2025/3/6(木) 「ロボット・ドリームズ」2025年03月06日 15:15

「ロボット・ドリームズ」鑑賞@グランドシネマサンシャイン池袋。
この劇場での上映終了日だったためか、平日にもかかわらず混んでいた。

スペイン・フランス合作のアニメーション映画。
マンハッタンのアパートに住む寂しい犬が友達ロボットを購入。友情を育んでいくが、ある日ロボットはビーチで動けなくなり、そのままビーチは季節閉鎖。翌年のビーチ明けでの救出を期すが、それまでロボットと犬はそれぞれ相手の夢を見る。互いを求め、また友達を想うこその別れ・・・
セリフやナレーションは一切無く描線もシンプルだが、心情がひしひしと伝わってくる。温かみのある画面と語り口ながら切なく心にしみる良作。

2025/2/10(月) 「ストップモーション」2025年02月10日 16:35

「ストップモーション」鑑賞@新宿シネマカリテ。
 ⇒ 映画公式サイト

手の利かなくなった母親のストップモーション(コマ撮り)アニメ制作を手伝う娘のエラ。巨匠と呼ばれた程の作家として最後の作品を完成させたい母は間もなく脳梗塞に倒れ、エラには作品を完成させるアイデアが無い。ほぼ無人のアパートにスタジオを移すと、そこに現れた少女は「パペットに生肉を使って」・・・ 次第に作品世界が現実に侵入し、虚実の境が曖昧になっていく。この辺、「敵」(⇒ 本日の別記事)と似たテイストだ。
母に厳しく使われ、少女のアイデアでアニメを作り、恋人の姉に作品を盗まれ、エラは精神的に追い詰められていく。母は人形に動きを付けるエラを「パペット」と呼んでいた。少女はエラの人格の一部だろう。するとエラはパペットを遣っているのか、遣われているのか。少女の出すアイデア(灰男が夜毎に女の子に迫ってくる)と追い詰められるエラとはパラレルの構図だ。少女の出現時点で狂気の兆していることが窺える。
公式サイトのイントロダクションにある通りのサイコロジカル・ホラーで神経に来る。少女役の子のトラウマにならないか心配になる程に。

2025/2/10(月) 「敵」2025年02月10日 11:15

「敵」鑑賞@池袋シネマ・ロサ。
 ⇒ 映画公式サイト

貯金が尽きる時期を予測し、そこを自らの最期と見定める半引退の仏文学者。古びた家での独居生活ながらしっかりと自炊し規則正しい生活を送っていたが、「敵」の襲来を告げるメールを端緒に、不穏な夢が現実を侵食し始める。食生活は乱れ、堅実にかわしていた詐欺に引っ掛かり(それも夢か現実か判然としないが)、押し隠していた(見ぬふりをしていた?)教え子への欲望が露わになり、ついに「敵」が間近に・・・
「敵」とは何なのか。思い通りになりはしない人生をコントロールできると考えた自意識に対する無意識層の反乱か。枯井戸を掘り下げるなどは、いかにも深層心理へのアプローチのようでもある。
あるいは、すべては残された<家>が反芻する記憶なのかもしれない。

筒井康隆の原作小説はまだ読んでいない。読後に再鑑賞しよう。

2025/1/22(水) 「機動戦士 Gundam GQuuuuuuX -Beginning-」2025年01月22日 09:40

「機動戦士 Gundam GQuuuuuuX -Beginning-」鑑賞@イオンシネマ熊谷。
タイトルの読みは「ジークアクス」。上記サイトに「TVシリーズの放送に先駆け、一部話数を劇場上映用に再構築した」とある。

速攻で観たS戸口・O氏の煽りやSNSでの評判を聞き、ファーストガンダムの1~2話を復習した上で出かけた。
うひゃぁ、こう来たか。ファーストの物語冒頭から分岐したパラレルワールドなのであろう。シリアスなシャア・パート(サンライズ風味)から一転、アマテ・パート(カラー風味)は明るい雰囲気。ファーストではもったいない使い方だった木星帰りのシャリア・ブルもはっちゃけそうな予感。<人の死なないガンダム世界>になるのか?と思わせるが、なにしろガンダムのことだから先は判らない。TVシリーズを楽しみに待とう。

2025/1/14(火) 「鹿の国」2025年01月14日 11:40

「鹿の国」鑑賞@ポレポレ東中野

諏訪大社、ミシャグジといえば、あずさ回数券の消化がてら一日訪ねて回ったのはもう10年近く前だ(⇒ 2014/11/9 諏訪大社巡り)。
狩猟のイメージの強い諏訪信仰だが、映画では狩猟と農耕との繋がりが描かれる。現在の鹿猟や田植えの映像と、「鹿の腹を裂いて流れる血に稲籾を撒くと一夜にして育った」(播磨国風土記)神話のイメージとが重なり合う。厳冬の三ヶ月間、穴倉に籠もった生き神の少年・大祝(おおほうり)の前で芸能を繰り広げ、春を迎えたという「御室(みむろ)神事」の再現も興味深い。祭文をお経に取り込もうと試みる僧侶も登場して、神仏分離以前の諏訪信仰が今なお生命を保っていることが窺える。
諏訪の地をまた巡ってみたい。
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