2014/12/30(火)~12/31(水) 霞沢岳西尾根(敗退) ― 2014年12月30日 00:00
無名山塾の自主山行。S木・Y氏(女性)と自分の2人パーティ。
年末年始休暇は横尾尾根からの槍ヶ岳をメインに、天候不順の場合のサブ案として霞沢岳の西尾根を上がり南尾根を下る計画を考えたところ、大晦日から元旦にかけて低気圧が日本列島を横断するという予報で、サブ案に決定。しかし、さらに大荒れという続報に、結局登頂を諦めて早々に下山した。
■12/29(月)
定時で仕事納めにして帰宅、トンボ返りで新宿から高速バスで松本へ。ホテル飯田屋に素泊まり。
■12/30(火)
ホテルでS木氏と合流、松本電鉄で新島々へ。そこからタクシーで釜トンネルまで、約1万円。
小雪の舞う中、登山届けを提出し、トンネルに入って身支度。周囲には同様のグループがいるが、霞沢岳には3パーティ(自分たちを含め?)が入っているそうだ。
9時、ヘッドランプを点けて出発。トンネル内は非常電話の案内や退避車線の照明が点灯しているので真っ暗ということはなく、特に凍結箇所もない。全長約1.3kmのトンネルを抜け、雪崩の注意を受けた道を進んで、砂防工事事務所への道を入る。標高1520m、この北側が西尾根の取付となる。気温-7℃。
ワカンを着けるなどしているうちに後続のパーティが到着し、10:10 前後して登り始める。雪の深さは膝程度、サラサラだが割合に湿った感じ。だが、トレースがあるので特に苦労はない。電信柱を通過し、高度を100m上げて尾根に乗った。
そのまま尾根上をワカンで前進。傾斜が増し、雪の下に岩を感じるようになった1780m付近でアイゼンに替えることにする。ところが、S木氏のワンタッチアイゼンの調節に必要な六角レンチがない。こちらの靴に合わせてみると幸いぴったりだったので、アイゼンを交換して登ることにした。
雪は激しくはないものの降り続き、樹林帯でも風が通る箇所ではトレースが消えている。上に見えているトレースを目当てに、胸の高さの雪をピッケルで掻き落とし膝で押し固めて進む。トレースに出てやれやれと思うと、2000mを越えた辺りで段差に行き当たった。まず自分が試したが足元が崩れて上がれず、S木氏が前に出て乗り越えた。しかし、自分はやはり上がれない。段差を避けてトレースの左に踏み込むと足元が抜けて大きく沈む。右から迂回できないかとラッセルしてみるが、結局は壁に阻まれる。そうこうするうちに単独男性が追いついてきて、試行錯誤の末に段差を越えて行った。自分も元のトレースに戻り、最終的に右側の樹木を回り込んで越えることができた。ここに1時間も費やしたろうか。続く斜面も壁と言っていい角度だが、ピッケルを打ち込めばアイゼンが効く。
14:50 キャンプ地に到着。砂防事務所の南側へ続く尾根が合流し傾斜が緩む2070m付近にS木氏の2人用テントを設営。周囲には先行の2人パーティ、先ほどの単独男性のテントがあり、後から来た4人パーティは少し上に張った。尾根から適当に下った箇所をトイレにするが、うっかり下りすぎると戻れなくなりそうな雪の深さだ。
尾根上なのでテント内で<山の天気予報>メールを受信できた。明日の槍ヶ岳は日本海から進んでくる低気圧のため午後から暴風雪とのこと。順調に進めれば悪天につかまる前に山頂(2645.8m)を越えて南尾根の安全地帯まで下りられるだろうか。しかし、雪でトレースが消えていると明日の登頂は無理、地形図を見ると2450m付近に幕営できるかもしれない。いずれにしても明後日(元旦)は停滞か。
■12/31(水)
3時起床、トイレに出てみると昨晩の踏み跡がきれいに消えている。この様子では山頂に向かってラッセルとなり、本日安全な時間内での登頂は無理だろう。ともかく2450mを目指そうとテント撤収して5:50出発。曇り。
間もなく2人パーティが追いついてきた。彼らは時間限定で引き返して下山するとのこと。2450mでの幕営は無理ではないかとの話で、こちらも登頂を諦めることにして2090m付近に余分な荷物をデポした。
先行する2人のトレースのおかげで覚悟していたほどのラッセルはなく高度を上げる。途中、青空が少し覗いたのは低気圧の前の擬似好天だ。8時に2450mに到達。傾斜はないが尾根が細く、幕営には向かない。安全な下山を考えると、これ以上進んでも登頂は無理と判断、ここから引き返すことにした。
デポした荷物を回収してキャンプ地に戻ると、4人パーティは既に撤収していた。トレースを辿り、昨日苦労した壁は懸垂下降。彼らに追いつき先頭交代した後はノートレースだ。1870m付近で西へ直進する尾根への下り口を探していると4人が追いついてきた。木に赤テープが付いている箇所は傾斜が急なためもっと自然なルートを探ったのだが、結局はそこしかない。4人は先に下っていった。
やがてまた4人に追いつき、単独男性も下りて来て、前後して進む。雪はいよいよ深く、砂防事務所の上の平坦部では腿まで潜る。汗をかいてラッセルし、途中で追いついてきた2人パーティと交代。登ってきた時の記憶で電信柱を目当てにしていたら、尾根の先まで行き過ぎてしまった。電信柱は尾根に乗る途中にあり、1630m辺りから尾根を下りるのが正解。13時、明るい曇り空のうちに砂防事務所前の道路に下りた。
さらに1時間歩いて釜トンネルを抜け、中の湯バス停で装備を片付けた。
バスで平湯温泉へ。すずらん旅館が空いていて素泊まり\5000+入湯税\150。部屋に入ると外は多少風が強まった様子だが、予報ほどの荒れ方ではない。これなら登頂も可能だったかもしれないが、安全寄りの判断は正しいと思うことにする。
近くのよろずやで酒とつまみを買い込み、山行用の食料で年越し。紅白歌合戦を見ていたが、酔って寝てしまった。
■1/1(木)
バスで松本に出て、駅近くの蕎麦や「こばやし」に入る。酒も蕎麦も美味くて正解。松本での贔屓にしよう。
■今回のルート
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