2006/12/17(日) 「スキャナー・ダークリー」 ― 2006年12月17日 00:00
休日早朝出勤、とは言っても仕事は朝8時から1時間ばかりで終わり、シネセゾン渋谷で「スキャナー・ダークリー」。
いや、最初から一抹の不安はあったのだが、やっぱり物質Dに脳を侵されたかの如く判断力低下--ありていに言えば睡魔に襲われてしまった。ストーリーは追えたのだが、論評は不能。
そもそも自分はディックの世界観はあまり得意でなく、この作品の原作も読んでいない。ディックの小説は頭が疲れている時の方がよく理解できるという評を読んだことがあったが、映画を観るのに睡眠不足はいけません。
しかしこの、ロトスコープでアニメ化された映像とスクランブルスーツによって無個性化された主役の音声は、現実に皮一枚を被せてそれが少しばかりずれているようで、認識の不全、不安を伴う浮遊感を醸し出す。
頭が疲れている時には周囲と自分の間に膜があるように感じる。この「膜」を上記の「皮」に等しいものとすれば、過去に映像化されたディック作品--もはや古典の「ブレードランナー」を始め、「トータル・リコール」「マイノリティ・リポート」「ペイチェック 消された記憶」--の中で最もディック的な映画であるのかもしれない。
PCの内蔵DVDドライブを買って帰宅し、即座に換装。ケースを開けてみたら前面吸気口のフィルタとCPUクーラーにホコリがビッシリで噎(む)せこんだ。
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