2012/8/11(土)~8/12(日) 妙高山~火打山 ― 2012年08月11日 00:00
無名山塾の自主山行。
お盆はカレンダ通りで仲間とスケジュールが合わず、週末2日間で縦走可能なある程度高い山を探したところ、6月の高妻山(https://marukoba.asablo.jp/blog/2012/06/23/9517577)から眺めた妙高~火打が見つかった。という訳で、先日購入した靴とテントの慣らしを兼ね、単独で百名山のピークハント。しかし本当に百名山を踏むだけでは面白くないので、火打からさらに焼山~金山と縦走した。
天気は大荒れの予報だったが、土曜は小雨程度、日曜は上天気で、ある意味拍子抜け。
■8/10(金)
長野駅前のホテル泊。24時以降チェックインの格安プランのため駅の待合室で時間を潰していると、某宗教団体(本山と学会とで争っているところの本山の方)が機関紙(というのか?)をくれた。どうも震災も原発事故も隣国の領土侵犯もすべて、日本人をして正しい仏教に帰依させるために宗祖が為していることらしい。畏れ多いことである。
■8/11(土)
始発列車で関山へ、そこから燕(つばめ)温泉行のバス。乗客は他に地元の小母さん二人だけだった。
燕温泉から8時に歩き始め。曇り。北地獄谷を行く予定だったがバス停近くの案内図に大雑把な線で通行止と記されたのがこのルートらしいので、麻平経由に変更。バス停下の駐車場にいたパーティが先行する以外に登山者の姿はない。
樹林の中の登りは蒸し暑く、水を被ったように汗をかく。血ノ池を過ぎてトラバースになると少しはマシだ。硫黄を含んでいるのか白く濁った沢を渡ると北地獄谷登山道と合流する湯道分岐。ここから暫し沢沿いの道で、上方には雪渓も見えた。沢を離れると胸突き八丁(標高1800m)。五合目で八丁というのもおかしな気がするが。10:10 天狗堂(祠のみでお堂はない)で休憩。この辺りから人が増えてきた。大きな水溜りといった感じの光善寺池を過ぎると風穴がある。休憩中のパーティがいたためゆっくりしなかったが、二つの穴から冷気が吹いてきて心地よい。標高2260mのクサリ場は見上げる岩にクサリとロープが付いている。パーティメンバを待っている夫婦(旦那が赤ちゃんを背負っている)と言葉を交わしてから取り付くが、岩にステップが切ってあるのでクサリはほとんど要らないくらい。上りきるとちょうど夫婦が下に見える位置で、オーイと呼ぶとこちらを見上げて写真を撮っていた。
溶岩の間を縫うように上がり、11:15 妙高大神(だいじん、とプレートにフリガナがしてある。2454m)。三角点はこの先だがこちらの方が高く、人も少なくて静かなので、ここで休憩。パンを齧っているとポツリときて、カミナリらしい音がひとつ聞こえた。
三角点(2445.9m)には11時半。雲のため眺望は間近の外輪山のみ。写真だけ撮って下りにかかる。山頂すぐ下に窟があり、祠が祀られていた。
下りはまた樹林で一部はササのトンネルになっている。おかげで雨が降っても雫が落ちてこない。その雨も黒沢池ヒュッテ(13:10)までに止んだ。これから到着するパーティもあるだろうが、テントもヒュッテ泊の人も少ない様子。高谷池(こうやいけ)に向かう草原には雪渓が少し残っていた。
14時、高谷池ヒュッテ。
テント設営し、小屋前のベンチで缶ビールを飲みながら飲み水を煮沸する。ここでは空き缶もトイレの紙もお持ち帰りである(宿泊者のは回収してくれる)。テン場に戻ってビールと持参の文庫本でくつろいでいると、16時過ぎから断続的に雨。テントに引っ込んでアルファ米とレトルトカレーで夕食にする。新しいテントは2~3人用で、一人では無駄に広い。
■8/12(日)
4時前に起きてみるとガスって真っ暗。予報通りに荒れるのだろうと雨具のズボンとスパッツを着け、テント撤収。支度を整えたところでトイレを催したりして手間取る。明るくなってみると意外や晴れていたのだが、草の露を避けるために支度はそのままに5時出発。朝の光の中、天狗の庭が美しい。
木道が終わって登りになると次第に天狗の庭を見下ろし、後方に妙高山がせり上がってくる。ライチョウ平で暑さが勝って雨具を外した。6:10 火打山(2461.8m)登頂。残念ながら雲が湧いてきたが、その上に北アルプスの山々、穂高~槍~鹿島槍~五竜~白馬が浮かんで見えた。その彼方の剱岳に山塾仲間のS木・Y氏らは登っているはずだ。これから向かう焼山もきれいな円錐形を見せている。
天狗の庭で追い越したパーティの声が聞こえてきたところで出発。下りはまた草露で濡れるので、スパッツを着け直した。
標高で450mも下り、焼山に近づくと噴気らしい音が聞こえる。登りにかかる前の胴枝切戸の辺りは気持ちのいい高原だが、その後は山頂手前まで地獄の急登。とても一息では登れず、中ほどで立ち休みして息を整えた。道に草が覆い被さっていて、スパッツの甲斐もなく靴の中まで露が浸入してくる。剥き出しの溶岩が目立つようになると傾斜も緩み、火口壁に這い上がった。荒涼とした中に三角点がポツン、その先に標高2400mの山頂標識。見下ろす火口は雪渓で埋まっている。8:30、近くの岩に上がって休憩。
ガレた斜面を下り、やがて樹林に入る。9時、「泊岩」のプレート下で草の踏み分け道が分岐している地点を通過。
高谷池ヒュッテに出ていた焼山登山の注意に曰く「登山道・道標はありません」「落石や土砂崩壊の危険があります」。ここまで確かに道標はなかったが、要所にペンキ印はあり、踏み跡もしっかりしている。しかし下り始めて間もなく、ルート下の斜面を転がり落ちる岩の音を聞いており、落石には要注意である。
南に向かう分岐を取って下ると5分ほどで次の分岐。先ほどのが泊岩分岐とすると次は富士見峠のはずだが、ここは谷間で地図と一致しない。足元の道標は左が「金山、笹ヶ峰」、右が「笹倉温泉」。自分は富士見峠から右の金山へ向かいたいのだが、コンパスを振るとちょうど分岐の真ん中を指す。昭文社地図に笹倉温泉が見当たらないので、あえて道標を無視して右を偵察してみるが、やはり方向が違う。よくよく見ると、分岐の頭上の枝に「富士見分岐点→」というプレートが下がっていた。先ほどの分岐は地図に載っておらず、ここが泊岩分岐なのだった(後で地図を見直したところ、笹倉温泉は欄外に「至」と出ていた)。素直に道標に従って左に登っていくと10分で富士見峠。今度は間違いなく金山へ向かう。
裏金山を過ぎ、金山に向かって大きくカーブする辺りで靴下を脱いで絞る。富士見峠からこの辺りは刈り払いがしてあって助かった。そうでなければササのヤブこぎに近い状態だろう。10:30に金山(2245m)。
11:10、平らな草原の中にお地蔵様のいる天狗原山(2197.1m)を通過し、ブナタテ尾根を下る。北アルプス三大急登のひとつと同じ名前だが、「タテ」が急傾斜の意味なのか?
地図に「展望良い」とある地点で妙高山の見納め。南の奥の方は乙妻山で、高妻山はその向こうに隠れている。
そこから少し行った水場は沢の流れを塩ビパイプで受けたもので渇水時は不安だが、傍らが広く平らでテン場になる。
13時、登山口に出た。
カンカンではないものの日の照りつけるアスファルト車道を歩いて、13:50 雨飾荘に到着。途中行き会った親子と思しき自転車3人はどこかでキャンプだろうか。火打山からここまで、他に誰とも遭わなかった。案外人気のないコースと見える。
山荘で\500支払って入浴したが、山荘すぐ下に無料の露天風呂があった。こちらには石鹸もビールの自販機もないだろうから、山荘で正解と思うことにする。
バス停は山荘から200~300m下ったところ。南小谷まで貸切状態だった。
■今回のルート(山行時のGPSトラックデータ+2022年8月時点の地形図)
1日目(妙高山頂前後はGPSデータ取得漏れ)
2日目
2012/8/17(金) 今日のヤモリくん ― 2012年08月17日 00:00
ヤモリは居ついたらしく、時折サッシ越しに姿を見せる。
今日もいるな、と思ったら、おや、シッポをどうした?
ネット検索してみると、トカゲと同様に自切し、再生するとのこと。ネコにでも押さえられて逃れたのかな。
2012/8/25(土)~8/29(水) 双六岳~鷲羽岳~読売新道 ― 2012年08月25日 00:00
無名山塾M下講師のお手伝い。参加者5名はすべて同講師の過去の山行でご一緒して顔馴染み。
鷲羽岳は一昨年に登り損なっている(⇒ 2010/8/13~8/15記事)し、双六岳は前回(⇒ 2012/7/14~7/16記事)も割愛せざるを得なかった。さらに奥の水晶岳、読売新道は行ってみたかった山域。天気は最高、眺望バッチリで、自分の夏休み山行としても楽しんだ。
■8/25(土)
M下講師とメンバ2名は昨日から入って笠ヶ岳を登る。自分はその他の3名と新穂高温泉から入り、今日はわさび平小屋まで。明日、双六小屋で合流の予定だ。
新穂高温泉で昼食を摂り、12:50に出発、14:10にわさび平小屋着。林道歩きなのでどうということもないが、歩き慣れたメンバではある。小屋に入る際、M下講師が予約を入れていたとは知らずに宿泊受付したら、後で「予約客が着いていない」とちょっとゴタゴタ。自分の名前で呼び出されたり、講師と電話で話したりで解消した。
■8/26(日)
弓折乗越を越え、10時半に双六小屋に到着。
今日はここまでなのだが、M下講師班が遅い。小屋の外で待っていて、やってくるパーティに向かって手を振ったら違っていたり。待ちくたびれた頃にようやく到着、こちらの連れた参加者を講師に引き継いで、ちょっと荷を下ろした気分。
■8/27(月)
5:20 出発。急登をこなすと槍を背に山頂に至る広い草原で、笠ヶ岳も雲海に浮かんでいる。そこを登ってきた二人にとっては一層の眺めだろう。
6:40 双六岳(2860.3m)登頂。
三俣蓮華岳(2841.2m)には8時。三角点標石はガラガラした岩の間にかしいでいたが、新旧でもあるのだろうか。
8:40~9:20 三俣山荘で休憩。
山荘から少し行くと急登だが、鷲羽池に癒される。10:40 鷲羽岳(2924.2m)。ここから見る槍は北鎌尾根が荒々しい。
12:50 水晶小屋着。大混雑で狭くて暑く、非常に寝苦しかった。
■8/28(火)
5:15 出発。
水晶岳(2986m)では三角点を探したが、地図をよく見ると山頂から少し下がった2977.7mにあるのだった。
温泉沢ノ頭を過ぎ、9:40 赤牛岳(2864.2m)。薬師岳(2926m)が大きく見える。行ってみたいが、あちらはアプローチが大変なんだよな。
裏銀座コースの烏帽子岳が隣に来て、読売新道は樹林に入っていく。長い下りで、14:40 奥黒部ヒュッテに到着。
夕食まで間があるので、サンダル履きで付近を散策。いつか上ノ廊下へ行くことはあるだろうか。ヒュッテでは風呂に入れるのがうれしい。
■8/29(水)
6:45出発。桟道を伝い、黒部川から黒部湖へ。9:20 渡船場に着いた。地図にある平の渡場は入り江に沿って東に入ったところだが、その入り江より手前だ。しばらくすると5人乗ったボートがやってきて「あんなに小さいのか」と思ったが、それは工事関係者。実際の渡しにはちゃんとキャビンもあってデッキを含めれば10人以上乗れる。結局1時間近く待って乗船、20分足らずで対岸に上陸。
湖沿いの道は高低差はないが、存外時間がかかる。前方に建物が見えてからもしばらく歩き、ロッジくろよんに14時、黒部ダムを渡りきったのは14:30。読売新道はなるほど長かった。
■今回の行程
↓ 8/25~26日
↓ 8/27日
↓ 8/28日
↓ 8/29日
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