2015/7/20(月・祝) 若御子山~矢岳/いろいろ失敗の巻 ― 2015年07月20日 00:00
2週間くらいずっと咳が取れず、この連休の山行も自粛したのだが、昨日になってほぼ治まった。坐骨神経は相変わらずだが、じっとしていれば治るというものでもないのでこちらは無視。梅雨明けしたことでもあるし、手軽に一人で出かけた。
手軽といってもただのハイキングではつまらないので、昭文社の山と高原地図「奥武蔵・秩父」から「この山域遭難事故多し 熟達者向き」と注意書きのある破線ルートをセレクト。松浦隆康『バリエーションハイキング』にも載っている。
手持ちの昭文社地図(2012年版)では若御子山にはルートがない。そのつもりで、武州中川駅から出発して大反山に上がり、矢岳まで縦走、下山は『バリハイ』に倣って矢岳山頂から979m地点を経由して西北西に伸びる尾根を辿り、あとは林道を歩いて武州日野に出る計画。
中川駅を7:45に歩き始め、千手観音堂にお参りして、そこから山に向かっていく。
■失敗その1
登山口まで行ってみると、「若御子山遊歩道案内図」が掲げてあった。若御子山、行けるのか。『バリハイ』は逆周りなのだが、持参したコピーを見ると最後に若御子を踏んでいる。遊歩道なら行きがけの駄賃に稼ぐのも悪くない・・・と計画変更したのが良くなかった。遊歩道で尾根に上がったところの道標には「国見の広場に至る」とあって若御子山の表示はない。しかし、若御子山まで遊歩道という先入観があって、何も考えずにそちらに進んだ。国見の広場の先には「浦山ダム(秩父さくら湖)」と「若御子神社」への道標。当然、神社の方へ。どんどん下っていく遊歩道の先に見えてきたのは町だった。さすがにこれはおかしいと国見の広場まで登り返し、案内図を見直すと、なんと! 若御子山は国見の広場と反対方向ではないか。結局、前の道標まで戻って周囲を見回すと、倒木で通せんぼした先の樹幹に「若みこ山」の指導標が付いていた。常々「思い込みが一番怖い」と自戒しているのだが、またやってしまった。1時間弱のロス。しかし、尾根に上がったところに「若御子峠」と現在地を表示しておいてくれればなぁ。
暑さですでに汗みずくだが、若御子山への登りも案外キツい。最初は緩やかだが、やがて傾斜が大きくなると樹を掴んだり地面に手を突いたりしないと上れない。確かにこれでは遊歩道にならんわ。斜面に見かける足跡は鹿のようだ。潰れた祠の傍らに「先祖代々霊神塔」の建つ地点を過ぎ、9:50 秩父さくら湖を展望できた730mで平坦な箇所が若御子山だろう。
以降は道(踏み跡)がしっかりして順調に進む。10:10 大反山(853.7m)。昼前、矢岳山頂を前にして降り出した。通り雨で済むことを期待したが本降りとなり、スパッツと雨具のズボンを着ける。12:30 矢岳(1357.9m)。奇数が順に並んでいるところが値打ちだ。
下りルートを示す道標はない。尾根を間違えるとエラいことになるので、地形図とコンパスで方向を定め、目印のテープを探して慎重に下り始める。少し進むと尾根が明確になり、踏み跡もハッキリして一安心。
雨に降られるのは涼しくなって助かるくらいのものだが、雷が鳴り始めた。高木から距離をとって側撃を避けるのが基本だが、今は周り中が樹木だ。しかもルートは尾根上。こうなると高度を下げるのが優先と、どんどん下りる。手も使うので地形図やコンパスはポケットにしまう。一段下りられる箇所は尾根を横に見ながら進む。雷はある程度の距離がある感じだが、時折、バリバリバリ・・・と落雷の音がして肝を冷やす。
■失敗その2
標高1150mあたりで尾根が分岐して979m地点へ向かうことは頭に入れてあり、高度計に目をやるとちょうど過ぎたところだ。尾根に戻ると足元は道に見え、目印のテープも見つかった。しかし、やがて行き詰る。最後に見たテープまで戻ってコンパスを合わせるが、どうも判らない。正しい進行方向に向かいそうな尾根もあるが、踏まれた跡はない。テープの地点までは間違っていないはずと考えてなおもルートを探る。雷は遠のいたが、雨の中、ドロドロだ。岩角で切った左手の出血にバンソウコウを貼るが、すぐに剥がれてしまう。
40分あまりも費やした後、ついにギブアップ。矢岳山頂まで200mを登り返す覚悟を決める。昭文社地図には山頂から南の赤岩ノ頭へ向かう途中で分岐して林道終点へと下りるルートが示されており、979経由よりは確実だろう。
ところが、少し登ったところで「これだ!」という尾根が見つかった。雷を避けて尾根から下りている間に行き過ぎていたらしい。気圧が下がった分、高度計は高めに出ていたのだろう。後でネット検索したところ北尾根も登れるらしく、先ほどのテープはそのルートを示していたのかもしれない。
正しい分岐を通り過ぎた時点からカウントすれば 1時間10分のロス。14:30近くになっていた。
今度は間違いようのない明瞭な尾根ルートで、地籍管理の標石や鹿柵もある。雨も上がった。しかし結構な急勾配で、それなりに気を遣う。独りで捻挫でもしたら目も当てられない。
15:10 林道手前の沢に出た。『バリハイ』には「頭上にロープの張られた所を飛び石伝いに対岸に渡る」とあるが、そんな箇所は見当たらない。仕方ないので裸足になり、念のため杖になりそうな枝を拾って流れに踏み入る。深い所で膝上くらいだが、特に危険もなく渡渉できた。
渡りきったところでシャツを脱ぎ、流れで洗濯。顔や腕も泥と汗を落としてさっぱりする。
そこから一段上がると舗装された林道。電話が通じればタクシーを呼ぼうと思ったのだが、圏外なので歩く。山中では人の気配を感じなかったが、一般車の入れる終点には1台駐車あり。雨に浮かれたか路面にヒキガエルがいた。そんなところにいて轢かれるなよ。
武州日野駅の近くには浅間神社と弟富士山があって由来が面白そうなのだが、電車の時間が迫っているので通過、16:50 切符とコーラを買ってホームへ。
しないでもいい冒険をしてしまった山行だった。
■今回のルート
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