2007/3/19(月) ロケットまつり142007年03月19日 19:30

新宿ロフトプラスワンの人気企画。ここ何回か行きそびれていて久方ぶり。前回来た時は休日だったか? 開場時間前から外に溢れる行列だったが、今回は地下への階段に収まっていた。それでも開演が近くなると席はほぼ埋まる。相変わらず男の子のおまつりで、店員以外、ほとんど女性は見えない。
出演はお馴染み林氏、垣見氏、聞き手に松浦氏、笹本氏、あさり氏。

登場してすぐさま、垣見氏が手術を受けたという話。クリスマスに入院、胃ガンを切って元旦に退院したそうである。林氏が「ロケットをやって現役で死んだ人が何人もいるが、こういうしぶとい人もいる」。笑い話にできて何より。しかし、その死んだ人たち、垣見氏が見舞いに行くとその翌日に亡くなったとか、こうなると笑い話だか何だか。

今回は糸川英夫の下での仕事とか、ひと関係の話題が多かった印象。いくつか拾っておくと...

林氏が糸川英夫の資料を段ボールに108箱(会場から「煩悩の数だ」の声あり)、秘密の場所に持っているそうで、そこから垣見氏を驚かそうと思って持ってきた、とタイガー計算機を出す。垣見氏は「驚きませんけどね」と言いながら、ひとしきり計算機の操作や糸川の仕事に求められた有効数字の話。
糸川の米国行きの公用パスポートも何冊か出てきた。外務大臣名が「重光葵」。歴史だ。
付箋のたくさん付いた『ゲーテ全集2 ファウスト』。糸川はゲーテと聖書から言葉を選んでいたと思う、と林氏。

以下、ランダムに。

ランチャーにセットされたペンシルの写真。水平射ちではなく立ててある。珍しいと思うと垣見氏「これはペンシルじゃない」。写真にはしっかり「ペンシル」と入っているが、実際には独自ロケットだそうである。

K-8型10号機の事故の際に懺悔箱というのがあった。王様の耳はロバの耳式に関係者が箱に向かって話したのを録音したテープがあるはず。出てきたら面白い。

'69/1/16(?)、富士山の乱気流による飛行機の空中分解事故があった。その時に打ち上げたラムダが90°横に飛んで行方不明に。もしやと思ったが、ロケットの破片は出なかった。

林氏、40年前、娘に「みゅう」と名付けた。「普通のおばさんになりましたけどね」。それに対して、「その前ならカッパだったんですか」(あさり)。「次はラムちゃん」(笹本)。

内之浦に「ニューロケット」という店がある。「てっきりミューロケットの間違いと思ったら、もともとロケットって店があって、その新装開店だった」(松浦)。

林氏、雲の写った航空(衛星?)写真を見せ、「ここに龍が2匹いて、ジャワ島地震の前にはこの雄雌がすれちがったんだけど、どーんと行ったのが地震。こういうことがあるんですよ」。本気なのか冗談なのか。技術を極めてもその先に人の力の及ばない領域があるというのは、一級の技術屋の実感なのかもしれない。

特等席でのM5見学の話。固体燃料はやかましく液体は静かだとか、いやサターン5はうるさい、それは振動のせいだろうとか。休憩時間にはその秘密の打上げビデオが流れる。凄い音。しかし、現場では衝撃波が圧倒的だというから、実際に見たら腹の底から揺さぶられるのだろう。

アメリカの宇宙開発だったら、NACAがあって、スプートニクショック、NASA発足、ケネディの演説で・・・と歴史を押さえられるが日本のは見えない。その辺を本にまとめなよ、と水を向けられる松浦氏。会場拍手。「今拍手した人、買うね?」でさらに大きな拍手。読者層は限られるだろうが、林氏や垣見氏にも徹底取材して、是非書いて欲しい。

例によって演壇にはペンシル実物やらロケットの電気系統コネクタやら並べてあるが、その中のロケットモーターを取り上げて点火玉を近付け、「推進薬入ってるんだけど、つけてみますか」「やめてください。踊り狂いますよ」。
その代わりに、スナケシ状の推進薬を小さく切って灰皿の上で点火。点火玉に電池を繋いで「パチン」もやったし、火遊びはもはや恒例か。

おそらく林氏が手土産に何十部か持ってきた「ISASニュース 2007.1 特集 性能計算書とM(ミュー)の衛星(こども)たち」を一部せしめた。PDF版はこちら ⇒ https://www.isas.jaxa.jp/ISASnews/No.310/ISASnews310.pdf
『宇宙の傑作機4.5 X-20ダイナソア 増補改訂版』は普通の頒価で購入。

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