2006/4/8(土)~4/9(日) 谷川岳サバイバル&雪上訓練2006年04月08日 00:00

無名山塾の講習にて、2日連続で残雪期のサバイバルと雪上訓練。

■4/8(土)
土合駅に集合。本科生(無名山塾で登山技術を学ぶ)8名に対してCU(Communication Up、自身の訓練とサポート役を兼ねる)が12名、講師1名と岩崎主催を合わせて22名の大所帯。
簡単な自己紹介の後、10:30過ぎに出発、1時間ほど歩いて一ノ倉沢出会付近へ。

大人数なので、埋没体験とビーコン捜索の2班に分かれる。自分はまず埋没体験。雪崩に遭った場合の心構えと捜索の練習だ。雪に穴を掘って一人ずつ埋められる。雪がこんなに重いとは。何十センチも埋まる訳ではないのに胸がつかえて十分に息を吸えない。頭の周囲に空間を取ってあるからいいが、実際に雪崩に埋まったら窒息するのもよく分かる。穴の外ではスカッフ&コール。雪を掻いて(スカッフ)「おーい」と呼ぶ(コール)。埋まっていても外の音はよく聞こえるのだが、中で声を上げても外にはそれほど聞こえない。それを雪面に耳を寄せて聞き取る訓練。ある程度場所を絞った(と想定した)らゾンデ棒を使ってみる。埋まっているとつつかれる感触。
真面目な訓練をこう言っては何だが、結構楽しい。しかし、閉所恐怖で埋められた途端にダメな人もいる。
他に、掘り出した埋没者をツェルトとスリングの担架で搬送したり、雪の柱を作って滑り面を見つける弱層テストなど。

ビーコン班は基本的な説明を受けた後でさらに2班に分かれ、一方が埋めたビーコンをもう一方が探す。雪崩に埋まった場合、15分以内に救出しないと生存率が急激に低くなる、そのうち捜索に使えるのは5分と言うが、探してみるとなかなか見つからない。この辺が反応が強いと思っても、その先がはっきりしない。結局ギブアップとなったが、ずいぶん深く埋めてあったのだった。浅ければ方向を簡単に絞り込めるのだが、深くなると難しいものだ。もちろん実際の雪崩では深く埋まってしまうことも多いだろう。雪崩は怖い。
次はビーコンを隠す側。M講師の発案で、ゾンデ棒で探せるようザックカバーを雪で膨らませた中にビーコンを入れて埋める。捜索班は場所を絞ってゾンデでつつくが探し当てられず、やはり時間切れとなった。それを掘り出してみたらザックカバー穴だらけ。持ち主を含めて笑ってしまう。「お前が提供したのは金のザックカバーか銀のザックカバーか、それともこの普通のザックカバーか」。訓練内容は真面目だけれど、やっぱり楽しいんだよね。

曇り空で時々雪が降り出すかと思えば薄日が差したりもするなか、14:30まで訓練。帰り道、湯檜曽川の対岸では泥混じりの雪崩が起きていた。
土合駅で各自反省の一言と岩崎主催のお話。「講習ばかりでなく、自分で登って登山力をつけましょう」。
これで一応解散だが、明日の訓練に引き続き参加する人はステーションビバーグ(岩崎主催は遠足倶楽部のほうで土合山の家泊)。すると当然、自家用車組が水上まで買い出しに行って車座で宴会となる。持ち込みの酒も出回ってそれなりの量があったと思うが、陽気になっても乱れることがないのは山ヤの矜持か山塾の体質か。

■4/9(日)
4時起床、5:30出発。本日は講習生7名は岩崎主催担当で基礎訓練、その他の研究生らは別の研修メニュー。ただ、CUから2名が講習班に付いてくれた。
昨日と同じルートを辿る途中、ブロック雪崩で道が埋まっていた。岩崎主催「こんなのに当たったらイチコロです」。
昨日より手前に適当な斜面を見つけて歩行訓練から。雪上訓練には何回か出ているが、斜面での方向転換時にピッケルで確保するとか忘れていた。次に斜面を踏み固めて滑落停止の練習。アイゼンなし、アイゼン装着、ザックを担いでと、ずいぶん回数を滑ったが、なかなか思うような形にならない。主催からは「元気がよすぎるから」と言われた。正しい尻セードまで教えてくれたが、主催曰く「楽しむためではありません」。でも手本に滑って見せるのはやっぱり楽しそう。
登山道のすぐ上で訓練しているので、スキーやスノーシューで結構人が通る。犬を連れて過ぎた人は間もなく戻ってきた。散歩かいな。

みっちりやった印象だが、12時前に土合に戻る。列車で水上へ出ていつもの蕎麦・くぼ田へ。やがて研修班も合流してお疲れさま。
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