2025/3/11(火)~3/12(水) アカンダナ山~安房峠 ― 2025年03月11日 00:00
T中・H氏と無名山塾の自主山行。焼岳から十石山までを繋ごうという、一昨年に途中エスケープ(⇒ 2023/3/18~3/21 焼岳~白谷山)、昨年同時期に続きを計画したものの都合で中止した山行の完結編とするつもりだったのだが・・・
■3/11(火)
新宿バスタから高速バスで平湯温泉へ。今日はまだ降らない予報だったが、待合室で身支度するうちに小雨になってしまった。14:10、気温2℃。ともかく歩き出す。
あかんだな駐車場入口を過ぎ、国道158号の冬期閉鎖ゲート前から右手の斜面に入る。結構な傾斜の上に時々踏み抜いて潜る。汗をかいてシャツを脱いでいると、東日本大震災の犠牲者を悼む黙祷のサイレン。14年前のあの時は護国寺のビル8階で仕事をしていて酷く揺れ、当日は帰宅できなかったことを思い出す(⇒ 2011/3/12記事)。
上の道路に出ると雨は小雪に変わった。前回下山時の幕営地点を通過し、カーブミラー(標高1500m)から大きな谷地形に入っていく。雪は割合に固く、アイゼンを着けることもない。地形図上の計画では1909m地点の北に泊まる考えだったが、徐々に谷を右に見るように進んで急登をこなすと、1909mの少し下でいくらか広い雪面が現れた。すでに17時半なので、暗くなる前にと整地してテントを張った。自分のテント外張り(プロモンテVL26TS)は今回山行を前に購入(35,200円)したもの。せいぜい使って元を取らなくては。テント内に落ち着くと軽くさらさらと雪の音。ここはスマホの電波が入り、受信したヤマテンによると、明日朝のうちは晴れるが日中から降り出し風も強まる。雪ならばまあ良いが、雨は困る。
■3/12(水)
予報通りに晴れた。まだ暗い中、眼下に平湯温泉の灯が美しい。夜明け前の5:50に出発。
アカンダナ山南西面を眺めると、樹林の間の雪斜面が雪崩の走路に思える。登るなら樹林だが、それも急傾斜で難しそうだ。北側の広い箇所へ回り込んで幾分緩やかな面を登るか・・・と相談し、コンパスを振る。7:50、北側広場に到着。ここにザックをデポして山頂をピストンする。山頂から南東へ下りて県境稜線に繋ぐことも考えたが、前回稜線東側での難渋を思い返すと、稜線に乗るのに苦労する恐れがある。樹林の隙間の登りやすそうな箇所から取り付く。それほどの困難はないものの、時に枝をかわし、あるいは掴み、大岩の際(きわ)を攀じる場面もあり。8時半、アカンダナ山(2109.4m)に登頂した。広い山頂は雪に覆われ、三角点標石は無論、山名板も見当たらなかった。焼岳は3/4に噴火警戒レベル2(登山禁止)に引き上げられたところだが、こちらは静寂の世界だ。眺めは良好。間近に大きく焼岳、その右に続くのは穂高連峰から明神岳、焼岳の左手前に前回苦しんだ白谷山、その左奥に尖っているのは笠ヶ岳。山頂で15分ほど過ごし、北側広場に戻った。
広場から県境稜線へ漸近していくつもりだったが、やや方角がずれて2110m小ピークに上がってしまった。ここで10時前。あとは基本的に尾根を下ればよいのだが、踏抜きを警戒してワカンを避け、アイゼンでのツボ足を通したこともあって案外と時間を要した。そうこうするうち行く手の空に雲が出て、太陽に暈(かさ)がかかる。この気温で降り出せば雨になる。雪山装備のヤッケやテントに撥水・防水性能はなく、濡れた上に風に吹かれれば低体温の恐れもある。2泊3日の計画だったが、残念ながら今回は1日短縮して安房峠で打ち切った方がよさそうだ。せめて安房山は落としたかったが、リベンジを誓って写真だけ撮った。鞍部を経て、こんもりとした2019mピーク(<安房峠西峰>の山名板あり)に上がると、はや12時近い。ここから峠にかけての県境は単なる山腹斜面で、尾根のような目安になる地形が無い。コンパスを合わせた上でスマホGPSを併せ見て外さないように下りていく。傾斜は出だしから急で、山側を向いてピッケルを刺し、アイゼンを蹴り込む。50m程下るといったん緩むが、その先がさらに厳しくずっと雪壁下りだった。しかも雪が柔(やわ)で、下ろした足が時々沈み込んで抜くのに四苦八苦したりもする。13時過ぎ、ようよう安房峠(1790m)に下り立った。中ノ湯に下山することにしたが、国道歩きも思ったほど楽ではない。相変わらずのアイゼンツボ足で、安房山の北側に回るといっそう雪が深く、雪崩のデブリが出ている箇所まである。途中から小雨となる中、最後のヘアピンカーブのみショートカットして、中ノ湯温泉には15時半過ぎ。アイゼンを外してさらに歩き、16:20、釜トンネルまで下山した。雨が本降りにならなかったのは幸いだが、安房峠からの下りで足にマメができた。
■今回のルート
■3/11(火)
新宿バスタから高速バスで平湯温泉へ。今日はまだ降らない予報だったが、待合室で身支度するうちに小雨になってしまった。14:10、気温2℃。ともかく歩き出す。
あかんだな駐車場入口を過ぎ、国道158号の冬期閉鎖ゲート前から右手の斜面に入る。結構な傾斜の上に時々踏み抜いて潜る。汗をかいてシャツを脱いでいると、東日本大震災の犠牲者を悼む黙祷のサイレン。14年前のあの時は護国寺のビル8階で仕事をしていて酷く揺れ、当日は帰宅できなかったことを思い出す(⇒ 2011/3/12記事)。
上の道路に出ると雨は小雪に変わった。前回下山時の幕営地点を通過し、カーブミラー(標高1500m)から大きな谷地形に入っていく。雪は割合に固く、アイゼンを着けることもない。地形図上の計画では1909m地点の北に泊まる考えだったが、徐々に谷を右に見るように進んで急登をこなすと、1909mの少し下でいくらか広い雪面が現れた。すでに17時半なので、暗くなる前にと整地してテントを張った。自分のテント外張り(プロモンテVL26TS)は今回山行を前に購入(35,200円)したもの。せいぜい使って元を取らなくては。テント内に落ち着くと軽くさらさらと雪の音。ここはスマホの電波が入り、受信したヤマテンによると、明日朝のうちは晴れるが日中から降り出し風も強まる。雪ならばまあ良いが、雨は困る。
■3/12(水)
予報通りに晴れた。まだ暗い中、眼下に平湯温泉の灯が美しい。夜明け前の5:50に出発。
アカンダナ山南西面を眺めると、樹林の間の雪斜面が雪崩の走路に思える。登るなら樹林だが、それも急傾斜で難しそうだ。北側の広い箇所へ回り込んで幾分緩やかな面を登るか・・・と相談し、コンパスを振る。7:50、北側広場に到着。ここにザックをデポして山頂をピストンする。山頂から南東へ下りて県境稜線に繋ぐことも考えたが、前回稜線東側での難渋を思い返すと、稜線に乗るのに苦労する恐れがある。樹林の隙間の登りやすそうな箇所から取り付く。それほどの困難はないものの、時に枝をかわし、あるいは掴み、大岩の際(きわ)を攀じる場面もあり。8時半、アカンダナ山(2109.4m)に登頂した。広い山頂は雪に覆われ、三角点標石は無論、山名板も見当たらなかった。焼岳は3/4に噴火警戒レベル2(登山禁止)に引き上げられたところだが、こちらは静寂の世界だ。眺めは良好。間近に大きく焼岳、その右に続くのは穂高連峰から明神岳、焼岳の左手前に前回苦しんだ白谷山、その左奥に尖っているのは笠ヶ岳。山頂で15分ほど過ごし、北側広場に戻った。
広場から県境稜線へ漸近していくつもりだったが、やや方角がずれて2110m小ピークに上がってしまった。ここで10時前。あとは基本的に尾根を下ればよいのだが、踏抜きを警戒してワカンを避け、アイゼンでのツボ足を通したこともあって案外と時間を要した。そうこうするうち行く手の空に雲が出て、太陽に暈(かさ)がかかる。この気温で降り出せば雨になる。雪山装備のヤッケやテントに撥水・防水性能はなく、濡れた上に風に吹かれれば低体温の恐れもある。2泊3日の計画だったが、残念ながら今回は1日短縮して安房峠で打ち切った方がよさそうだ。せめて安房山は落としたかったが、リベンジを誓って写真だけ撮った。鞍部を経て、こんもりとした2019mピーク(<安房峠西峰>の山名板あり)に上がると、はや12時近い。ここから峠にかけての県境は単なる山腹斜面で、尾根のような目安になる地形が無い。コンパスを合わせた上でスマホGPSを併せ見て外さないように下りていく。傾斜は出だしから急で、山側を向いてピッケルを刺し、アイゼンを蹴り込む。50m程下るといったん緩むが、その先がさらに厳しくずっと雪壁下りだった。しかも雪が柔(やわ)で、下ろした足が時々沈み込んで抜くのに四苦八苦したりもする。13時過ぎ、ようよう安房峠(1790m)に下り立った。中ノ湯に下山することにしたが、国道歩きも思ったほど楽ではない。相変わらずのアイゼンツボ足で、安房山の北側に回るといっそう雪が深く、雪崩のデブリが出ている箇所まである。途中から小雨となる中、最後のヘアピンカーブのみショートカットして、中ノ湯温泉には15時半過ぎ。アイゼンを外してさらに歩き、16:20、釜トンネルまで下山した。雨が本降りにならなかったのは幸いだが、安房峠からの下りで足にマメができた。
■今回のルート
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://marukoba.asablo.jp/blog/2025/03/11/9760710/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。