2006/2/11(土) ロケットまつり10 ― 2006年02月11日 19:30
今日も休日出勤。しかも朝8時から。しかし予想よりもスムーズに進んで夕方5時に上がれた。で、無理かと思っていた新宿ロフトプラスワンの「ロケットまつり」へ。
人気企画ゆえの二桁開催で、6時過ぎには地下への階段からはみ出す行列が出来ていた。多少早くに開場になったが店内は行列組でもう満杯。一段高い座敷に席を取れたが窮屈だった。人気があるのも痛し痒しだ。
登壇者はいつものゲスト(へんな言い方)の垣見、林氏、聴き手に笹本、松浦氏。あさり氏は締切に追われて最後まで登場せず。
今回は林氏の66歳の誕生日に合わせた日程。1970年の今日は人工衛星おおすみの上がった日でもある。そこで、恒例となった「砂消し」、今回はバースデーケーキのロウソクに姿を変えた。林氏が吹いても消えなかったりして。
今回は技術的な話はほとんどなし。資料もなし。話の中でデータが分からなくて、会場から前回配布された林氏自身の文章の提供を受けたくらい。
全体に「薄い」回だったが、かと思うと「ここだけの話」と念を押されるような話題もあり。「ここだけの話」はちょっと嬉しい内容だったが、当然ここには書けない。
以下、オープンな話題をいくつか。
最近の「ISASニュース」に野本陽代が寄せた文章で、糸川の太平洋20分横断構想を「ハッタリ」と書いているのはどうか(林)というのに対して、「あれはハッタリとしか言いようがない」(松浦)。垣見氏もハッタリ寄り。林氏の「ハッタリというのは出来ないと分かっていて出来ると言うこと」という定義にも一理あるが、まあ、先駆者にはハッタリも必要だろう。
的川教授の最近の著書『逆転の翼』にはウソが多い・・・と思ったら、垣見氏が編集した『荻窪ロケットの思い出』という300ページ以上ある文集を元にしていた。この文集、1000円くらいで頒布したそうだ(同人誌だね)。垣見氏、編集時に人の文章は読んでいなくて、今回いろいろ間違いを見つけて「アハハ」。「アハハじゃないですよ」(松浦)。松浦氏、300ページ以上をコピーしたのだが、垣見氏が首から下げていたUSBメモリーに「全部入ってる」と聞いて、「それください」。
どこの施設だかメモし損ねたが、糸川の預けた資料がダンボール70箱あり、フォン・ブラウンから贈られたものも入っている。捨てると言っているので拾いに行こう。もっとも、何が出てくるかは分からない。
今回林氏が取り出したのは、いつもの各種ペンシルに加えて「ひてん」のキックモーター。糸川が「くれ」と言うのを「宇宙研のものだからダメです」と断ったが結局貸したもの。それをどういう訳かパン屋の親父が「糸川先生からもらった」と持っていたのを取り戻した・・・ってあなた、宇宙研のものがいつの間に私物になっているのか(笑)
はやぶさプロジェクトは川口プロマネと広報の的川教授の二人が揃わなければ成功しなかった(松浦)。隠したがる川口プロマネに何でも出しちゃう的川教授、と言うと川口プロマネの印象が悪くなるが、非常に優秀(頭が切れる)な上に、人間関係でアメリカのDSNの使用許可を取れるのはこの人くらいだとか。だから、「はやぶさ2」計画ではプロマネを若い者に譲ると本人は言っているが、誰に出来るのか。
最後の質問コーナーより。
宇宙に対するイメージは?・・・星が好きだったが、ロケットは宇宙に行くと思っていなかった。人工衛星で初めて宇宙を実感した(垣見)。
設計者に対するアドバイスを・・・日に3度手を洗え、つまり製作現場に出向いてどういうものを作っているのか見なさい。
ロケット=兵器だが、アメリカの妨害は?・・・警戒はしていたが妨害はなし。技術供与して傘下への取込みを図った。
次回は4/22(土)の予定。
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