2019/5/2(木)~5/4(土) 常念岳~蝶ヶ岳 ― 2019年05月02日 00:00
無名山塾の技術委員会企画山行で残雪期北アルプスの入門的縦走登山。Y田・M氏がリーダで、自分がサブリーダ。参加者は本科生のI上・M氏(女性)、S藤・K氏、Y本・S氏(女性)、O宮・T氏で計6名パーティ。
あわやというアクシデントもあったが、なんとか無事に計画通りの縦走を完遂した。
北アルプスは2017年GWの毛勝山以来2年ぶりだ。
■5/1(水) 天皇即位の日=令和初日
たまには山に入る前に観光めいたことをしようと松本に早めに着く高速バスに乗ったのだが、渋滞で遅れてホテル(https://www.hotelm-matsumoto.com/)に入るのが16時近くとなり、その上雨降り。そこにY田氏から「Y本氏の宿の予約が明日になっているのだが、本人と連絡取れない。日程を勘違いしているかも」とのメール。Y本氏が合流できない場合は松本市内の登山ショップで彼女の担当分の装備や食事を調達できないか等のやり取りの後、宿の予約日を誤っただけで本人はこちらに向かっていることが判明、事なきを得た。
しかし、もはや17時近くで観光施設も閉まってしまう。幸い雨はほぼ止んだので、とりあえず松本城と旧開智学校を外から見物。道々、四柱神社、松本神社、三峯神社(小さな祠)に登山の無事を祈っておく。
別のホテルに入っていたO宮氏と駅前の播隆(ばんりゅう)上人像で落ち合い、焼鳥屋にて前夜祭とした。
■5/2(木)
松本駅に男4人が集合、大糸線の初電で穂高駅へ。女性二人と穂高で合流し、予約のジャンボタクシーで常念岳の一ノ沢ルート登山口のヒエ平まで。タクシー料金は\9500程度。
休憩所やトイレのあるヒエ平は標高1320m。7:40で気温9℃、ややガス。
ヒエ平の小屋内では何人もが身支度していた。我々も装備を整え、7:40に出発。200mほど登ると道に雪が出てきた。
9時、王滝ベンチの手前で一本取り、ここまでストックで来たメンバもピッケルを出す。昭文社山と高原地図には「王滝ベンチ」とあるが、現地の道標は「大滝 H1610」だ。ポツリと雨が来たがそれきりで、やがてガスが取れ、雲も散って陽が射してきた。10時半、笠原(1890m付近)から常念岳を見晴るかす頃には素晴らしい晴天となった。
胸突八丁(と昭文社地図にある)を経て2150m付近で一ノ沢から離れると、常念乗越までほぼ300mの登り。暖まってきたので、後尾の自分は上を脱いでTシャツになった。最初は両側を崖に挟まれた谷だが、やがて左右が開けて風が強まってくる。先ほどの胸突八丁に劣らぬ急斜面だが、それにしても歩みが遅く動いたり止まったりしているのはI上氏がつかえているらしい。さすがにTシャツ姿で風に吹かれて止まっているのは寒いが、急斜面でザックを下ろすのも躊躇われて、そのまま常念乗越まで登り切って13:20。一ノ沢からの300mに1時間半を要した。
乗越からは大天井~槍ケ岳~北穂高岳~奥穂高岳の大パノラマが一望。地面はほぼ出ているが、小屋の入口は雪を掘ったトンネルの下で、テント場にも一部雪がある。受付を済ませて4人用と2人用の2張のテントを設営し、小屋前のベンチであらためて眺望を楽しんだ後、テントに戻って夕食。夜に入ると強風。
■5/3(金)
3時起床。食事を済ませ、強風の中テントを一つずつ撤収。変わらぬ強風を衝いて5:20に出発。雲多い晴れ、-2℃。雪はほとんどなく凍結もわずかなためアイゼンは装着しない。山頂までわずかな距離であるが強風のため予想外に時間を費やし、常念岳(2857m)に7:40登頂。
山頂からの下りでは念のためアイゼンを装着したが、傾斜が緩んだところで外した。
9時頃には風も止み、昨日ほどではないものの晴天になった。右手に大天井から穂高の大パノラマを眺めながら、緩やかなアップダウンを繰り返す稜線上を行く。
2592mピーク手前の鞍部でシャツを脱ぎ、Tシャツの上にヤッケを羽織った。13:40 雪のない蝶槍を通過。2664.5三角点の傍にはテントが張ってあった。
本来は本日中に徳沢まで下りる計画だったが、進行が遅れたためサブプランの蝶ヶ岳ヒュッテ泊りとする。エスケープルートの横尾への道を分け(2625m)、蝶ヶ岳手前で道の傍らのハイマツの中から雷鳥の鳴き声を聞く。近いのだが姿は見えなかった。風景指示盤を過ぎて、14:40に蝶ヶ岳ヒュッテに到着。広いテント場には既に多くのテントが張られている。我々もハイマツの生え際の雪を整地して設営、夕食を摂って21時に就寝。昨晩とは打って変わって静かな夜だった。
■5/4(土)
3時に起床。風がないとテント撤収も楽だ。5:20出発。快晴、-7℃。多少の残雪があり凍結しているため、出発時からアイゼンを装着。
徳沢に向けて長塀(ながかべ)尾根をひたすら下る。長塀の名前通り、長く緩やかな尾根で、長塀山(2565.1m、6:10)も下りの中の小ピークというところだ。蝶ヶ岳ヒュッテは賑わっていたが、このルートを下るパーティは少ない印象を受ける。徳沢が間近くなると急斜面を登ってくるパーティが多く、すれ違い待ちが増えたが、それ以上にI上氏の足取りが覚束ない。9時、徳沢園に到着。
装備の片付けと休憩で1時間程過ごした後、上高地までの平坦な道を歩く。すれ違う人の大半は梓川沿いを散策する観光客、さらに大勢で賑わう河童橋の上に場違いなザック姿で割り込んで「海外もいいけど、日本の山はいいねェ!」とギャグを飛ばすS藤氏。と、ここでY田氏が「明神に財布を忘れた」。一人走り戻ったところ、親切な方が明神館に届けてくれていたとのこと。
バスターミナルでY田氏を待ち、バスと電車を乗り継いで松本にて解散した。Y本氏はこのまま知人と別の山に転戦するのだとか。タフだねぇ。
■今回のルート(徳沢~上高地は省略)
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://marukoba.asablo.jp/blog/2019/05/02/9187255/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。