2020/10/23(金)~10/24(土) 芋掘ドッケン(白井差峠~猪狩山)2020年10月23日 00:00

涼しくなったところで、両神山登山口のひとつである白井差(しろいさす)峠から芋掘ドッケン経由で秩父御岳山(おんたけさん)を繋ぎ、余裕があれば猪狩山(いかりさん)まで足を伸ばそう。ネット記事を見ると10時間以上を要するので、一番列車を使っても日帰りはほぼ無理。当日の天気が午後から回復傾向ということもあって、遅めの出発で山中泊することにした。

■10/23(金)
ソロテントにスリーシーズンのシュラフ、ルート中に水場はないので5リットルをザックに詰め、雨の中、家を出る。自動的に持ち物に傘も追加。
三峰口駅からバスで、中双里に13:47着。諏訪神社に山行の無事を祈ってから橋を渡ると「両神山登山口(中双里コース)」の案内がある。それに従って川沿いに進むと道脇の塩ビパイプから水が出ているが、飲料になるかは保証の限りでない。この水場の手前から民家の間の狭い階段道に入っていくと石垣に道案内が付いていた。
登山道への入口
並んだ祠を過ぎると山道の入口で「大雨の時や冬期間(12月中旬~4月上旬)は危険ですので通行を禁止します。大滝村」の掲示がある。ここまで傘を差してきたがほぼ止んだのでスパッツだけ着け、14:10 出発。
バス停が標高623mで白井差峠まで約800mの登り。等高線が密でなかなかにしんどい。15時、ちょっと傾斜の緩んだところで休憩。日も射してきたが薄いガスに木からの雨だれ、15℃。そこから腰を上げるとすぐに川後岩(かわごいわ)だった。ガスの粒子が大きくカメラのストロボが発光すると乱反射して写真が白くなる。植林の杉から松桧類に移り変わり、15:50 白井差峠に到着。「両神山4.9km」の指導標傍らのベンチで10分ほど休憩を取った。2004年10月に両神山に登った時、山頂からミヨシ岩まで足を伸ばしている。いつかこちらから登って繋いでやろう。
芋掘ドッケン方向を差す道標は当然ながら無いが、ドッケンまで極端なアップダウンは無く一番高いところを行くだけで迷うこともないはずだ。杉の樹皮が剥がれているのは熊の仕業かもしれないが、足元は落ち葉で柔らかく歩きやすい・・・と思いながら1441小ピークを過ぎると岩場が現れた。相変わらずストロボでは風景が写らないので、よそ様のブログながら景色はこんな感じ。 → http://yamatabi-diary.com/repo-201505kanrinin2.html(今回は曇り空でこんなに明るくはない) 岩に足をかけて上方を見やり、おとなしく左から巻くことにする。次の岩も右から巻いて進むと、そろそろ薄暗くなってきた。17時、1424に上がる前のコルが落ち葉の敷き詰めらた平坦地なので、本日はここまでとしてテントを設営。ドッケンまで届くかと思ったのだが、ほぼ予定通りということにしておこう。
テントに入ると、降雨は無いが木からの雨だれの音。クマ避けを兼ねてラジオを聴きながら早茹でマカロニにスパゲティソースを絡めて食事。19時頃に外を覗くとガスは晴れており、雲間から月が見えた。

■10/24(土)
3:30起床時には少し風、星空。朝食を摂ってテント撤収すると5時。気温3℃、風は変わらず、手先が冷える。眼下の街の灯の下にも起き出した人たちがいるだろう。
30分で芋掘ドッケン(1464.2m)に到着、薄暗い中で三角点と「SH浦和」と入った山名標を確認。テント2張り程度の広さはある。
ここから進路は左に折れて東へ向かうのだが、暗い中で目に入った右の尾根に進んでしまうという痛恨のミス。足元に境界を示す標石もあるしOK、と確認したつもりになっている(正しいルートは秩父市と小鹿野町の境界だが、これまでのルート上でも標石からは読み取れなかった)。で、そこから右に出ている尾根がいかにも境界らしく歩きやすいので入ってみるがどうも違う。並行して見えるあちらの尾根か?と探ってみても行き止まり。標石を確認したところまでは正しいという思い込みを払拭できず、結局1時間もロスしてしまった(この記事の最後に載せてあるGPS軌跡はロス部分をカットしてある。下の写真はドッケンに戻った時のもの)。
芋掘ドッケン
すっかり明るくなったドッケンに戻って一休みし、落ち着いてコンパスを合わせて6時半に再始動。ゆったりした斜面に「農工大」の標石が現れる。これは上に引用させてもらった記録にもあり、今度は間違いなくルートに乗っている。
1331小ピーク手前のコルに向かって下りていると、前方を小柄な影が横切った。サルか?と思った直後、右手少し距離を置いて獣の唸り声が「ガゥ」。姿は見えなかったが熊だろう。ビビッて熊鈴を鳴らしまくってコルまで下りた。
1331に向かって、これまで落ち葉の地面だったところに苔むした岩が現れ、岩に引っ掛かった鹿避けネット(?)の残骸に行き会う。
鹿避けネット残骸
ホオの大きな葉が散り敷いた落ち着いた尾根を行くと、また少し岩があり、1333.6mの三角点に7:20。ここは昭文社山と高原地図によれば「滝ノ沢」、上の引用記事等によれば「倉明山」なのだが、山名標には気づかなかった。山頂は市町村境界の縦走ルートからは外れているので、少し戻ってコンパスを振り、東へ向かう尾根へ進む。地形図では1156地点で南は国道140号、北は県道367号に至る道が交差しているのだが、おそらく廃れた峠道なのだろう、特に道らしい様子は見えない。その先にまた熊剥ぎと思われる木があった。
熊マーキング?
1188.3三角点を前にして地形図の岩マークとなる箇所。岩に足を掛けて行く手を見上げるが、どうも行ける気がしない。
岩場
下方を観察すると、右から巻いて三角点手前で稜線に戻れるのではないか。岩場から慎重に下りて(こんなところで転げ落ちて捻挫でもしたら、通りかかる人も期待できず、万事休すだ)岩稜をひとつやり過ごす。足元には人の通ったように思える箇所もある。上部から落ちた砕石でザレた斜面を上がってみるが、稜線に戻るのは難しく撤退。もう少し進んで再トライするが、ここも上部に手掛かりが少なく、無理に上がって行き詰まったら戻れないと判断してまた下りる。短い距離だがまだ岩が濡れて滑りやすい感もあり、下りには補助ロープが欲しいと思った。三度目の正直で稜線に戻ると岩場は過ぎており、9:45に1188.3着。岩稜を巻くことにしてから40分ほど掛かったが、上の引用記事によると素直に岩稜上を辿れば景色もよかったらしい。また行くことがあったら補助ロープを用意した上で直登しよう。1188.3三角点の傍らの木には「四季萩」と刻んだ古い板が付いていた(地図では「四期萩」、三角点名も同じ)。茂萩山(しげはぎやま)とも呼ぶらしく、山名板を設置したとの記事(http://yass.m78.com/climb/climbing/imohori/imohori.html)もあるが、その標識は見当たらない。倉明山にも無かったし、新しい標識は撤去したのか。
四季萩
ともかくこれで難所は終わったはず。四季萩の先や1082の次の小ピークなど方向の変わる箇所で違う尾根に引き込まれないよう注意して(そういった場所には木の幹に赤テープ2本巻がこの辺の流儀らしい)進むと、1026の手前で林道が尾根を断ち切っていた。
少し展望が開ける
林道と交差
地形図では林道はここまで達していないのだが、尾根の切口に設けられた手すりの朽ち具合を見ると10年以上は経っていそうだ。林道向い側の傾いだ道標には「御岳山/落合へ至る」とあり、目標地点が近付いたことに意を強くして再び尾根に這い上がる。山頂直下のクサリの急斜面を息を切らせて上がり、11:35 秩父御岳山(1080.4m)に登頂。ここは2012年1月(http://marukoba.asablo.jp/blog/2012/01/02/9326645)以来だ。休憩していた女性二人と男性(同一パーティ?)が昨日バスを下りてから初めて会った人間。
秩父御岳山
秩父御岳山より
まだ昼前となれば、猪狩山まで行かない訳にはいかない。タツミチから道標に従って北に折れると間もなく林道と交差。横断して尾根を進む。途中に立っている道標の文字の記してある横木が削られているのは何者の仕業か。
痛んだ道標
12:50に鞍掛山(822m)を通過。その先にまた道標があるのだが、その示す先の斜面は倒木で荒れており、踏み跡も判然としない。それより左手の尾根の方がいかにも道らしく見える。が行ってみると人の通った痕跡はなく、方向もずれるばかり。荒れた斜面を無理やり下りてみると、道が見つかった。13:15 祠の二つ並んだ猪狩山に到着。
あとは下りるばかりだが、ところどころロープも付いた急降下の山道を20分で林道に出ると、そこから先が不明瞭になった。林道の反対側に赤テープが付いているのは登山道なのか? 林業用の道を下りて行き詰まったら登り返すのはやっかいなのでおとなしく林道を歩くことにしたが、ずいぶん大回りになった(あらためて昭文社地図を見ると、林道を横切るとある。やはり赤テープから入れば猪狩神社へのショートカットだったらしい)。14時に古池に下山。
以前に猪狩神社を訪ねた時(http://marukoba.asablo.jp/blog/2012/05/12/9326959)に食べた蕎麦屋は残念ながら本日終了。しかし、せっかくなのでまた神社のオオカミ狛犬を拝んでいくことにする。昭和8年とそれほど古いものではないが、実に良い顔をしているのだ。
猪狩神社のオオカミ狛犬
バスまで間があるので歩くことにして、14:35 三峰口駅着。駅前の松葉亭に入り、電車まで間がないので瓶ビールだけ頼み、お通しで飲んだ。店の作りは新しいが昔からやっている、隣の福島屋の方が古そうに見えるが経営者は入れ替わっているのだという。もう一軒のホルモンそりまちも昔からのお店だそう。次の機会に寄ってみよう。

■今回のルート
芋掘ドッケン_ルート_1
         ↑中双里~テント泊地
芋掘ドッケン_ルート_2
         ↑テント泊地~秩父御岳山
芋掘ドッケン_ルート_3
         ↑秩父御岳山~三峰口駅
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