2016/3/20(日) 高ワラビ尾根~小持山~大持山~西尾根2016年03月20日 00:00

何故、最近はハイキングレベルの山しか行っていないのか、理由を書いていなかった。
五十肩なのだ。
いつから痛み出したかはっきりしないが、8月の中央アルプスでは何ともなかった。9月に奥多摩を歩いた時には岩場で少し痛かった気がする。11月の奥多摩では完全に自覚していた。現在は左右とも痛みがあり、特に左肩が悪い。普通の姿勢でいれば何ともないが、腕を後ろに回すのがつらく、ザックを背負ったりスーツを脱いだりする度に顔をしかめている。さらに、急に腕を突っ張ったりすると痛みが走って力が抜けてしまうので、本格的な山には危なくて行けない。今シーズンの雪山は完全休業だ。

・・・という訳で、今回は坂井勝生『秩父藪尾根単独行』からセレクトして、浦山口から高ワラビ尾根経由で小持山に上がり、大持山から西尾根を下りるルート。思ったより易しくて、5時間ほどで済んでしまった。

今日は天気の良いところを杉の植林に踏み込むという、花粉症の人間としては天をも畏れぬ所業に出るので、出発前に鼻炎薬を飲んでおく。
電車を乗り継いで秩父線の浦山口に7時半。目的の尾根に取り付くには橋立鍾乳洞の方に行けばいいのだろうと歩き出したが、尾根は川を隔てた向こう側で、そちらに行く県道73号線は頭上を立体交差しているのだった。とりあえずそのまま進んで、鍾乳洞付近のINGRESSポータルをゲット。少し戻って県道に上がり、橋立橋で川を渡る。左手を見ながら行くと間もなく擁壁に切れ目(階段)があり、赤テープが付いている。ここから入ればいいようだ。8:10、標高300m。

いきなり杉植林の急登で100m上がる。何となく踏み跡はあるが、半分は鹿っぽい。ところどころ赤テープが付いているので、それなりに歩く人はいるのだろう。足下は杉の葉だらけ、まだ青いものに花がついているのを見ると目が痒くなる気がする。自然林が現れるとホッとする。
8:55、705.5m三角点のある城山。樹木に囲まれて展望なし。幹に括り付けられた山名版に「高ワラビ尾根/城山」とある。エアリア(昭文社の山と高原地図)では小持山から西に出る破線ルート部分に高ワラビ尾根と表されているが、浦山口から一本の尾根ということか。尾根の名前の付け方としては、不自然な気もする。
ルートがほんの少し下って再び登りにかかる前に、秩父さくら湖を見下ろせた。しかし、眺めに気を取られるのは危険。足下は絶壁で下腹がムズムズする。
秩父さくら湖
785m地点を過ぎると木間越しに武甲山から小持山の稜線が見え、鞍部を越えて高度を上げていくと武甲山全体を拝めるようになる。風格のある名山だが、石灰岩を運び下す道が肩から下に付いているのが痛々しい。山の裏側はすっかり切り崩されているのだなぁ。
1040mで尾根はT字の横棒に突き当たる形になり、樹幹に「伊勢岩ノ頭」と表示板が付いていた。左(東)へ進み、そのまま1055mの小ピークを越える(手持ちのエアリアでは伊勢岩ノ頭に1055とあり、地理院地形図とずれている)。
次が岩場の急登。ここが今回最大の難所だったが、踏むべきルートは見えており、迷うことはなかった。『秩父藪尾根単独行』には「左から巻き気味に登る」とある。岩が終わってから斜面にトラロープが1本下がっていたのは、下りで使いたい人がいるのかもしれない。
岩場
そこを上がって平らになると<小持山を経て武甲山へ><武士平を経て浦山口へ」の道標があり、ここからエアリアに「高ワラビ尾根/タワ尾根」とある破線ルートだ。破線と言ってもどうということはなく、多少のアップダウンで高度を上げていく。いよいよ小持山へ登りにかかる手前で右手の展望が開け、蕎麦粒山~酉谷山辺りが霞気味ながらよく見えた。
山頂直下の道には雪が解け残っていた。武甲山への分岐を経て、11:10 小持山登頂。地形図では1273mだが、山頂標識には1269mとある。単独者が休んでおり、2~3名パーティは大持山へと出発したところのようだ。こちらも休憩。
子持山より

大持山へ向けて下りる箇所はちょっとした岩場。ずっこけて肩に負担を掛けたりしないよう、慎重に通過。すれ違う人がちらほらといる。中間の小ピークで眺望を楽しんでいるパーティを追い越し、11:45に大持山(1294.1m)。
ここからまた道のない西尾根を下る。尾根は明瞭だが、念のためにコンパスを合わせた。細木に赤白のテープが付いており、このルートも歩かれていると判る。実際、踏み込んでみると明るくて気分のいい尾根で、分岐さえ押さえておけばまったく問題ない。1150mで南西へ、1142ピークは直進。970m辺りにアンテナの残骸があり、少し下った切り株に「NHK テレビ共聴」の札が刺さっていた。地デジ化で打ち捨てられたのだろう。
アンテナ残骸
920mで南へ、793ピーク(焼山)を過ぎて送電線鉄塔、700mでもう一つ鉄塔。ここからは明瞭な山道を辿り、12:50、民家の裏に出た。舗装路を左に行くと仙元尾根の登山口、右に行くと渓流荘バス停だった。

しかし、次のバスは1時間後。そんなに待っていられるかと歩き出したところに地元の人が「もう下りてきたの?」と声をかけてきた。何でも有間山近くにフクジュソウのお花畑があり、それを見て来たにしてはずいぶん早いと思ったとのこと。エアリアの上でこの辺と指してくれたが、道はないと言うか公開していないそうだ。別れて歩き出すと道路脇に「国道140号まで8.2km」とか案内があり、結局、大神楽沢橋でバスを待つことにした。
秩父市営でマイクロバスが運行しているのだろうと思っていたら、来たのはワンボックスカー。既に3人乗っており、フクジュソウがどうとか話していたから、有間山に行ってきたのかもしれない。西武秩父まで乗って300円とは安い。仲見世で買った武甲正宗の純米酒(四合)1080円も安かった。

夜中に鼻が詰まり苦しくて目が覚めた、というのが今回のオチ。

■今回のルート
小持山・大持山ルート
Google
wwwを検索 このブログを検索