2006/11/12(日) 化け物の文化史 ― 2006年11月12日 00:00
今日は午後から休日出勤なのだが、その前に上野の国立科学博物館へ。目当ては先日のアニドウ(⇒ 11/5 アニドウ上映会)の時に唐沢俊一氏、K元・T氏が話しておられた「化け物の文化史」。最終日だが開館直後に入ったおかげで空いていた。
主催は科博と「生き物文化史学会」。副題の「化け物に注がれた科学の目」にも表されているように、テーマは科学的なものの見方の拡張過程、化け物に対する人々の関心の在り方ということだ。
第一会場は「日本に生息した化け物たち」と題して、遠野の清六天狗の遺物、天狗、人魚のミイラ、カッパの手などを実物展示。信仰から本草学による記述、江戸時代の展開(ポケモンのようなという説明書き)、蘭癖大名の収集品と展示を展開する。化け物そのものより文献とか絵図、薬の原料など周辺資料が多い。テーマからすれば納得できるが、ちょっと寂しい。もっと化け物を!
その中の「和漢三才図会」の表紙に張られたラベルに「甫水井上圓了蔵書」とある。明治の妖怪博士だ。所蔵は東洋大学付属図書館。
ほぉ、と思ったら、第二会場「化け物の進化」に圓了、柳田國男、南方熊楠、白井光太郎、寺田寅彦の「化け物」に関連する事績の紹介。圓了は東洋大学の創設者で、甫水と号したのか。
ここには岡野玲子『陰陽師』の原画まで展示してあった。うーん、やっぱりちょっと寂しいなぁ。
ミュージアムショップで図録が\500。
同時に開催されていた「南方熊楠展」を覗く。変形菌が一杯。偉人・異人である。
最近のコメント