2025/2/23(日)~2/24(月) 鼻曲山、浅間隠山2025年02月23日 00:00

この三連休はT中・H氏とスノーシューでのタカマタギ~平標山を計画していたのだが、大雪予報のためキャンセル。代わりに単独で行ける処を探した。できればスノーシューを使いたかったが好天を条件にすると適地が見つからず、今回は歩き主体で軽井沢方面へ。碓氷峠から鼻曲山へ、足を伸ばして浅間隠山まで行こう。浅間隠山から北の浅間隠温泉郷に抜けられれば良いのだが、そこからのバスは運休。長時間行動になるが、碓氷峠近くまで戻って旧中山道を横川駅まで歩くのも風情があるか・・・ 鼻曲山は1年前に死去したO倉・K氏(⇒ 2024/2/24記事)と1997年に登って以来の再訪になる。

■2/23(日)
横川駅からバスに乗り換え、軽井沢に8:40着。碓氷峠(標高956m)へ移動して身支度し、9:18に出発。昭文社山と高原地図にルート表記は無いが、県境に沿って道が付いている。
碓氷峠
雪は所々に消え残っている程度。今日のテント予定地に十分な雪があるか不明のため2Lほど余分に担いできた水が重い。別荘らしき建物を過ぎると静かだが、見晴台(1210m)まで行くと観光客がいた。
旧碓氷峠の熊野皇大(くまのこうたい)神社(長野側)/熊野神社(群馬側)は日本武尊が弟橘姫(おとたちばなひめ)を偲んで「吾嬬者耶(あづまはや)」と嘆いた地。室町時代中期の作と伝えられる「峠のこまいぬ」がユニークな造形だ。他にも古い鐘や多重塔などあり、参拝、見学して11時。
峠のこまいぬ
未舗装路を少し行き、思婦石(おもふいし、国学者の和歌を刻んだ1857年建立の石碑)から登山道に入る。
足元に雪が出てきて、一ノ字山(1336m)を越えたコルでスパッツ装着。12時半で気温は-4℃だが、アップダウンしながら北上するルートの南側斜面は斑(まだら)雪、北側斜面はある程度積もっている程度。いずれにせよアイゼンの出番はなく、ザックにワカンやスコップを付けているのが場違いだ。擦れ違う人もないが、雪の上に2~3日前らしき足跡が残っている。
一ノ字山
留夫山(とめぶやま、1590.8m)に13:10。ここは一等三角点なのだが、標石は雪に隠れていたのか見落とした。
留夫山
先行者は留夫山から引き返したらしく、ここから雪面は真っ新(まっさら)。鼻曲山の指導標を見て進むと・・・おや、ルートを外したか。右手に下がっている尾根に繋げば良いとトラバース気味に少し下るが、この辺は北側斜面で雪が深く、気温は-12℃。あまり潜らないところを探して作業道らしき平坦面に出て、ルートに復帰した。登山道は雪が薄く、歩きやすい。
1590mピークには指導標があったが、樹に巻いたテープに誘われて左(西)に進むと行き止まり。素直に直進すれば良い。金山(1602mピーク)にかけて南側斜面は明るい冬枯れ木立の笹原だが、北側は雪が深い。鼻曲峠の前後も、霧積温泉へ向かう道を含めて踏跡は無かった。
鼻曲峠
抉れた笹道から急登となり、重いザックに息を切らして鼻曲山の山頂部へ。東端の絶壁から景色を眺め、山頂標の傍らで一服した(15:10)。
鼻曲山
鼻曲山からの眺望
最高点(1655m)は細長い山頂の西寄りのようで、こちらに標石(廃止された三角点?)があった。浅間山が雄大な噴煙を上げているのだが、木間越しなのが惜しい。
山頂下の分岐を右(北)の二度上峠方面へ。こちら側はすっかり踏跡が付いている。鼻曲山北面の急斜面を下るとなだらかになるが、氷妻山(ひづまさん)手前の急坂にいい加減草臥(くたび)れ、氷妻山(1467.5m)には16:20登頂。計画のうちとはいえ、日が傾いてきた。
氷妻山
疲れた上に日没も迫る中、獅子岩(1445mピーク)手前で岩場が現れた。一つを乗り越え、また一つ・・・と頑張るとそこから下りる道が無い。二つ目は左に巻くのが正解だった。獅子岩は標柱を過ぎてから木の根を掴むようにして上がる。山と高原地図に「眺望が素晴らしい」とあるが、特に見どころは無かった(別の展望地があるのかも)。それより先で、夕日を背景にした浅間山が見られた。
夕暮れの浅間山
二度上峠に17:10到着。計画段階では峠の向こうの駒髪山を越えた鞍部での泊を考えていたのだが、疲れたので今日はここまでとする。少し戻り、トラロープで塞がれた作業道の前、落葉の積もった箇所にテントを張った。多少斜めだが独りで寝るには支障ない。水の不足分は、やや汚れの目立つ吹き溜まりの雪で賄った。
二度上峠でテント泊

■2/24(月・祝)
畳んだテントと宿泊具をその場にデポして、5時半前にヘッドランプで出発。15分ほど車道を下って浅間隠山の登山口へ(下の写真は下山時)。
浅間隠山の登山口
概ね歩きやすい登山道で、雪があっても良く踏まれていた。「山肌の保護のためジグザグ道を」と看板があるので、なるべくそのように歩く。うっかりすると滑りそうな斜面もあったが、短区間なのでアイゼンを出すまでもない。7:10、浅間隠山(1756.8m)に登頂。独りで大展望を楽しんだ。
浅間隠山
浅間隠山からの眺望
浅間隠山からの眺望
浅間隠山 方位指示盤
下りで擦れ違った単独男性、夫婦連れ等は登山口付近の駐車スペースに停めてきたのだろう。8:16、登山口に戻った。
二度上峠へと車道を歩きながら考える。計画通り、来たルートを思婦石まで戻り、横川駅へ出るか? 昨日のアップダウンを繰り返すのはウンザリだし、疲れが残っていることも自覚して、今回はこの道をはまゆう山荘へ下りることに決めた。
二度上峠に戻り、最後に駒髪山(1483m)を往復。岩がニュキニョキと生えた山頂に祀られた祠には「紀元二千五百七十一年」(明治44年、1911年)とあった。
駒髪山
ザックに荷物を詰め直し、9:20に下山開始。9km程もある長い舗装路歩きの途中で曇り、一時は小雪となった。足にマメを作りそうになりながら、はまゆう山荘に11時過ぎ到着。
入浴(570円)し、フロントにタクシー会社の電話を教えてもらった。安中榛名駅まで10,400円は予想より高かったが、重量を背負って一日歩くよりマシと思うことにしよう。駅の食事処で峠の釜めし(1400円、本日最後のひとつだった)を食し、新幹線に乗った。

帰宅翌日、一周忌となるO倉・K氏の墓に参り、はまゆう山荘で買ってきた軽井沢の菓子を供えた。

■今回のルート
鼻曲山、浅間隠山ルート

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