2006/11/18(土) 第55回 桂平治独演會 ― 2006年11月18日 14:00
お江戸日本橋亭にて桂平治独演会を聴く。
K田・T(ミクシィネーム:さざんかQ)氏繋がりで師匠ご本人から案内ハガキを頂き、前売り料金の\2000。
前から2列目に座ると、間もなくK田氏もいらっしゃった。
開口一番は桂ち太郎「転失気(てんしき)」。おならと盃のどちらも「ツマミがいります」とサゲていたが、本来は「プープーが出ます」だったらしい。現代では通じにくいので工夫したのだろう。
落語ばなし/落語「転失気」の舞台を行く ⇒ https://rakugonobutai.web.fc2.com/18tennsiki/tensiki.html
三笑亭恋生は海外のトイレ事情をまくらに「二人旅(ににんたび)」。婆さんの演技が上手い。K田氏によると来年真打昇進とのこと。
次がいよいよ平治師匠「位牌屋」。
「三ぼう」ってのがあって、これをやっていれば寄席のお客に失礼にならない。それは「泥棒、つんぼう、けちん坊」とドケチの噺に入る。小僧が聞いたとおりの問答を頓珍漢な場面で繰り返すパターンだが、掠めてきた位牌を「生まれた子供のになさい」というサゲはブラックだ。大きな声で表情豊かにエネルギッシュな語り。
お仲入りがあって、林家正楽師匠の紙切り。
まず古風な相合傘、躍動感溢れる馬を切ってみせてから客の注文を受ける。「酉の市」「木枯らし」「舞子さん」などの声に応え、背景まで入れた情景を切り取る技が見事。木枯らしなんてどうするかと思ったら風の流線を入れていた。終わってからK田氏「紙切りしている師匠を頼もうかと思ったんだけど」。メタなネタ。
トリはもちろん平治師匠で「質屋庫(しちやぐら)」。
前座噺が一番難しい、文治師匠の内弟子として修行したのが財産になっている、例えば扇子の使い方と、酒を飲むしぐさをやってみせる。大盃をゴクリゴクリと飲み干す様が実に美味しそう。広げた面の隅に口をつければ扇が扇に留まらずイメージが広がるとの説明。何気なく見ていたが、なるほど洗練された芸である。以上まくら。
本編は熊さんの腕っ節自慢と化け物怖い落差の演技が可笑しい。
打ち上げに出るというK田氏と別れて淡路町まで歩く。これまで通りかかるたびに行列が出来ていて見送った「神田まつや」が開いていたので、夕食には早いが暖簾をくぐった。5時前なのにほぼ満席。蕎麦はパラっとした感じでコシがあり、つるつると入る。酒と盛り蕎麦で\1150。さすがに評判の老舗、リーズナブルで美味し。
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