2024/11/21(木) 岩櫃山2024年11月21日 00:00

NHK「にっぽん百低山」で興味を引かれた岩櫃山に登ろう。小さな山なので、バイクで出かけて日帰りできる。無名山塾の友人で前橋市在住のK山・N氏に声をかけてみると、義弟のM下・Y氏が一緒に歩く、K山氏も空いていたら同行するとのこと。いったん11月前半に予定したのを自分の腰痛のため延期し、今回天気の回復するタイミングで実施することになった。

朝、時間を見計らって家を出ようとすると、曇りから小雨に変わっていた。雨具を着込んでバイクを乗り出したが、関越自動車道に入ると雨は止み、間もなく青空に。9時半にK山氏宅に着。K山氏、M下氏が待っていてくれて、M下氏の運転で岩櫃山の古谷登山口へ向かう。郷原駅手前の路傍に、この地で出土したハート形土偶の看板が立っていた。
ハート形土偶
10:50、駐車場(⇒ グーグルマップ)から歩き出し、まず密岩神社に立ち寄る。由緒書きによると戦国時代に岩櫃城から逃れた奥方が後に山中の洞穴で落命したのを祀った、その里宮ということだが、このロケーションを見るとそれ以前から岩櫃山自体を崇めていたのではないかと思いたくなる。
密岩神社
神社から山に向かうと、道端の畑でキウイフルーツを収穫していたおばさんが「持って行って」と両手にあふれるほどくれた。密岩登山口の手前から眺める岩峰群はいっそう絵になる。
岩櫃山
三合目、山頂まで約0.8kmの看板がある密岩通り登山口から入ると、すぐに傾斜がきつくなる。クサリも現れるが、まだ大したことはない。高度を上げると紅葉が鮮やかになってくる。
紅葉とK山氏
クサリ、ハシゴでいよいよ稜線に上がる。
クサリ、ハシゴ
七合目の天狗の架け橋は「迂回路を通行」(東吾妻町観光情報/岩櫃山)となっており、実際、あの岩の上を歩くのは危険すぎるだろう。
天狗の架け橋
天狗の架け橋を迂回
稜線から少し下りた鷹の巣岩陰遺跡は、弥生時代の再葬墓かといわれるもの。人骨と壺、甕などが出ており、他所で骨にした遺骸をこの岩穴に収めたのか? すると岩櫃山はやはり、歴史以前から礼拝の対象とされていたのかもしれない。車の中で先日のはにわ展(⇒ 11/15記事)の話などしていたのだが、群馬には縄文(土偶)から弥生、古墳時代の埴輪、さらに飛鳥、奈良時代の上野三碑(⇒ 2010/6/15 多胡碑)まで揃っている。
鷹の巣岩陰遺跡
稜線に戻って進むと、岩に穴が並んで開いている。妙義山の風穴を思い出すと、安山岩質凝灰角礫岩という地質が共通だ。登山道はこの穴を潜る。
風穴
なおもクサリ場が続き、さらに山頂はクサリ、ハシゴで攀じ登る岩塔。12:20、山頂に立った。
岩櫃山頂へ
岩櫃山登頂
先に休憩していたグループは腰を上げ、我々は昼食を摂りコーヒーを飲んで大休止。上天気で周囲360度の大展望を楽しんだ。
浅間山

岩櫃山頂から
岩櫃山頂から(山名)

岩櫃山頂から
岩櫃山頂から(山名)
岩櫃山方位指示盤
山頂で40分程過ごしてから下山開始。山頂隣の岩峰を越え、「沢通り」とある道標から岩の裂け目を抜けると、名前通りの谷地形になる。こちらにも「一本槍」「天狗の蹴上げ岩」といった奇岩、怪石あり。
「一本槍」「天狗の蹴上げ岩」
谷を抜けると十二様通り(旧赤岩通り)は通行止めで、短いが傾斜のきつい赤岩通りに入る。と、横手の急斜面でざざっと物音。落石かと見やると、カモシカが一頭駆け下りてきたのだった。すぐ後にもう一頭が続く。カモシカの繁殖、発情期が10~12月なので、メスを巡るオスどうしの闘争だろうか。二頭の息遣いまで聞こえた。
岩場を抜けた南面では再び紅葉が見事。
紅葉
潜龍院跡まで下りるとあとは細いながらも舗装路で、14時過ぎに駐車場に戻った。3時間15分、4km程度の短行程だが、期待通りに楽しい岩山だった。

伊香保温泉近くの高根展望台(⇒ グーグルマップ)に立ち寄ってからK山氏宅に帰着。
泊まって明日の農作業を手伝えと仰るのに甘えて、M下氏を交えて奥様の夕食を御馳走になり、一晩お世話になった。
翌日はほうれんそうの出荷を見よう見まねで手伝った後、野菜のお土産まで頂いて帰宅。

■今回のルート
岩櫃山ルート

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