2006/9/20(水) 「科学」 2006年9月号2006年09月20日 00:00

植木不等式ことK元・T氏が寄稿している岩波書店の「科学」を買ってみた。特集は「疑似科学の真相/深層をよむ -なぜ信じてしまうのか」。

植木氏は「トンデモ科学の功罪」と題する論文を書かれている。疑似=疑わしいニセモノという視点から一歩下がると疑似科学が正統科学に寄せる信頼や憧れが見えてくる。さらに離れれば両者の区別は曖昧となる。人々は科学への基本的信頼を土壌に、疑似科学を「媒体」「道具」とする価値観に共鳴して騙される。
光あるところに陰がある。科学に疑似科学は付き物で、正しい科学をもって似非科学を駆逐するのは不可能なのだ。そう認識した上で、疑似科学的主張は有効なコミュニケーションについて考える素材ないし「鏡」ではなかろうか、と述べる。サイエンスライティングの戦略策定ということですね。今後ますますのご活躍を期待しております。

ただこの論文、読解力の乏しいわたしにはスムーズに繋がらない部分がありました。望遠鏡で宇宙の深遠を覗く例えとか、末尾近くの「戦闘条件」とか。もう少し言葉を補ってもらえると分かりやすかったかと。
・・・私信モードになってしまった。

他の論文は、世間に(小学校の道徳にまで!)はびこる似非科学の現状、疑似科学を生み出すヒトの心の情報処理の特性など。コラムでは、皮膚科医も関与しているアトピービジネス、米国のID論争を取り上げている。
欄外の一行知識も植木氏提供かな。
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