2007/4/8(日) アニドウ創立40周年記念上映会 ― 2007年04月08日 13:00
記念上映会とあって、いつものなかの芸能小劇場より大きな中野ZERO小ホール。会場はガラガラだが小劇場の収容人数よりは多いか。13:00~21:00過ぎの長丁場、一部だけ参加する人もいるにせよ、集まった方だろう。
受付でもらったプログラムを見ると、事前のチラシで「未定」だった「第三部 思いでの長編漫画映画」になんと!「やぶ○○○の暴君」が入っている。大昔--四半世紀近く前か--に確か高田馬場でどこかのサークルの自主上映を観て以来だ。最近ニセモノ(いや、完全版)のDVDを買ったのはもうオリジナルに接する機会はないかと思ったからだが、いきなりここで観られようとは。「未定」だったのは作品名を大っぴらに出せないためとも思われるので、ここも一部を伏せ字にしておく。
最初は会場内に見知った顔はなかったが、第一部の休憩時間にK田・T(ミクシィネーム:さざんかQ)氏、S戸口(ミクシィネーム:++ungood)氏と邂逅。
壇上に現れたなみき会長はテンション低め。昨日のパーティで遅くまで飲んでいたという。さもありなん。
ということで、上映開始。
まず「第一部 思い出の短編漫画映画」は定番をバランスよく。中では「動物となり組」が初見。♪とんとんとんからりととなり組・・・はメガネドラッグのCMソングのメロディだ。2004年の「日本漫画映画の全貌」の展示で見て動物の擬人化がちょっと怖いと思ったものだが、通して見るとそうでもない。
アレクセイエフの「鼻」はピンスクリーンによる光と影の習作のような冒頭から一転不条理の世界へ。
岡本忠成作品はラストで音声切れ。珍しい事故で音声トラック用のランプが切れた。珍しいと言いながら他の作品で映像だけ切れたのもあり、映写機の不調か?
「第二部 思い出の国際フェスティバル」はなみき会長の参加したブラジル(2001)とハンガリー(2002)の国際アニメーションフェスティバルの様子を写したビデオ。会長はスーツに下駄履き姿。自ら撮った部分では、美女、美少女を狙った絵が多い。
第三部の「やぶ○○○」がやはり今回最大の収穫。なるほど、確かに後半は未完成と感じさせるが、これがビデオ化されないのは惜しい。K田氏もS戸口氏も、宮崎アニメひいては日本漫画映画のルーツの一つを確認できたと言う。それはそうと、盲目のオルガン弾きはどう見てもなみき会長だ。上映前にはご本人がコスプレして登場。購入したパンフ『アニドウの歩み40年』を見ると、手塚治虫やポール・グリモーの前でも(衣装こそ着けていないが)オルガン弾きをやっている。10年後にはぜひ完成形のコスプレを披露して欲しいと思う。
「第四部 懐かしのアニドウ創世記」はPAF(プライベート・アニメーション・フェスティバル)の自主作品やアニドウの活動記録映像など。
30年前に労組で集まって作った「つるのすごもり」は問題意識は分かるものの、ハッキリ言ってつまらん。キャラの個体識別がほとんどないのは個人ではない労働者一丸という意味だろうが、あの絵柄で擬人化ならぬ擬階級化をやってもねぇ。
その後、プログラムには「ドクター&プロフェッサー・ショー」とあって、はらひろし氏(歯科医)と片山雅博氏(多摩美教授)の掛け合いの予定だったのだが、原氏急病のため、なみき会長と片山氏との掛け合いとなった。音声抜きのTVニュースのアテレコが可笑しい。
「つる姫じゃー!」はTVアニメかと思ったら、線画の自主作品だった。一部、絵がうまい。
「第五部 懐かしのアニドウ繁盛記」はアニドウが製作したり配給したりした短編集。「この星の上に」は初見。南家(なんけ)こうじのアニメはいい。
8時間もあったらダレるか辛いかと思ったが、結構面白く最後まで見られた。
なんにしても、40年も活動しているのは意義深いことだ。
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