2006/10/21(土) 地球壊滅か、日本壊滅か2006年10月21日 00:00

物騒な日記タイトルだが、日本スペースガード協会(JSGA)創立10周年記念講演会のパネル討議のテーマ。正しくは『地球壊滅か、日本壊滅か ― 小惑星地球衝突問題』。
「地球壊滅か、日本壊滅か」ポスター
メイン発表者の小松左京につられて東大本郷キャンパスの山上会館まで出掛けてきた。事前に声を掛けておいたK田・T(ミクシィネーム:さざんかQ)氏、S戸口(ミクシィネーム:++ungood)氏と会場で合流。

講堂入口脇には小惑星衝突関連など磯辺琇三(シュウゾウ。シュウは「王」偏に「秀」。環境によって文字化けするかも)理事長の著書・訳書が3種積んであって、好きなのを1冊貰える。出版社が倒産して在庫を抱えていたのを引き取ったものだろう(会誌「ASTEROID」最新号にそう書いてある)。会誌のバックナンバーは取り放題。

小松御大を中心に居並ぶパネリストは以下の方々。
 藤縄幸雄(リアルタイム地震情報利用協議会・専務理事)
 多田隆治(東京大学理学研究科教授、環境科学)
 水谷 仁 (元宇宙科学研究所教授、「ニュートン」編集長、惑星科学)
 船田 元 (衆議院議員、会員)
 牧野賢治(前日本科学技術ジャーナリスト会議会長) 
モデレーターは磯部理事長。

まずは小松御大、阪神淡路大震災('95)から説き起こす。
自衛隊が直ちに出動体制を整えたのは優秀、だが出動命令が来ないため出られなかった、など。自衛隊の災害救助の役割に続けて「その翌年にスペースガード、かっこいい名前ですよ。宇宙防衛軍、胸がときめきます」。うんうん、やはりSFものはそうでなくては。
次に恐竜絶滅と隕石落下の話へ。恐竜が生きた当時は引力が小さかったなどというトンデモ説を引きつつ、哺乳類の台頭、人類の発生へ。
さらに終生の問題意識である宇宙にとっての文学の意義。人類の意識は地球愛、宇宙愛と拡がるが、宇宙からの脅威の予測と対応を人類の常識としていかなければならない。
衝突小惑星が発見された際の対応は、爆破するかロケットエンジンを設置して軌道を変えるか・・・といったあたりまで話して、スペースガードの意義をまとめる基調講演だった。ただ、『衝突する宇宙』の名前を出したのには違和感あり。

以下、各パネリストがそれぞれの立場から発言。
その真面目な話の合間に小松御大が「人類はいつ立った。朝立った」(星新一のジョークと記憶する)とか口を挟むのだから堪らない。やっぱりSFものは莫迦だねぇ(もちろん褒め言葉である)。
船田議員の「小松先生の隣に座れて光栄です。映画「日本沈没('73年版)は5回観ました」との発言には大いに親しみを抱いた。国会内で大いに莫迦仲間を増やしていただきたい。

御大の「恐竜絶滅の引き金になった天体に名前はないの?」という質問に、磯部理事長は「軌道確定しないと名前は付かない」と回答。天文学的には正しい答えだが、科学者ってのも結構洒落を解する人種だから、愛称(?)くらい付けていそうだ。
他、御大は「NPO軍隊を作ったら面白い」とか「スペースガードに自衛隊関わっちゃいかんの?」とか、ちょっと反応に困るようなことを言う。だからSF(以下略)。
・・・という具合に発言は相変わらずの御大だが、聴衆の前で入れ歯を外して口をモグモグさせるのを見るのはさすがに寂しかった。

全体として、各人の発表を受けて討議する時間が不足だったのは残念。ニュートンとジャーナリストと国会議員あたりで、スペースガードの普及戦略など議論してくれれば面白かったのだが。

ともかく予定の16:30で討議を終わり、山上会館前で集合写真を撮影。K田氏、S戸口氏はJSGA会員ではないからと遠慮して入らなかった。小松左京と一緒に写真に写れるチャンスなのに。
キャンパスを出て歩いて上野に回り、K田氏の案内で広小路亭裏のとんかつ井泉へ。東京国際映画祭の話など。

【オマケ】
郵趣サービス社(⇒ 同社オンラインショップ)で宇宙開発関連切手の自動頒布を利用している。帰宅してから今月分の送品を見たら、NASAのディープインパクト計画(⇒ 国立天文台の解説ページ)の小型シート(ガイアナ発行)があり、その送品案内書の説明が「彗星爆破計画」となっていた。ちょっと西出新九郎。しかし、爆破してどうするよ>郵趣サービス社
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