2005/7/1(金) 「1.0 【ワン・ポイント・オー】」2005年07月01日 00:00

「SFマガジン」の映画評を読み、チケットぴあで前売を買ってシネセゾン渋谷へ。窓口の前で初めて今日が映画の日であることに気付く。マヌケである。

薄暗い画面、ともすればどこまでが現実か見失いそうになる不条理な雰囲気の展開。既に主人公の妄想に入ってしまっているのでは?と思わせつつもストーリーは現実の残酷な結末に向かって進む。

主人公のアパートに空箱が届くようになるのと前後して周囲の住人が変死したり不審な行動を取るようになる。最初は変人揃いのアパートかと思った(^^;) 映画紹介でナノマシンというキーワードを見ているので、箱の中身の見当はつくのだが、主人公を翻弄する住人の行動がどう関わってくるのか・・・

ナノテクウィルスとコンピュータウィルスのオーバーラップ、オッサンの作っているロボット(AI)とネットの繋がりとかが面白い。
しかし、コンピュータのインタフェースは完全にコマンドラインで一昔前のイメージだな。まあ、この映画の雰囲気には合っている。
それと、バグのあるテスト段階のものをバージョン「1.0」とするなよー。これはベータ版だろう。勝手にベータテスターにされた方は堪らないが。

ナノテクでヒトの購買行動をコントロール出来るかはSFとしても相当疑問。空腹感や多幸感など特定の感覚なら脳の特定部位の刺激や化学物質の増減で操作できるし、反射運動程度ならナノマシンのプログラムで対応できそうだが、意思決定となると脳の相当広い領域の働きをエミュレートしなければならないだろう。頭蓋骨の中にサブの脳を作らないと無理かも。それでか、脳味噌を持ち去るのは?
まあそんなSF考証より、ここは自覚しないうちに行動をコントロールされかねない時代の怖さの象徴と受け取っておくべきなのだろう。

少々寝不足のところに薄暗い画面のレイトショーというのはちょっと辛くて、後半はあまり集中できなかった。機会があったら落ち着いて見直そう。

帰りの電車内、K田・T氏のミクシィ日記で同じ場内にいらっしゃったことが判明した。

2005/7/2(土) 恐竜博20052005年07月02日 00:00

上野科博へ終了前日の「恐竜博2005~恐竜から鳥への進化~を観に行く。
約束してあった友人O倉・K氏は夜勤明けで沈没、一人で10:30頃到着してみると70分待ちの長蛇の列。入場まで実際に1時間掛かったが、降らず照らずの曇り空で助かった。

入って最初の展示物は恐竜という分類群の基になったメガロサウルス等。ここは歴史的な順序だが、以降は恐竜から鳥への進化の系統に沿った展示になる。ただ、日本で初めて展示されたアロサウルスの全身復元骨格標本が敢えて当時の姿のまま尻尾を垂らしたゴジラ姿にしてあるあたりは愉快。
進んでいくと、最近発見されるようになった羽毛恐竜が出てくる。シノサウロプテリクス(中華竜鳥)、ディロング。話には聞いていたが見るのは初めてで興味深い。恐竜のイメージが変わる。
目玉はやはりアジアのタルボサウルスvsアメリカのティラノサウルス「スー」、大物の睨み合い。それにしてもデカい。子供は夢に見そうだ。これで一生の進路が決まってしまう子もいるだろうなァ。
その後はどんどんトリ的になってくる。中国で発見された化石が多い。しかし、鳥類への道を辿ったものも真鳥類のごく一部を除いて白亜紀末6550万年前の大絶滅を乗り越えることはなかった。諸行無常。
締め括りは「ダーウィンの鳩」。進化論はここから始まったという意味で、恐竜の系統を明らかにする作業の原点に戻ったことになる。うまい演出だ。

O倉氏は展示がほぼ鳥に進化したあたりで到着、待ち行列が2時間に達しているので恐竜博は諦めると言う。
一緒に一般展示をつまみ食い。
地下3階で泡箱に感動。おお、このスーっと長いのが今まさに飛んできた宇宙線か、へぇこれが陽子の線か、綺麗だなぁ・・・ 来合わせたアベックの若い兄ちゃんも「これ凄くねぇ」と見入っていた。こんな隅に置いておくのはもったいない展示である。
久しぶりに月の石を拝もうと探したのだが見当たらず。改装の関係でしまいこんであるのか。

科博を出たのは3時過ぎだったが、二人とも昼食を取ってない。O倉氏が浅草で天丼を食おうと言うのに従って浅草天藤へ。海老天丼を待つ間に宮内庁御用達の酒「惣花」(そうはな)1合を頼んだら、大きなグラスになみなみと大盛の1合であった。親父さん曰く「食前に半分、食後に半分飲むといい」。確かに香りが強くなくて、食前食後ともスーっと入る飲み易い酒だ。天丼も海老が4本も乗っている豪勢さで、胡麻油か風味高くカラっと揚がっていて実に結構。

上野まで来たら有楽町のガード下でビールだ!という訳で、次はJSレネップへ。さすがに天丼を食ったばかりではガスが抜けるまで苦しかったが、結局ビール1リットルにソーセージにチーズ、O倉氏が勘違いして頼んで飲みきれなかった強いリンゴ酒まで干した。ドイツビールは美味い。

何だかタイトルと違って飲み食い日記になってしまった。

2005/7/3(日) トンデモ落語の会 第40回2005年07月03日 13:00

年末以来、2回目のトンデモ落語の会。
お江戸日本橋亭、12:30開場、13:00開演。

淡路町で降り、美味しいと聞いた蕎麦屋「まつや」へ・・・と思ったが今日はお休みらしい。残念ながら次回にして「かんだやぶそば」へ。せいろう1枚とお銚子で税抜\1300。蕎麦は美味いが、ちと酒が高い。

12:15頃、日本橋亭。既に10数人並んでいる。列について本を読んでいると、伸びた列を折り返すように誘導する人がいる。K田・T氏だった。さすが場慣れていらっしゃる。
入場して座布団席の真ん中へんにいたが、K田氏が最前列にいらっしゃったのでそちらに移る。幕が上がると冷気がどっと来た。

開口一番は快楽亭小ブラ。「こちらにアーデルハイトという方はいらっしゃいませんか」と始まる。アーデルハイド(小ブラは末尾を濁らずに言っているように思うがアニメではド。ドイツ語の発音ではトらしい)と言えばハイジだな、ハイジをアーデルハイドと呼ぶのはロッテンマイア女史か、と思っていると「クララお嬢様がご病気で」。クララは本放送当時の裏番組の某艦長に恋煩いしていた・・・で、以下「崇徳院」。前半で終わったが、原典のフォーマットに従えばヤ○トの主題歌でサゲなければならない。是非とも持ちネタ化して最後まで語ってもらいたい。小ブラは年末のトンデモ落語会の時に前座名をもらっていたものだが、ずいぶん上達したと思う。

続けて三遊亭白鳥「真夜中の襲名 序章」。上野動物園の大名跡「かんかん」を「こぶこぶ」が継ぐことになって・・・

次は談之助師匠。アリス柄の羽織にハイジ柄の着物という、小ブラとシンクロした出で立ち。手拭はパタリロときたもんだ。マクラでは、都議選は共産党に入れた何故なら、と懐からポスターを出して「女の子が可愛いから」。選挙ではサイレントマジョリティたる炉を取り込まなくてはいけない、と一くさり。本題はメイド喫茶ならぬ「前座喫茶」。落語界入門とも言うべき内容で、寄席初心者の自分には少々難しい。K田氏は大ウケしていたが。切符売場をテケツと呼ぶのを覚えました。

真打続きでブラック師匠。マクラは師匠の初監督作品「『四谷怪談』でござる」。祟りなんてものは信じないが慣例だからとお参りに行ったものの卒塔婆を値切ったのが敗因か、出演の林由美香死去。「偶然ですけどね」。本編は「朝ズバッ!」(という番組があるらしい。見たことない)に苗字のない方が出演なされて兄を○○氏と呼ぶなど時事ネタ。トンデモ落語の会らしい危険な噺だが客席には笑えない人もいた模様。

仲入りがあって春風亭昇輔。南千住のペコちゃんが見た人間模様。ケロロネタが出てこれが場内に受ける。ケロロ小隊は大きなお友達、特にトンデモ愛好家の間に確固たる橋頭堡を築いたようである。こいつらを尖兵として操ればペコポン侵略もたやすいぞ。

ラスト、立川談笑。ネタが新鮮らしくメモを見ながら、前の演者とダブるところもあったりするが、トリを取るだけあって流石に上手い。本編は「オカルトチキンレース」。照明を落としてロウソクを灯し、BGMはお経。ロウソクの影がゆらゆら・・・という風情は最前列ならでは。最後は客席全員起立して「黙祷」。でブラッCが出て・・・きたけど何をしていいのか分からない様子でサゲが付かなかった。

一つ一つの演題が長めで、終わったのは16時前。
少し後ろの席にK元・T氏がいらっしゃったのだが、人垣に阻まれて接触できず。
K田氏と別れて淡路町まで歩き、そのまま帰宅。

2005/7/5(火) 「宇宙戦争」2005年07月05日 18:20

昼休みに池袋HUMAXシネマズ4のチケット売場に出向き、18:20の回ど真ん中の席を確保。仕事場がサンシャインだとこういう処が非常に便利。もっとも17時過ぎに少し時間の掛かりそうな作業が入って焦った。

閑話休題。

触れるSFを何でもクズにしてしまうスピルバーグなのでまるで期待していなかったのだが、予想外に面白かった。侵略者(作中では火星人とは言っていない)を徹底的に邪悪に描き、スピお得意の甘ったるい宇宙規模ヒューマニズムを廃したのが成功の原因だろう。

娘のアレルギーも覚えていないダメな父親のトム・クルーズが反抗期の息子と11歳の娘を抱えて逃げ惑う。その過程で彼は成長し子供との絆も深まるのだが、家族愛の描写を抑えたのも良かった。「プライベート・ライアン」で見せた戦闘(殺戮?)描写の冴えが前面に立ち現れてきて気持ち良いのである。全体の状況説明を最小限にとどめ、ただただ見える範囲の描写で進んでいくのも緊張感を高める。

ただ、作中もっとも緊張するのは隠れ家を探索する侵略者のカメラから隠れる場面だが、その後のシーケンスがちょっと長過ぎ。緊張が続かない。

観ていて「今の映画だなぁ」と思うのは、攻撃に対して娘が「テロリストなの?」と怯えるシーン。9.11以降、アメリカでは戦争を知らない世代は消滅したのだな。大戦やベトナムを経験しなかった世代にとってはテロリズムが現実の戦争なのだ。
それに、厳密に言えばクルーズも逃げているばかりではない。
一度は助けてくれたものの狂気に駆られて安全を脅かすようになった男を力で排除する。息子が軍と共に行こうとするのを止める一方で、侵略者との闘争を唱える同胞と戦う。皮肉な構図は、大きな闘いよりも身近な家族が大切というスピのメッセージだろう。そう言えば、「未知との遭遇」のラストで主人公は家族を捨ててUFOに乗り込む。スピ自身が家族を持った今ではああいうストーリーにはできない、と語っていたっけ。

闘いと言えば、本作では自動車の運転が上手い程度のただの人であるクルーズが成行きでトライポッドを1機破壊する。侵略者から逃げるばかりではあんまりだと考えたのかもしれないが、少々ご都合主義な展開だった。

原作は発表100年の本物の古典、50年前のバイロン・ハスキン監督作はSF映画の古典。1938年のオーソン・ウェルズのラジオドラマによるパニックというエピソードもある。その歴史の末席に連なるのも許せる出来、と評価しておこう。ただし、何回もの再見に耐えるほどの深みはない。

2005/7/6(水) サッポロクラシック2005年07月06日 00:00

先日発注しておいたサッポロクラシック1ケースが届いた。
宣伝する訳ではないけれど、毎月1日に注文すると送料無料というお店があって500ml 24缶で\6,900。
札幌近郊在住のF崎・K氏に近所の量販店の値段を教えてもらったところ、1ケース\5,700~\5,800で送料\1,000とのことなので、悪くない。
あとは六花亭のマルセイバターサンドが欲しいなぁ。
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