2026/3/28(土) 「プロジェクト・ヘイル・メアリー」 ― 2026年03月28日 08:40
「プロジェクト・ヘイル・メアリー」鑑賞@イオンシネマ熊谷。
⇒ 作品公式サイト
科学性とエンタテインメントのバランスが良く、SF映画の最良の形のひとつと言ってよい出来。
宇宙船内で一人だけ記憶喪失状態で目覚めた主人公とともに状況把握を進めて行く原作のスリリングさは抑えられたが、前のページに戻る訳にいかない映画という媒体ではこれが正解。誰にでも(とまでは言いきれないが)ついてこられて、なおかつスリリング、しかもバディものとして感動的。
「予告編でもうロッキーを見せちゃうの!?」という思いもあったが、それでまったく問題ない造りになっていた。
本作のプロデューサーも務める原作者アンディ・ウィアーは、『火星の人』(映画は「オデッセイ」)といい本作といい、映画化に恵まれたな。

入場者プレゼントのワッペン
2026/3/24(火) 「アメリと雨の物語」 ― 2026年03月24日 14:10
「アメリと雨の物語」(吹替版)鑑賞@TOHOシネマズららぽーと富士見。
⇒ 作品公式サイト
60年代末、日本に赴任中のベルギー外交官の家に生まれたアメリは、2歳半になって初めて、チョコレートの味をきっかけに自己と外界とを認識する。以後急速に話し、動き回り、他者と関わり、「死」さえも感じて世界を拡げていく。自分を「神」と思っていたアメリだが、やがて自己を相対化して「人」の仲間入りを果たす。アメリに限らず、誰でも(自分も)そうして人間になったのだろう。
お手伝いのニシオさんは空襲の記憶からすると1940年くらいの生れか。自分はアメリより数年年長だから、ニシオさんのような人が身近にいたかもと、今さらのように思う。また、生活描写で描かれる掃除機や置時計が記憶の底を刺激する。
X(旧Twitter)のTLとパッと見の絵柄だけで、なるべく予備知識を入れずに出掛けた。鑑賞後に公式サイトを読んでみると、監督のマイリス・ヴァラード、リアン=チョー・ハンは「ロング・ウェイ・ノース」「カラミティ」のレミ・シャイエと仕事をしてきた人物か。なるほど、輪郭線を排しフラットに彩色されたキャラクターが共通している。
Xも中身はほとんど読まずに流していたのだが、TLの大部分は「この世界の片隅に」片渕須直監督のリポストのようだ。片渕監督は公式サイトにコメントも寄せている。自分も大いに推す。
2026/3/16(月) 「パリに咲くエトワール」 ― 2026年03月16日 09:15
「パリに咲くエトワール」鑑賞@イオンシネマ熊谷。
⇒ 作品公式サイト
監督・谷口悟朗(「プラネテス」)、脚本・吉田玲子(「若おかみは小学生」他、お気に入り多数)とくれば押さえてこうと映画館へ。
明治末~大正の時代。自分の希望を抑圧されながらも絵を描きたいフジコと、薙刀の流派を継ぐことを期待されながらバレリーナを夢見る千鶴がパリで再会する。二人の少女は励ましあい隣人たちの協力も得て、千鶴はバレエ舞台へのチャンスを手にするが、一方フジコは行き詰っていた。第一次大戦の影がヨーロッパを覆い、二人にも帰国の圧力が強まる...
自分のやりたいこと、夢に向かって精一杯手を伸ばせ。女だ、東洋人だなんて枠に囚われるな、というメッセージは清々しい。
絵としてはジブリ映画の近藤勝也によるキャラクターデザインで安心して観ていられるが、王道に過ぎてややステレオタイプな印象も。
千鶴の母親・薙刀師範の声が榊原良子で、これはコワい。
2026/3/9(月) 「花緑青が明ける日に」 ― 2026年03月09日 12:00
「花緑青が明ける日に」鑑賞@ユナイテッド・シネマ ウニクス南古谷。
⇒ 映画公式サイト
ベルリン国際映画祭出品作ということで観ておこうと、川越までバイクを走らせた。
再開発地域に残る老舗の花火工場。そこの息子のうち長男は花火を見限って市役所に就職したが、弟は引きこもり気味に工場を守っている。二人と幼馴染の娘も東京の大学に進学した。しかし、工場の強制代執行を前に3人は再び集まり、蒸発した工場主が作りかけていた<シュハリ>の打上げを目論む。宇宙を表現するというシュハリは単なる花火ではなく、今となっては実現不可能かと思われたが・・・
懐かしい景観が失われてソーラーパネルが立ち並ぶ正しく現代的な背景に、最後に花開くシュハリが美しかった。描線が日本画的だったり、一部にストップモーションアニメが用いられたりと表現も多彩。
<シュハリ>は<守破離>だろうか。かつて工場主が思い描いたこと、そして今の3人それぞれにとって、何を意味する命名だろう。
2026/2/27(金) ポーランド暗黒SF映画その2 ― 2026年02月27日 12:50
先週(⇒ 2/21記事)に引き続いてのポーランド暗黒SF映画。4部作の残り2本を鑑賞@シアター・イメージフォーラム。
⇒ 映画公式HP
・オビ・オバ 文明の終わり(1985年、90分)
公式HPより。「世界は核戦争で荒廃、惑星は凍りつき、放射線はドームの外に踏み出す者や物をすべて殺してしまう。男はアークとしてのみ知られる謎の宇宙船からの救出を待ちながら集まった人類の最後の生き残りたちを統制する。男は群衆の間を歩き回り、士気の低下を防ぎ、売春婦を口説き、反乱を鎮圧し、時には飢えた人々に食事を与えるなど、通常の日々の仕事をこなしている。しかしドームの真の邪悪な性質が明らかになるにつれ、男は人類を救う価値があるのか自問せざるを得なくなる。世界崩壊後の厳しい現実を描く暗黒放射能SF」。
「宇宙戦争」に顕著だった全体主義体制への直接的な批判は和らぎ、代わりに閉塞感が前面に出る。ラストは「未来世紀ブラジル」(1985)風だと思うと、奇しくも同年の作品だった。
・ガガ 英雄たちに栄光あれ(1986年、84分)
公式HPより。「男は巨大宇宙ステーションの囚人で、他の囚人同様、遠く離れた惑星の探査にボランティアとして参加させられる。オーストラリア458惑星に着陸すると、男は英雄として歓迎され、セックス、酒、暴力のすべてを満喫する。しかし、男は自由には高い代償が伴うことに気づく。それは、男の暴力的な生活が惑星の住民の楽しみのために生中継されることだった。男の脱出方法はあるのか? それとも、運命は決まっているのか。地球から脱出した先に待ち受ける厳しい現実を描く暗黒新惑星SF」。
また作風が変わって、今度はディストピア不条理もの。「不思議惑星キン・ザ・ザ」(1986)を思い出したが、これまた同年だ。
映画のパンフレットを買うことは滅多にないのだが、この4部作の冊子は40ページ近くあって監督発言集や評論が充実しており、1500円也で購入。
⇒ 映画公式HP
・オビ・オバ 文明の終わり(1985年、90分)
公式HPより。「世界は核戦争で荒廃、惑星は凍りつき、放射線はドームの外に踏み出す者や物をすべて殺してしまう。男はアークとしてのみ知られる謎の宇宙船からの救出を待ちながら集まった人類の最後の生き残りたちを統制する。男は群衆の間を歩き回り、士気の低下を防ぎ、売春婦を口説き、反乱を鎮圧し、時には飢えた人々に食事を与えるなど、通常の日々の仕事をこなしている。しかしドームの真の邪悪な性質が明らかになるにつれ、男は人類を救う価値があるのか自問せざるを得なくなる。世界崩壊後の厳しい現実を描く暗黒放射能SF」。
「宇宙戦争」に顕著だった全体主義体制への直接的な批判は和らぎ、代わりに閉塞感が前面に出る。ラストは「未来世紀ブラジル」(1985)風だと思うと、奇しくも同年の作品だった。
・ガガ 英雄たちに栄光あれ(1986年、84分)
公式HPより。「男は巨大宇宙ステーションの囚人で、他の囚人同様、遠く離れた惑星の探査にボランティアとして参加させられる。オーストラリア458惑星に着陸すると、男は英雄として歓迎され、セックス、酒、暴力のすべてを満喫する。しかし、男は自由には高い代償が伴うことに気づく。それは、男の暴力的な生活が惑星の住民の楽しみのために生中継されることだった。男の脱出方法はあるのか? それとも、運命は決まっているのか。地球から脱出した先に待ち受ける厳しい現実を描く暗黒新惑星SF」。
また作風が変わって、今度はディストピア不条理もの。「不思議惑星キン・ザ・ザ」(1986)を思い出したが、これまた同年だ。
映画のパンフレットを買うことは滅多にないのだが、この4部作の冊子は40ページ近くあって監督発言集や評論が充実しており、1500円也で購入。
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