2022/5/8(日) 宇都宮のオオカミ狛犬探訪2022年05月08日 10:00

栃木県立博物館参観(https://marukoba.asablo.jp/blog/2022/05/08/9489104)のついでに、宇都宮のオオカミ(関連)狛犬を訪ねてみる。

まず、大網町の高龗(たかお)神社。
社殿前の狛犬は明治28年のもので、オオカミの特徴が明らか。
大網町高龗神社の狛犬
社殿の奥に祀られた祠の前にも、向かって右に一体、左に二体の小像が置かれている。こちらは和犬に見える。
大網町高龗神社の狛犬小像
高龗神社は水の神様で、オオカミを祀るとしても秩父(三峯神社など)や奥多摩(武蔵御嶽神社など)とは系統が異なりそうだが... 今回は参拝しなかったが宇都宮二荒山(ふたあらやま)神社の鉄製狛犬(https://utsunomiya-8story.jp/search_post/二荒山神社-鉄製狛犬/)も和犬で、どうもこの地域にはオオカミというよりイヌを祀る気配が濃い。これについて、古代の犬飼の一族(狼と犬をかけ合わせた猟犬を飼った)から、秩父と奥州の繋がり、水神との関係まで推論する記事(たくきよしみつ氏、https://nikko.us/14/122.html)が興味深い(奥の院の小像も、事前にこの記事を読んでいなければ見逃したかも)。

次は立伏町の同じく高龗神社。
こちらは社殿前の左右に唐獅子ふうと和犬ふうの狛犬を併せ置いている。
立伏町高龗神社
立伏町高龗神社の狛犬
社殿内の祠の左右にいくつも置かれた小像は皆和犬のようだ。
立伏町高龗神社の小像

高龗神社つながりで、上戸祭町へ。
手水鉢の彫刻は尻尾がオオカミっぽいが、和犬かもしれない。
上戸祭町高龗神社の手水鉢
社殿横に二列に居並ぶ小振りな狛犬の中にはオオカミふうもいるが、やはり和犬や唐獅子(頭頂の窪んだカッパ狛犬も)、正体不明のものが多い。台座に寛政六年(1794年)と読めるものを始め、風化・崩壊が進んでいる。
上戸祭町高龗神社の狛犬群
上戸祭町高龗神社の狛犬
上戸祭町高龗神社の狛犬

次はGoogleマップで「三峯神社」を検索して出てきた小幡の三峯神社。
「天保三年(1832年)武州三峰山(火防の神)の分身を頂き建立祭祀した」との看板があるが、供えられた<満願の秘酒>(三峯神社の売店で買えるらしい)以外にオオカミの気配なし。
小幡三峯神社の供え物

博物館参観の後、最後にGoogleストリートビューで「もしかするとオオカミか?」と思われた像の置かれた大塚町の御嶽神社へ。
前の駐車スペースで子供たちがボール遊びをしている神社は<下野ノ国御嶽神社>で、木曽御嶽本教のこの地の教会らしい。紀元二千六百七十三年設立というから2013年で、祀られた不動明王像も真新しい。<家畜之霊 魚族之霊 供養碑>があり、狛犬の位置にいるのはニワトリ。オオカミかと思われたのはトラの置物だった。ストリートビューも拡大して見ればトラと判ったのだが、まあ、オオカミ信仰と無関係なことを自分の目で確認したのでヨシ。
大塚町御嶽神社

2022/5/8(日) 栃木県立博物館「異界~あなたとふいにつながるせかい」2022年05月08日 12:00

Twitterで見かけて面白そうと思った栃木県立博物館の企画展「異界~あなたとふいにつながるせかい」へ。常光徹氏の記念講演も事前に聴講予約した。
ツーリングがてらの遠出で天気が悪ければキャンセルするところだが、幸い晴れた。とは言え朝方は風が強く、高速に乗ってからしばらくは横風によろけないよう気を遣った。

早めに出発して、宇都宮ICを下りたのは9時。博物館に向かう前に、オオカミ信仰と関係しそうな神社をいくつか訪ねた(https://marukoba.asablo.jp/blog/2022/05/08/9489071)。
道中、男体山~大真名子山~女峰山が田圃に映える様が美しい。
男体山~女峰山

適当な時間になったので博物館へ向かい、昼前に到着。レストランで腹ごしらえしてから観覧料260円を支払って入館。
思ったより展示点数が多くて見応えがあり、図録(800円は安い)も購入。
展示物のひとつ<猿の頭>は馬の守り神とのこと。
猿の頭
そういえば孫悟空は天界の厩舎の管理人たる弼馬温(ひつばおん)だったなと思って調べると、サルがウマを守るとの伝承はインドから中国に伝来し、さらに日本に及んだとか。
ウィキペディア ⇒ https://ja.wikipedia.org/wiki/孫悟空 (弼馬温についての注16)
田舎の習俗に実は世界史的な広がりがあるのだった。

常光氏の講演は「異界と民俗的想像力」。時節柄アマビエから入って、家の破風や雨だれ落ち、身体では背筋や爪が異界と接続する境界であること、異界の実相や妖怪の正体を見破るための特異な動作など。

常設展には栃木の歴史や日光の自然、鉱物、生物などあったが、時間がないのでざっと眺めたのみ。
16時過ぎに博物館を出て、鶴田駅近くの御嶽神社に立ち寄り、下道で帰ってきた。19時過ぎに帰宅。約225km走行。
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