマ等の高山植物が咲き、空気はひんやりと心地よく、池や雪渓が点在する。振り返れば犬ヶ岳からの縦走路が眺められる。標高は低いけど歩いてきてよかったと思う瞬間。
黒岩平
アヤメ平
ここで、去年夏の塩見岳(⇒ 2006/8/12~15 北岳~塩見岳、大鹿村)・雪投沢のテン場で一緒に盛り上がったうえくさ氏と擦れ違う。熊ノ平小屋から下山までつかず離れず歩いたふかやま氏のサイトの掲示板で情報交換しておいたのである。
名残を惜しみつつアヤメ平を過ぎ、長栂山への登りにかかる。ちょっと急登だが、まだバテていないので楽だ。I干氏も復調した様子。傾斜が緩やかになると、左手に何か標識の立った小ピークがある。足もとの岩には「←山頂」と書いてあるが、2267mのピークにはまだ早いし、そもそも巻くはずだ。ともかく行ってみると、標識は「長栂山」(9:20)で、三角点(「点」は旧字)もある。後でGPSデータを確認したところ、2267ピークに向かう県境と登山道が分かれる手前、東側の小ピークだった。おそらく高山植物保護のため2267ピークは立入禁止で、その代わりにここを山頂としているのだろう。
長栂山付近からの眺望
10:10 吹上のコル(この辺が森林限界)を通過し、10:50 朝日岳ピーク近くの水場。地図で見てこんなところに水があるのかと思っていたら、雪渓から直接流れ出ているのだった。冷たい水で喉を潤すと、朝日小屋のビールを心待ちにしていた欲求の半分くらいが満たされてしまう。
心行くまで水を飲んでから高度計を見て「ラスト100m!」と声を掛けて歩きだしたら、山頂まですぐだった。11:10 朝日岳(2418.3)に登頂。
朝日岳
栂海新道の始点から終点まで歩いた記念として、講師が海岸で汲んで来た海水2本のうち1本を全員で代わるがわる三角点に注ぐ。
山頂に海水を注ぐ
朝日岳からの眺望
相変わらずのピーカンで眺望絶佳。雪倉岳や白馬岳は間近だし、剱岳も凛々しい。それはいいのだが、むき出しの足がひりひりしてきた。日焼け止めを塗るが後の祭りである。12:00にピーク発。
下りはH方氏が先導し、12:30 朝日小屋に到着。テント設営の後、小屋で買った冷たいビールで乾杯。雪渓の水の満足感もあるが、それはそれこれはこれ。
そのまま夕食を挟んで宴会。小屋で焼酎や日本酒(地酒「銀盤」)を買い足し、持参のツマミを食べ尽くして明日の下山に備える。
さすがに夜は少し冷えて若者組もシュラフ+シュラフカバーで就寝。

■8/14(火)
特に防寒着を着けずにいたら明け方は少し寒い。3時に起き出して空を見たが、流星は昨夜の方が多かった。
5:50 出発。今日は本科生が交替で先頭を務める。しばらくチングルマの群落の間を行き、イブリ尾根で眺望が開けると台形が特徴的な犬ヶ岳が遠方に見える。
7:00にイブリ山(1791)。ここに「10合目」の標識があり、北俣ダム近くの「1合目」に向けて下って行く。標柱には標高も記してあるが、6合目あたりから下は実際とかけ離れた数字になっていた。
5合目(8:00)では水場の様子を偵察。5分ほどトラバースした先の沢で、水場まで下らないのは珍しいかも。
北又ダム下の吊橋を渡り、北又小屋に9:50到着。小屋の電話でタクシーを呼び、到着までの間にテントを干す。
タクシーでまず小川温泉元湯へ。熱い内湯で汗を流す。別棟に洞窟大露天風呂があるらしいが時間がないので割愛。ふたたびタクシーで泊駅へ。静かな駅前で見つけた食堂で食事してから乗車、親不知駅まで3駅だが、いやー、歩くのは長かった暑かった。しかし、海抜0mから実直にピークを繋いでいく歩きも性に合っていて楽しい。

■今回のルート(山行時のGPS軌跡を2024年3月時点の地形図に表示)
栂海新道ルート・前半
        ↑前半(1~2日目)
栂海新道ルート・後半
        ↑後半(3~4日目)

【付記】
下山後、足の虫刺されの痒みがひどいH方氏は皮膚科を受診。クマザサ等に潜むマダニに咬まれるとライム病、ツツガムシ病に発展する可能性があるという診断で抗生物質他を服用。自分も両足それぞれ数十ヵ所に被害あるも痒みは軽く自然治癒した。これがあるから肌を出していてはいかんのだよね。しかし今回ばかりは日焼け・虫刺されと肌を覆うことでの熱中症との危険を天秤にかけないといけなかった。

2007/8/18(土) ぽんさQ BBQ2007年08月18日 00:00

K田・T(ミクシィネーム:ぽんさQ)氏主催のBBQに参加。多摩川の花火大会と絡めて河川敷で。昨日までの猛暑が一段落して助かった。
参加者はもりこ改めもりこ。さん、tomo@とかサワキャンさん、ハダイロムラタさん(以上いずれもミクシィネーム)、O倉・K氏、N村氏、Y代氏、その他K田氏のマイミクなどなど。医師にアナウンサー、アニメ雑誌編集者など多彩な顔ぶれ。唯一未成年参加であるN目氏のご子息Iくんが可愛らしい。
顔ぶれに合わせて会話内容も多彩というか、例によって例の如くというか。
BBQは普通の肉の他にケバブもあり。それをもりこ。さん手製のパンに挟むのも美味。
ハダイロムラタさんからは「と学会誌19」をいただく(今日がコミケだったから、という訳ではない)。ありがとうございます。
花火はちょっと遠いが、河川敷のまっすぐ先でよく見えた。

今年は花火終了をもって大人しく解散。
楽しい半日でした。>ぽんさQ&もりこ。さま

2007/8/19(日) 日和田山2007年08月19日 00:00

無名山塾の自主山行として日和田山で岩登り練習。企画は自分、参加者はS藤・H氏、U山・K氏(都合により昼まで)。H方・Y氏も参加予定だったが体調不良のためキャンセル。

8時に高麗駅着、車で来たU山氏と合流して現場へ。S藤氏は遅刻との連絡あり。
普段の週末ならスダレ状態(何本もロープが張られている様子←岩登りをしない人のための注)の男岩だが、今日はほとんど人がいない。その理由は間もなく身にしみて分ることになる。

ガラ空きをいいことに、男岩西面のステミング・フェイスと(10)(『日本100岩場』による)にトップロープを張り、まずはステミング。U山氏クリア、続けて自分もクリア。先日の講習の際には歯が立たなかったのに。で、もう1回やってみると、U山氏は一度ロープを掴んだもののクリア、それに対して自分は・・・ あれ、さっき掴んだホールドはどれ?という感じで登れず。うーむ、最初のはまぐれだったか。あるいは、握力腕力に頼る登り方をしていて、最初は力があるから登れたが、2回目以降は微妙なホールドを掴んでいられないという面もあるのだろう。その後の繰り返しでU山氏は安定して登れるようになったが、自分は結局登れず。

そうこうするうち、だんだん人が来てロープが下がるようになってきた。
次に(10)に移るが、上部の本来のルートに他パーティのロープがあるので、試しに(9)の方に行ってみる。オーバーハングで自分に登れるはずはないのだが、トップロープの気楽さでハングの下まで行けないか、と。行けなかった。U山氏は(10)をクリア。

S藤氏が到着したので、ステミングを試した後(S藤氏も登れず)、ロープを(16)リッジに張り替える。U山氏は下部は本来の(16)ルート、上部は(17)左ルート気味を行った。自分はまず(17)を行き、次に下部以外は(16)。S藤氏も適当なルートを登る。
ここでU山氏は撤収。

昼の小休止の後、(17)+(16)をS藤氏リードで登り、岩の上で(10)にロープを張り直す。これが暑かった。懸垂下降で降りた後、二人とも息が落ち着くまで暫し休憩。午前中は日陰だった西面にも日が当たってきて急速にやる気が落ちる。休憩姿勢から立ち上がると立ちくらみしそうだ。人の少ない訳がよーく分りました。
この(10)は確か、K藤講師とマンツーマンの講習になった時、セカンドの自分は引っ張り上げてもらったルートである(⇒ 2006/12/2 日和田山)。今回トップロープでやってみると、上部はアンダーで取ったホールドに体重を預けて登れる。やはりトップロープの気楽さと言うべきか。
暑さにめげて他のルートに進出する気力もなく、後はここを繰り返す。自分は3回やって3回登れたからいいだろう。S藤氏は未だ登れず。今日が初チャレンジだそうだから無理もない。

15時過ぎに終了。
ステミングを最初の1回しか登れなかったのが悔しいが、多少の進歩はあるらしいので一応満足。
それにしても暑かった。汗みずくである。山を下りてみると、高麗川に入って水遊びをしている人たちがいて羨ましい。
遅刻のお詫びということで、バスのカレー屋でS藤氏がビールを奢ってくれた。

2007/8/25(土) 八ヶ岳・阿弥陀岳南稜2007年08月25日 00:00

無名山塾の講習に研修参加。
M本・Y講師以下、T口・H氏がCU(Communication Up:連絡役といったところ)、Y永・H、S藤・H、S木・Y(女性)各氏と自分が研修参加、H方・Y氏他本科生7名の計13名。昨年のこの回は講習生が二人(U山・K氏とS藤氏)だったのに比べるとずいぶんな大人数だ。

24(金)23時半に茅野駅に集合、タクシーとY永氏のフェアレディーZで舟山十字路へ。笹の上でツェルトとシュラフカバーにくるまって0時半頃就寝。まずまず眠れたが、時間が経つとTシャツ+薄いシャツではちょっと寒かった。自分が犬で犬殺し役の人間に追われる夢を見た。

4時起床、T口氏も愛車で到着し、4:40出発。
林道を歩いて5:20 旭小屋に到着。荒れた無人小屋で、「出る」との噂もあるとか。そのせいかどうか、中に人が泊まった様子はなかった。
旭小屋
小屋からは短い急登で尾根に出る。右手はずっと縄張りされていて、うるさいくらいに「キノコ山につき入山禁止」の表示。「キノコ山」と言われると入りたくなるが、罰金は十万円(以上)である。
一本調子に高度を上げる尾根で、足元の岩にはアイゼンで引っ掻いた痕。積雪期のバリエーション入門ルートなのだ。やがて傾斜が緩くなって、7:10 立場山(*1)山頂。樹に付けられた標識には「立場山 二二四八米」とあるが、この高度は誤りであろう。高度計やGPSを見ても、地図にある2370mが正しい。
その後はしばらく平坦になり、青ナギと呼ばれる崩壊地に出る。いよいよ阿弥陀岳南稜が大きく、編笠、権現も間近い。よく晴れて、遠くは白馬から槍、穂高、乗鞍、御嶽山までが一望でき、しばし山座同定となる。
蒼ナギ
無名峰(ご丁寧に「無名峰」と標識が出ている)を越え、阿弥陀岳の全容を望む。
阿弥陀岳
P1(2564m)で休憩。大きく裾をひいた富士山が美しい。

P2は意識することもなく過ぎて、いよいよ今回の核心P3の基部へ。ここでハーネスを着ける。幸い先行パーティもおらず、直登ルートを独り占め状態だ。講師より八ヶ岳の岩の特徴説明あり。礫をセメントで固めたような状態で脆く、持つ時は抜けないか確認して慎重に。
まず講師がロープを引いて上がり、ビレイ支点を構築。後続はロープ途中のエイトノットをチョン掛けにして登るが、上からロープを投げ下ろすと途中に引っ掛かるおそれがあるため、補助ロープを連結して手繰り寄せることにする。実際にロープが出る長さは40m足らず。T口、Y永氏が続けて上がり、以下、講習生が続く。出だしのちょっと上にザックの引っ掛かりそうな出っ張りがあって、そこでもたつく者もいるが、特に問題なし。ホールドも案外しっかりしているようだ。最後の数人は講師に代わってY永氏がビレイ。最初はへっぴり腰で、あまりビレイしやすい場所ではないらしい。
P3の登攀
人数がいるので時間が掛かる。その間に上がってくるパーティが2~3組あったが、ノーマルルート(ルンゼ)に進んで行った。中には、直登したかったが登山口の駐車台数を見て諦めましたと言う人も。確かに、講習でなければこんな大人数で来るルートではない。
S木氏をラストにして自分が登る前に、連結したロープは最後の人が畳んで持って上がればいいね、と二人で確認。いざ登ってみると、出っ張りを越えた先が下から見るよりも立っている。ホールド、スタンスは豊富だが、足を乗せた石が抜けたら嫌だなと思う場面あり。
上がりきるとY永氏以外は少し先に行っていたが、講師が戻ってきて「S木氏は連結したロープの先端を結んで来ればいいのに」。そうすれば最初のロープを先に片付けて時間短縮できると。考えてみると、万一落ちたとしても体重以上の荷重が掛かるシチュエーションではないから、身体に付けるのは補助ロープで十分なのだ。そういったことを含めて手順を組み立て、スムーズに行動しないといけないのだな。
S木氏が上がって支点を撤収したのは11時過ぎ。基部に着いたのが9時前だったから、2時間半を要したことになる。先に進もうとしたところで、半分土に埋まっていたATCを拾った。
そこから阿弥陀岳山頂への尾根に上がる手前にちょっと嫌らしい草付きあり。岩に突き当って右手を覗くと残置スリングがあるのだが、講師が先に立って左の草付きを行く。岩に土が載っているだけなので岩側を向き三点確保で、と注意。実際、出だしの草を踏むと足元がふわふわする。
P4は登らずに通過。登攀は難しくないが、岩はP3以上に脆くて危険だそうである。P3に2時間半掛かったのだから、これからP4をやったら下山はヘッドランプになる。

11:44 阿弥陀岳に登頂。登山日和で賑わっている。赤トンボが多い。集合写真を撮り、12時まで休憩。
阿弥陀岳登頂
下りはしばらくガレた急坂が続く。ここは4年前の10月下旬に一人で来た時、薄く雪が付いていてロープに頼って下りたところだ。あの時は人がいなくてある意味気楽だったが、今回は落石を起こさないよう慎重に足を置く。それでも一度、平坦な場所で立ち止まった姿勢から踏み出そうとした途端に尻もちをついた。油断大敵。
急坂は1時間ほどで終わり、あとはだらだら歩き。
14時前に御小屋山(御柱山)ピークの手前、エアリア(昭文社の山と高原地図)に「財産区境界標識」とある地点で休憩。以前に来た時は「御小屋山の分岐を右で美濃戸」とだけ思っていて、ここから右の踏み跡に入るという失敗を犯したのだった。今回は御小屋山から舟山十字路へ戻る。道端にはお地蔵様や南無妙法蓮華経(?)の碑があり、信仰の山であることを再認識。虎姫神社というのもストーリーがありそうで気になるが、今回はスルーした。
15時に舟山十字路に到着。暑いと思って水を多く持ったのだが、それほどのことはなくて助かった。

休憩地点から電話で呼んだタクシーで茅野駅へ。
今回の講習のタイトルは「ルートファインディングと友達になる会」だが、どこも踏み跡がしっかりしていて、結果的にルーファン要素はほとんどなかった。車中で講師にそう言うと、「これでP3やP4にハシゴが付いたら一般ルートですよ」。それもあまり面白くないか。
茅野駅そばの行きつけの焼肉屋が休みだったので、手近な養老の瀧へ。さらにあずさ車中でも(少し席がバラけたが)飲んだことは言うまでもない。

■今回のルート
阿弥陀岳南稜ルート

*1:1/25000図やエアリアでは「立場岳」。読みもWeb検索してみると「たつばやま」「たてばだけ」と出てきて何が正解やら。

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