『ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~』2019年11月14日 14:01

本の発売時期から全然それた話題。
瀬野反人『ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~』が面白い。
恩師の研究を引き継いでフィールドに分け入る若き言語学者。相手にするのは人狼からスライムまで、人類とは異なる言語体系。
これは『バベル-17』『幻詩狩』『星界の紋章』『あなたの人生の物語』、あるいはモンティ・パイソンの「ギャグ爆弾」スケッチに連なる、言語SFだ。
主人公と同じく示された手掛かりを基に推理した文法が、インターミッションで答え合わせと思うと、合わない。作品完結の暁には全種族の辞書公開を望みます。
しかしこれ、Web掲載とはいえ読者はついてこられるのか? 単行本は最後まで出るのか? 無事に完走できることを祈るのみ。
なにはともれ、ススキは可愛い。

山岳遭難の心理 -富士山頂から動画配信中に滑落2019年11月16日 16:08

10月末に富士山頂から配信中に滑落した動画。
アイゼン、ピッケル無しで雪の富士山とは死にに行くようなものだが、それは知識や経験がなければ仕方がないとも言える。しかし、それ以前に本人がさかんに「指やばい」「危険」と口にしながら引き返すという発想が出ない(この装備では下山も危険そうだが)。この人に限らず、遭難はこういう意識状態から発生するのだろう。自戒しよう。

2019/11/24(日) 嶺の御嶽山と一山行者2019年11月24日 00:00

大田区立郷土博物館の特別展「嶺の御嶽山と一山行者」を参観し、連続講演の最終回「霊神碑は語る」(立正大学文学部・時枝務教授)をつまみ食い聴講。

「嶺の御嶽山」とは大田区北嶺町に鎮座する御嶽神社のこと。この神社は古くからあるのだが、1831年に一山行者が木曽御嶽山の関東第一分社として現在の社殿を建立し関東一円から広く尊崇を集めた。狛犬が山狗であることや同じく山狗を象る額が伝わることから、それ以前に木曽御嶽ではなく武州御嶽(みたけ)山の信仰があったのではないかという。
「霊神碑」は修行を積み「霊神」の神位を授けられた人を祀った<人神信仰>の石碑で、木曽御嶽を始め御嶽教の入った山に見られる。甲斐駒ヶ岳など登ると夥しい数があり、これを持ち上げるとは信仰の力は凄いものだと思わせる。造立年代を調べるとほぼ明治以降なのだが先駆として登山(修行)回数を記した碑伝(ひで、木製から石製へ)があったのではないか、後には遺髪を埋めるなど両墓制(遺体を埋葬する墓とお参りする墓を別に持つ葬制)に近い性格も持つようになり、修行顕彰から祖先崇拝へと目的が移っていった、など興味深い。
図録は150ページもある立派なものが1000円とお買い得。
オオカミ狛犬収集家(?)の自分としては、「嶺の御嶽山」は改めて訪れずばなるまい。

嶺の御嶽山と一山行者


■2019/12/16(月)追記
夜勤明けに御嶽神社に行ってみた。
オオカミ狛犬は見たところ大正か昭和に入ってからものと思うが、台座の文字らしきものは読めず、展覧会図録でも「建立年不明」とのこと。
社殿や水行堂の彫刻が立派。
御嶽神社・狛犬

御嶽神社・龍

御嶽神社・龍


2019/11/24(日) 雪山用登山靴2019年11月24日 00:00

新しい雪山用登山靴。スポルティヴァのNepal Evo Gtx。
今まで履いて気に入っていたNepal Evoはソールが劣化して防水も破れた感じなので、今シーズンのマイナーチェンジ版を買った。カモシカスポーツのフェアで10%引き。
ついでに池袋ジュンク堂に立ち寄り、目に付いた渋めの山行本を購入。
Nepal Evo Gtx
群馬の県境を歩く

2019/11/26(火) 「羅小黒戦記」2019年11月26日 00:00

「羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)」鑑賞@池袋HUMAXシネマズ。
中国アニメというと自分の中では「ナーザの大暴れ」('79!)とかで止まっていたが、今はこうなっているのか。素朴な描線のキャラでほのぼのアニメかなと思っていると、いつかバトルになり、AKIRAになり、千と千尋に・・・
イメージの借用はその作品へのリスペクト、オリジナリティもしっかり感じられ、全体に元気があって好ましい。というか、日本にはこういった作者の「好き」がストレートにエネルギーとして感じられる作品が出にくくなった気がする。
それにしても凛々しい少年だったナーザ(「大暴れ」の話ね)がギャグもできる大人になっていて感慨無量。
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