2024/7/22(月)~7/24(水) 爺ヶ岳~五竜岳2024年07月22日 00:00

2007年の栂海新道(⇒ 2007/8/11~8/14 北ア・栂海新道)以来、太平洋に達するかはともかくとして、まず北アルプスを繋ぐことが意識にあった。それで上高地から焼岳へ、さらに南へと伸ばしもした(⇒ 2023/9/25~9/27 霞沢岳、焼岳等)のだが、爺ヶ岳(北峰)と冷乗越の間のごく短い距離を踏み残していた。2009年に爺ヶ岳に登り(⇒ 2009/9/19~9/21 爺ヶ岳~針ノ木岳)、翌年に五竜岳から鹿島槍ヶ岳、冷池山荘まで来たにも関わらず赤岩尾根を下ってしまった(⇒ 2010/7/17~7/19 五竜岳~鹿島槍ヶ岳)のだ。今回はこの踏み残しを消化しよう。それだけではコスパが悪いので、五竜岳まで縦走し、歩いたことのない遠見尾根を下山に使うことにする。

テント場の配置を考えて2泊3日に収めるため、前日は信濃大町・竹のや旅館に泊。近所の居酒屋に入ったところ独りで飲んでいた町の米屋のご主人が登山もやる人で、話しながら徳利を重ねたらいささか飲みすぎた。

■7/22(月)
6:15発のバスで扇沢駅へ。バス道(大町アルペンライン)を戻り扇沢を渡った先が柏原新道入口で、登山指導員の詰め所(?)を通過したベンチで身支度して出発。7:20、晴れ。
柏原新道はよく整備されており、「石畳」(と書いた札が掛けてある)などどれだけの労力を投下したかと思わせる。ただし、標高2290mで地形図に雨裂マークのある谷はガレて通行注意。休憩するなら地形図2218付近の「石ベンチ」がよい。
柏原新道
しかし、1340mの入口から1760mのケルン近くまでほぼ等高線を突っ切る急登で、大汗をかいた。その後はある程度等高線に沿うようになり、2460mの種池山荘に10時半到着。
柏原新道を登りながら、早くも様々な花を見られた。オオバギボウシ、シロバナハナニガナ、ハクサンオミナエシ、ミヤマキンポウゲ、シモツケソウ、ハナチダケサシ、ヤマブキショウマ、ハクサンフウロ、ハクサンボウフウ等々(帰宅後、撮ってきた写真をグーグルレンズで検索。同定を誤っていたら申し訳ない)。
オオバギボウシ、シロバナハナニガナ

ハクサンオミナエシ、ミヤマキンポウゲ

シモツケソウ、ハナチダケサシ、ヤマブキショウマ

ハクサンフウロ、ハクサンボウフウ

種池山荘
種池山荘前は混雑していたので、素通りして爺ヶ岳へ向かう稜線の道に入り、ハイマツ帯の中に開けたスペースで休憩。この辺の花はウサギギク、コバイケイソウ、イワカガミ等。シャクナゲも咲いている。なによりチングルマの群落。
ウサギギク、コバイケイソウ、シャクナゲ
チングルマ、イワカガミ
爺ヶ岳まではひと登り。ゴゼンタチバナ、チシマギキョウやミヤマダイコンソウが出てきた。
ゴゼンタチバナ、チシマギキョウ、ミヤマダイコンソウ
11:20、爺ヶ岳南峰(2660m)に到着。古い三角点標石が立っているが、現在の三角点は隣の中峰にある。鹿島槍ヶ岳に至る稜線から東に雲が湧いている。空全体にも雲が増えてきた。
爺ヶ岳南峰
南峰で15分ほど過ごした後、中峰(2669.9m)に移動。種池山荘を前景に、前回(2009年)辿った針ノ木岳への稜線が望める。
爺ヶ岳中峰より、針ノ木岳への稜線
腰を上げ、いよいよ踏み残し領域へ向かう。花はヤマハハコ、イワツメクサ、エゾシオガマ、アキノキリンソウ。
ヤマハハコ、イワツメクサ
エゾシオガマ、アキノキリンソウ
北峰の傍らを通り過ぎ、赤岩尾根(大谷原方面)の下り口である冷乗越(2440m)に12:35到達。踏み残し部分に要したのは20分足らずだった。これにて今回山行の大目的は達成、日本海・親不知から、焼岳の南の白谷山まで、北アルプスを通して歩いたことになる。
冷乗越
冷乗越
あとは冷池山荘まで行って今日の行程は終わりと思ったが、山荘を前にした登りで草臥(くたび)れて太腿が攣りそうになった。
12:50、冷池山荘に到着。週末等の特定日を除いてテント泊は予約不要で、1名2000円。HPにあった宿泊者名簿を受付時に提出したら、サービスの水1Lに0.5Lを上乗せしてもらえた。
冷池山荘
受付を済ませて出ると、山荘前に「テント場 15分」の案内板。うへぇ、まだ登りかよ(2010年に泊まった時のことを忘れている)。実際のところテント場は山荘(2420m)から40mも上で、すでに行動を終えたつもりの身には辛い(あとで空身で往復した時、ザックを背負ってヘタっている人を見かけた)。テント設営してコーヒーを一杯飲んで落ち着いた。
冷池山荘テント場
山荘に戻って缶ビール(350ml、500円)を買い、展望台のベンチで飲もうと思ったところに小雨が落ちてきた。入口前の屋根の下で数分間待機して、止んだところで展望台へ。ベンチでゆったりと缶を傾ける至福。
冷池山荘展望台
水をサービス分と合わせて3L(有料分は300円)分けてもらってテントに戻ると、目の下に虹が出ていた。
テント場から見おろす虹
夜、テントの灯りに寄って来る虫には大型のカメムシ(おそらくクサギカメムシ)が多かった。

■7/23(火)
夜明け、風が強い。日の出を前にした遠い山並は雨飾山~高妻山、戸隠辺り。手前に遠見尾根の一部も見えている。
冷池山荘テント場から、夜明けの山並み
4時半に出発。足元のアカモノがさらに赤く染まる。
アカモノ
少し登ると立山にも朝日が当たった。写真左側(南)の稜線上に種池山荘が見えている。
朝日の当たる立山など
朝日の当たる立山など(山名)
布引山への登りにかかると、立ち止まった先行者が「ライチョウが2羽います」。ハイマツ際にたしかに2羽見えたが、少し遠かった。布引山(2683m)に5:20。
布引山から進むと、ツマトリソウ。イワヒバリも可愛い姿を見せてくれたが、動きが早くてカメラを構える余裕がなかった(下右写真に半分だけ写っている)。
ツマトリソウ、イワヒバリ
鹿島槍ヶ岳(南峰、2869.2m)に6:10登頂。遠く槍ヶ岳まで望める上天気。景色を眺め、写真を撮り、20分程を過ごした。
鹿島槍ヶ岳(南峰)にて
鹿島槍ヶ岳(南峰)にて
南峰の登りはストックが有効な歩きだったが、北峰へ向けては様相が変わって岩を掴む急下り。ストックが邪魔だが降下途中で収納することもできない。下の写真は、南峰から見た北峰/下りてから見上げた南峰。
鹿島槍ヶ岳 南峰から見た北峰/下りてから見上げた南峰
北峰との鞍部に向けて下りていくと、ミヤマクワガタ。
ミヤマクワガタ
北峰へは吊尾根の道標から往復する。頂上下まで行くと上にいるお姐さん方が「ブロッケン!」。下方をガスが通過するとそこに光輪に包まれた自分の影が映るのだ。その声の中を2842mの頂に上がり、行く手の八峰(はちみね)キレットから五竜岳を観察。キレット小屋も見える。
八峰キレットから五竜岳
ブロッケンは頂上に上がるタイミングで薄れかけたところを見られたが、先行者がいなくなって自分が最後に下りる時、よりクッキリと現れた。
鹿島槍ヶ岳(北峰)のブロッケン
北峰を下りて行くと、地形図の2518地点、「八峰キレット」表記の手前あたりからクサリ場が出てくる。以後、クサリ、ハシゴが連続するが、圧巻は大きな岩の裂け目か。写真は裂け目に対して/裂け目から振り返って。
八峰キレットの裂け目
難所は続く。
八峰キレット
八峰キレット小屋で一息つくと8時半。
八峰キレット小屋
しかし、キレット小屋の後も気を抜けない。
八峰キレット
9:40、口ノ沢ノコルに到着して休憩。ここまで来れば安心していいだろうと、ヘルメットやグローブを外す。
ところが・・・歩きだして少し、緩い下りで岩角に爪先を引っ掛けたのか、前のめりに転倒! 背中のザックがのしかかってきて顔面を道に擦りつける。幸か不幸か誰も通りかからないところでジタバタして立ち上がると、顔の傷から少し出血している。そこはザックを下ろすには傾斜があるので、前進して平坦な箇所へ移動。ペットボトルの水で顔を拭い、手持ちの鏡で確認すると、眉間と右頬骨の上、右眉の上を擦りむいていた。他に、左手小指の根元も皮が剥けて出血。どれも大したことはないが、眉間と右眉、小指に絆創膏を張る。サングラスのレンズにも傷が付いた。油断大敵。
気を取り直して北尾根ノ頭(2560m)を越えていくと、またハシゴ、クサリが現れ、道は険悪になっていく。2645辺りから見る五竜のラスボス感がハンパない。
ラスボス五竜
ガレ場をよじ登り、12時半、五竜岳(2814.3m)に登頂。
五竜岳へのガレ場
五竜岳
歩いてきた稜線から雲が湧く。
雲湧く稜線
またクサリ場もあるガレを下り、五竜山荘に13時半到着。荷揚げのヘリが来ていた。
五竜山荘
ここはテント1張2000円+1名あたり2000円、つまり一人のテント泊に4000円かかる。ずいぶん高いと思うが、予約の時に分かっていたことである。受付して山荘下のテント場の下の段、中ほどに設営。
テントに落ち着くとガスが上がってきて小雨になり、15時頃には雷鳴。雨が止んだタイミングでビールでもと山荘に赴くが、350ml缶が800円とこれも高い。曇って景色も見えず、切実に飲みたい訳でもないので買わなかった。小屋横のタンクから汲む水(消毒済の雨水、煮沸推奨とある)は0.5Lで200円、2L買う。

■7/24(水)
目を覚ますと4:20、外は雷雨、強風。雷は5時頃には収まったが、風雨は変わらず。今日は遠見尾根(昭文社山と高原地図のコースタイム4時間)で下山するだけなので、急ぐことはない。ゆっくり起きだし食事して雨が弱まるのを待ち、風の中でテント撤収して6:40出発。
山荘背後の白岳(2541m)で先行者がライチョウを写真に撮っていた。目の上の赤が目立つオスだ。見ているうちに飛び立って姿を隠してしまった。
ライチョウ
爺ヶ岳南峰と同様、白岳にも三角点標石があったが、現在、三角点は設定されていない。
下っていくと、滑りやすそうな岩にクサリが付いた箇所がある。ミヤマアズマギクや、雨のためか花を半分閉じてうつむき加減のハクサンフウロ。
ミヤマアズマギク、ハクサンフウロ
「西遠見」の標柱は西遠見山の下の池の傍らに立っていた。「大遠見」の標柱も細長い池の傍。ここには三角点があるが、標石は道より高いところに埋もれているのか見当たらなかった。
そこから少し進み、木段を下りて左手に白い斜面が出ている箇所(標高2030m)で、単独男性が止まっている。見ると、道脇にストック1本とメガネが置いてあり、互いに「不気味ですね」。彼によると遠見尾根で転落遭難があったらしいが、詳細は不明。ストック等の配置から遺留品とは違う気がするが、下山後に情報提供の必要があった場合に備えて現場の写真だけ撮って進んだ。
小遠見山には巻道もあるが、笹の覆いかぶさる踏み跡に入って山頂(2007m)を踏んだ。ここもまた、標石があって三角点はないパターン。周囲の山々はガスをまとっているが、それはそれで絶景だ。テレキャビン駅から小遠見山まではトレッキングコースで、ここから先は登山という位置づけらしい。
地蔵ケルン(地蔵ノ頭)を過ぎるとすぐにリフトがあるが、それに乗るとテレキャビン駅より下まで行ってしまう(⇒ 白馬五竜鉱山植物園/ゴンドラ&リフト)。コマクサも咲く植物園の中をもう少し歩き、アルプス平駅に10:15到着。
コマクサ
下山中に一時雨は止むこともあったが、道の一部は水流になっているし、ぬかるみはあるしで、靴はドロドロ、全身もじっとり濡れてしまった。

テレキャビンで麓のとおみ駅(片道1600円)に下り、エスカルプラザ内の竜神の湯で汚れを落とした。湯上りに帰りの電車を検索すると、すぐに神城駅に向かえば、松本から長野に出て新幹線に乗れる。外は本降りになっていたので、汚い雨具を再び着込んで駅まで歩き、自販機でコーラだけ買って乗車した。

■今回のルート
爺ヶ岳~五竜岳ルート

■遠見尾根遭難者のこと
帰宅後に確認すると、ニュース記事があった。
****** 長野放送ニュース(7/24 11:42)からコピペ ここから ******
また、23日午前11時頃には「滑落した人を見た」と遠見尾根の登山客から通報がありました。
県警ヘリが大遠見山の斜面で倒れた男性の遺体を収容しました。
男性は60代くらいで緑のTシャツとズボンを着用していました。
****** コピペ ここまで ******
あれはやはり遭難者のものであったか。下ってきて段でつんのめり、ストックとメガネを飛ばして斜面を転落、遺留品は救助隊か別の登山者かが道脇にどかした、という状況か。
自分も今回は何でもないところで転倒した。易しい道でも気をつけねば。

2024/7/28(日)~7/29(月) 駒止湿原と会津駒ヶ岳2024年07月28日 00:00

八ッ峰クラブの定例山行。初日は湿原を散策して民宿泊、翌日に登山というゆったり企画。
担当のT橋・Y氏の他、男女各3名の7人パーティ。自分は会津駒には残雪期に登頂済み(⇒ 2020/3/20~3/22 三岩岳~会津駒ヶ岳)だが、花の時期にのんびり登るのもよいだろうと参加することにした。

■7/28(日)
男女別のクルマ2台で、男性陣はT橋氏車。休憩を入れて4.5時間ほどのドライブで、10時半過ぎに駒止(こまど)湿原の駐車場に到着。最後はクルマが擦れ違えないような細道なのに、大型バスが駐車しているのに驚いた。
湿原ではコオニユリのオレンジ色が目立つ。他に、ムラサキのコバギボウシ、キイロのミズギク、ウスムラサキのトゲトゲしたのは開花前のヨツバヒヨドリ(?)等々。
コオニユリ、コバギボウシ
ミズギク、ヨツバヒヨドリ
低いところで数を誇っているのはサギスゲか。ワタスゲはワタになっているのが少し。咲き残りのようだがガクアジサイの白い花も多い。ニッコウキスゲは終わっていた。
お昼にはT橋氏が持参のバーナーで湯を沸かし、インスタントコーヒーをふるまってくれた。

13時過ぎに駐車場に戻り、会津駒ヶ岳登山口近くの民宿こまどりへ。良い宿だった。夕食の天ぷらに入っていたのはサンショウウオだとか(写真を撮る前に齧ってしまったが)。
サンショウウオの天ぷら
夜は一時雨。

■7/29(月)
早立ちのため朝食を弁当にし、さらに昼食も宿に用意してもらった。朝食分は部屋で食べる者(自分も)、登山口まで持っていく者それぞれ。クルマで登山口バス停からさらに奥に入った駐車スペースに移動。天候は回復傾向で、青空が覗いている。
駐車スペースのすぐ先のゲートを通過し、5:50 標高1100mの階段から登山開始。
会津駒ヶ岳登山口
しばらくは傾斜が強い。傾斜が一段落した1350m辺りから、名物(?)昭和の落書きブナの木が現れる。
落書きブナの木
ゆっくりと2時間近くかけて水場のベンチに到着。水汲みの必要はないが、自分は偵察に少し下りてみたところ思ったより遠く、急坂から下が見えないので引き返した。
樹林の間では花よりもベニテングダケなどいろいろなキノコに目が行く。倒木の裂け目に列になって出ているのはツノマタタケ、ゼリーのようなのはキクラゲの類でハナビラダクリオキンか(帰宅後調べ)。ギンリョウソウも見かけた。
ベニテングダケ
ツノマタタケ
ハナビラダクリオキン
ギンリョウソウ
高度が上がって見通しがきくようになると、一段奥の山並みは女峰山~男体山、その右方の「山」の字型は日光白根山。
日光の山々
もう少し行くと、池塘の点在する湿原になる。花は期待ほどには咲いていないが、きれいなものもある。下の写真はタテヤマリンドウとイワイチョウ。
駒ノ小屋に至る草原
池塘
タテヤマリンドウ、イワイチョウ
9:50 駒ノ小屋に到着。山頂にはガスが掛かってきたが、南に遠く薄く、富士山が見える。
富士山
山頂の眺望は期待できそうにないので、ここでクラブ旗を出して集合写真を1枚。
木道・木段を上がって、10時半に会津駒ヶ岳に登頂。ここの三角点(2132.6m)は一等だ。
会津駒ヶ岳山頂
登りで先に行った人達がいると思ったのだが山頂は無人。皆、中門岳まで足を伸ばしているらしい。やはりガスのため周囲は見えないが、山頂標は笹や樹に囲まれていて、そもそもパノラマガイドのような眺望があるのだろうか。
会津駒ヶ岳パノラマガイド
ここでも集合写真を撮った後、宿の弁当で昼食。海苔と紫蘇のおむすびにおかず、デザートまで付いた御馳走だった。
山頂で30分ほど過ごして下山開始。また小屋で止まり、自分は登山バッジ(700円)を買った。
水場で、今度は汲めるところまで下りてみると、ベンチからは2分ほどだった。急坂を下から見るとお助け紐が付いている。
水場
小雨がぱらつき始める中、14:20に登山口に戻った。

16時過ぎ、テント販売の片付けに入っている道の駅たじまに立ち寄り、自分は売れ残っていたプラムとソルダムを購入。女性車とはここで解散し、男性陣は上河内SAで食事して帰宅した。

■今回のルート(会津駒ヶ岳)
会津駒ヶ岳ルート

2024/7/30(火) カメムシ孵化2024年07月30日 10:00

アサガオの葉の裏で何か昆虫の卵が孵化している。調べてみると、最近よく見かけるようになったキマダラカメムシらしい。台湾からの移入種で東京都での発見は2008年と最近のこと、成虫は体長2cmを超え日本に定着したカメムシの中では最大だとか。この辺でも在来種を押しのけて勢力拡大してきているのか。
キマダラカメムシ孵化

2024/7/31(水) 「カミノフデ 怪獣たちのいる島」2024年07月31日 11:10

「カミノフデ 怪獣たちのいる島」鑑賞@池袋HUMAXシネマズ。
映画公式サイト ⇒ https://kaminofude.com/

不勉強のため「現在の怪獣造形の礎を作ったレジェンド、村瀬継蔵」の名は知らなかったが、そのレジェンドが原作・総監督を務めるアナログ特撮愛溢れるファンタジー。
映画として傑作とは言えない(樋口真嗣がクサい演技を見せている)。が、造形物に実体を持たせ、それをミニチュア空間に置いて動かし、必要なら壊して、怪獣や魔神のいる世界を存在せしめることへのこだわり、また、その技が失われつつあることへの抵抗が、特撮映画好きの胸に響く。ビル破壊のシーンには、「巨神兵東京に現わる」(⇒ ウィキペディア)を思い出した。

映画館を出て昼食を摂った後、400ml献血(献血206回目)。

2024/7/31(水) 「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」2024年07月31日 15:40

「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」鑑賞@グランドシネマサンシャイン。
映画公式サイト ⇒ https://www.flymetothemoon.jp/

アポロの月面着陸はフェイクムービーで、撮ったのはキューブリックだ、という与太は昔からあるが、それを逆手に取ったコメディ。
いまいち国民の関心の薄いアポロ計画のテコ入れ宣伝のため、詐欺師あがりのPR屋(スカーレット・ヨハンソン)がNASAに雇われる。宣伝は成功するが、万一にも着陸失敗を世界に晒すことはできないと、月面からの中継シーンは地上で撮った映像と差し替えることに・・・
宇宙開発の記録フィルムを差し込みつつも作中の<現実>は実際とはずらしてあるので、その<現実>対<フェイク>の全体が<お話>ということになる(歴史を知らない人には、それが捉えられないかもしれないが)。ストーリーを聞けばすぐに「カプリコン・1」(ピーター・ハイアムズ監督、1977年)を思い出すが、あの深刻さは欠片もない。
恋愛模様はありきたりだが、物語構造を含めて、全般に楽しめる作品だった。

サンシャインシティの一久庵で宗玄ともりそば。週一で食べていた頃から従業員がすっかり入れ替わり、もはや顔馴染みはいない。
閉店間際の東武デパート・モンベルで雨具上着を買って帰ろうと思ったら、折からのゲリラ豪雨で東武東上線が運転見合わせ。萬家松風(⇒ 食べログ)に入って時間を潰した。
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